冬来たりなば・・・
寒さが本格的になってまいりました。
今日はこんなときに思い出したい格言をご紹介いたします。
「冬来たりなば春遠からじ」
この言葉を遺したのは、18世紀末に生まれた詩人、
パーシー・ビッシュ・シェリー/Percy Bysshe Shelley。
1792年にイングランドの富裕な貴族の長男として生まれたシェリーは、
オックスフォードに学び、ロマン派の詩人として多くの名作を生み出しました。
1819年10月につくられ、翌年に発表された
「西風に寄せる歌/ODE TO THE WEST WIND」の最後の一文から。
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The trumpet of a prophecy ! O, Wind,
If Winter comes, can Spring be far behind ?
予言のラッパを吹き鳴らしてくれ!おお西風よ、
冬が来たなら、春の遠いことがあり得ようか。
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文学的には評価の高いシェリーですが、一般的には彼の後妻、
メアリー・ウルストンクラフト・ゴドウィン・シェリーの方が
ゴシック小説「フランケンシュタイン」で有名であることはなんとも皮肉。
それでも、たった一行でも、
世界中の人々が口にする文言を生みだしたということは
とても素晴らしいことなのではないか、と思います。
北風にやたらとふかれて涙がにじむとき、
指の先が冷たくって痛いようなとき、
ちょっと思い出してみてください。
「 If Winter comes, can Spring be far behind ?」
凍てつく風の向こうには、必ず春が出番を待っています。
by N