夢のまた夢 | きなこ と ぱなっち

きなこ と ぱなっち

きなこ母と娘ぱなっちの楽しい毎日です。

こんな夢を見た。



ベッドに入って、心地よく眠っているわたしに、誰かがキスをする。
それは、George Harrison だと知っている。
これ以上のことに発展しちゃったらどうしよう♪
と、期待をするけれど、それ以上にならないことは知っている。

Ringo と Paul もいる。
John はいない。
「何か、もっとリゾートっぽい服持って来ていたらよかったのにね。」
と、わたしが言う。
みんな、いつものスーツを着ているのだ。
「でも、そんな分かりやすい格好で、まさか本物三人が歩いているとは、誰も思わないだろうから、出かけよう!」
と、わたしが提案する。
みんなが、「そうしよう!」と、同意する。
タクシーを呼ぶことにする。
ここは、わたしが泊まっているホテルの一室なのだ。
わたしも着替えないと。
タクシーが来たと、フロントから連絡がある。
「先に行って待っているよ。」と、Ringo と Paul が、部屋を出る。
George は、部屋の外でわたしを待っていてくれている。
どの靴を履こうか?
ホテルの部屋の靴入れの中にあったのは、ビニールの子供靴で、
白地に、The Beatles の 赤く縁取られた A Hard Day's Night のアルバムジャケットの小さい模様が、幾つも規則正しく、靴全体にプリントされているものだった。
これでは恥ずかしい。
靴箱を片っ端からあけて、なんとかネイビー・ブルーのローファーをみつけて履く。
小さくなってしまっていたはずなのに、履けた。
部屋を出ると、そこは野原で、George は、低いコンクリート塀に座っていた。
隣に座る。
空を見上げ、うろこ雲を見て、George が囁く。
リバプール訛が強くて、何を言っているのかほとんど分からないのだけれど、
わたしは、この人がこんなに好きだったのだな。」と、分かった。
太陽に照らされ、この上なく幸せだった。

夢から覚めた。
あのキスは本物だったなと感じる。
あれは、本当にあったことなんだと確かめたくて、
ホテルの部屋に戻る。
古びた木の靴入れがある。かつては、下駄箱と呼ばれていたものだ。
正方形に仕切られた下駄箱の一つ、33と書かれている扉を撫でる。
ここに、あのアルバム・ジャケットのプリントされていた子供靴は入っていたのだ。
いや、そうではない。
この下駄箱ではなかった。
今わたしがいるのは、太宰治が宿泊していそうな古びた旅館だ。
わたしの部屋は離れの一室なので、
ここで下駄に履き替えたら、そこまでは飛び石を踏んでいかなければならない。
雨模様で、薄暗い。
George と見たあの空はない。
あのホテルには戻れない。
でも、その33と書かれたこの下駄箱はどこかで見たことがある。

夢から覚めた。
あのキスは確かに本物だったなと、感じた。



靴にプリントされていた模様は、これ。

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