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数日前にも、下村湖人さんの「次郎物語」のことを書いていました。

長編小説ですが、何度も何度も読み返していました。

どれほどにも多くのことを「次郎」から教えられたでしょう。

 

そして高校に入ってすぐ、同じ感性を持った友人と出会いました。

何かの折に、今まで読んだ本のことを話したことがあります。

そして二人とも、大きな影響を受けたと言った本が「次郎物語」だったのです。

 

「『次郎物語』を読んでいない奴は、信用しない」。

 

二人で、同じことを言いました。

半分、面白がって言ったのですが、それでも、わたしたちにとり、それは真実だったはずです.

 

けれど友人は、二年生の暮れに消えてゆきました。

その時わたしは、己にこう言い聞かせました。

 

「絶対的な孤独と挫折を持たぬ者は、信用しない」

 

高校の時、自身へ放った言葉を背負い、わたしはここまで生きてきたのでしょう。

 

「これがわたしの一生だったのだ」と。

 

その歩いてきた長さを、見つめています。

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2009年10月07日(以下の前回ネット書き込み日)

 

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莫逆の友は、

下村湖人の「次郎物語」が好きだった。

大きな影響を受けていた。

 

俺も同じだった。

 

俺たちは半分本気で言っていた。

「『次郎物語』を読んでいない奴は、

 信用しない」。

 

友が消えた後、

俺は自分に言った。

「絶対的な孤独と、

 絶対的な挫折を、

 味わったことのない奴は、

 信用しない」と。

 

 

今日の俳句


 つくばふも水面見えずと秋の江

   ツクバウモ ミナモミエズト アキノコウ