日御子/講談社
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代々、使譯(通訳)を務める安住一族の子として生まれた針(しん)は、病床の祖父から、那国が漢に使者を遣わして「金印」を授かったときの話を聞く。

それは、「倭」の国が歴史に初めてその名を刻んだ出来事。

祖父が聞かせてくれる物語に、針は胸震わせ遠い過去に思いを馳せた。

それから十数年が経ち、再び漢へ遣いを出すことになった。

こんどは針の番だった。伊都国の使譯として正式に任命されたのだ。5隻の船にたくさんの生口(奴隷)を乗せ、漢の都・洛陽へ。

──その後「倭国大乱」「邪馬台国」そして「東遷」へと、代々の使譯たちの目を通じて語り伝えられていく日本の歴史。

眼前に広がる古代歴史ロマンが、日本人の心を捉えて放さない。



日本の歴史で興味があるのは、古代、平安、幕末。

題名を見て読みたくて読みたくて、やっと図書館から着たビックリマーク

540ページにも及ぶ、超長編大作ビックリマーク


ハハキギ ホウセイさんという作家のお名前を存じ上げなかったのだけど、現役の精神科医のお医者さんなのだそう。


安住一族の灰(かい)から孫の針(しん)へ。

針の子、江女(こうめ)から孫の炎女(えんめ)へ。

炎女から甥の在へ、在から子の銘(めい)へ語り継げられる、9世代200年にも及ぶ長い長い物語。

中国 は、漢から魏・蜀・呉へ。

韓、そして倭国。

戦いと和平の繰り返しの中で、倭国は小さな船で命がけで漢に朝貢(ちょうこう) を行った。

貧しい倭国が、漢の国王に捧げる朝貢品の中で一番大切なものは、生口(せいこう) (奴隷)だった。

生口といっても、親のいない子を王城に集めて教育や立ち振る舞いを教えて大切に育てられた者たち。

その他は、絹糸、絹織物、米、香木、木製品、土器、石器、石包丁、毛皮など。

漢の下賜品に比べれば粗末なものばかりだけど、漢の帝にとっては倭人が遠い国からはるばる海を渡って朝貢してくることに意味があったし、朝貢を贈った倭国の王が賜った金印 は、倭の他の国々に対して威光をもたらす結果になった。

一口に漢に朝貢を行いにと言っても、船を作るのに2年、天候を読みながら倭の国々に寄港し、韓の地を経て漢の楽浪郡の港に着き、そこから帝のいる洛陽まで陸路で100日以上。

倭国を出て、倭国に帰ってくるのに2年近くかかることになる。

その様子が、使役を仰せつかった代々のあずみ族の口から語り継がれる。



使役というのは、漢の言葉を理解し、漢の文字を読み書きで出来る通訳のこと。

この時代、まだ倭国(今の日本)や韓(から:韓国)には文字がなかった。

使役としての、あずみ族 の掟がある。

「あずみ」というのは遠い昔、漢の国の南の方から東の方を目指し、たどり着いたのが倭国であった。

「東」は「あずま」であり、代を重ねるごとに音が変化し、「あずみ」になった。

韓(から)にたどり着くものもおり、名前は阿住、安曇、安住、安澄、安潜などさまざまに変えられている。

あずみ一族の名は、【木火土金水】の5つの文字の繰り返しになっている。

この時代は言葉はあっても文字に残す習慣がなく、文字の扱いを生業とするあずみ族ならではのもので、他国の使役に名前を聞いてみると、相手の名で「あずみ」の一族かどうか、そしてその代がどこに位置するかもわかる。

日本にはまだ文字がなく、漢の言葉がわかり読み書きが出来る使役が重宝された。


そのあずみの掟とは、


人を裏切らない。

人を恨まず、戦いを挑まない。

良い習慣は才能を超える。


この3つに加え、日御子に仕えた炎女(えんめ)が祖母から教えられた


骨休めは仕事と仕事の転換にある。


戦いを挑むと、天にその姿が見えなくなる。

この世にいないのと同じ、けものや魚、虫と同じになってしまう。

天の眼がお前を見ている限り、いくらこの世が広いといっても、お前は天の眼に守らている。

少しくらい辛い日があっても、悲しい日があっても、必ずその向こうには良い日が待っている。

辛いまま、悲しいままであるはずがない。


「お天道様が見ているよ。」

と、昔の人は言った。

私も、この言葉が心の中にある。

誰も見ていなくても、お天道様は見ている。

自分の良心に従って生きるという教え。

この3つの教えは、今に通じる基本的なもっとも大切なこと。

自分に正しく人を許し受け入れ執着せず、そして苦手なことでも毎日行っていれば、才能を持っている人をも越えられる。

才能がある人は、毎日習慣化することによって、より才能を磨くことが出来る。


この本は、歴史も学べてしかも心の在り方まで学べる音譜

「なにかあったら歴史を振り返れ」とか「歴史にすべてが詰まっている」というけれど、そこで学べないから、「歴史は繰り返す」ってことになってしまうのよねしょぼん

諸悪の根源は「欲」に尽きる。

この時代、漢、韓、倭の関係は良好だった。

合わせて200人近い生口が渡り、また漢や韓から倭国に渡り、血も混じり合った。

祖先を辿ってみると、誰でもみな異国の血が混じっている。

そのことに気づくと、もっとお互いを認め合うことができるのにね。



2~3世紀頃の倭国想像図があるので、地理を頭に入れて読むとわかりやすい。

領土問題で津島がニュースで頻繁に出てくるけれど、ここに描かれている地図の位置や文章を見ると少し理解できる。

魏志倭人伝倭国大乱三国志漢委奴国王印

遠い昔、歴史の授業でなr会ったわという言葉が出てくるので、復習にもなるひらめき電球

漢委奴国王印 が、なぜ「奴」という名が入っているのかという謎も解いてくれるし、この時代の風習、文身(刺青)、衣服、食べ物、産業などの生活様式がわかるし、情景が目に浮かんでとても面白かった。

今年私が詠んだ本の中で、面白かったと思う本のベスト3に入るかも音譜

フィクションなのだけど、でもきっと降りて来てると思うのよひらめき電球

手塚治さんもそうだって言うしね。

この著者の他の本も、続けて読みたくなったニコニコ


前にブログに書いた


舞い降りた天皇(上)/祥伝社
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の上下巻と合わせて読むのもおススメナイスグッド

続きが詠みたくて、読みたくて、久しぶりに寝不足になっちゃった苦笑

読んでて、ワクワクするよ~ビックリマーク



推拿Relaxation PANARI


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