神様のカルテ/夏川 草介
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栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。

ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。

大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。

第十回小学館文庫小説賞受賞作。


内科医になって5年目の一止は、夏目漱石の「草枕」に感化され、まだ若いのに、「こやつ」とか、「おるであろう」なんて物言いをする。

堅物で冗談が通じなくて、ちょっとずれているゆえに変人扱いされているけれど、患者を思う気持ちは人一倍。

なんだか、大正か昭和初期の学帽にマント姿の学生を思わせる。

読んでいるとマンガみたいで、くすっと笑える。

そんな彼に「細君」と呼ばれている奥さんは、とても美しい言葉遣いの山岳写真家。

映画は観ていないけれど、本を読んでいると、変に生真面目なところがおかしい櫻井翔君と、奥さんなのに少女のような宮崎葵ちゃんしか思い浮かばないほどぴったりとはまっている。


今の病院の有り方や医療の問題が書かれていていろ考えさせられるけれど、どれだけ長く生きたかじゃなくて、どのように生きたかが大切なんだなあと思う。

最期に、しあわせな気持ちで死ねたら、それがいちばんいいなあと思う。



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