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清朝最後の皇帝、ラスト・エンペラ―宣統帝愛新覚羅溥儀の弟溥傑と、嵯峨侯爵家の令嬢、浩の子供で、ふたり姉妹の次女。
満州国「最後の皇女」として首都・新京(現・長春)に育つが、五歳のとき終戦にともない満州国が崩壊。
母とともに一年五ヵ月のあいだ大陸を「流転」し、引き揚げる。
一家は十六年をへて、中国の戦犯管理所に収容されていた父と再会を果たした。
戦後は学習院に学び、日本国籍を取得。
福永健治と結婚し五児の母となる。
敗戦後、わずか5歳で動乱の大陸をさすらい、命からがら引き揚げてくるも―歴史的一族に生を享け、激動の日中間を生きた女性の半生を描く。
中国は返還前の香港にしか行ったことはない。
行きたいという気持ちはないにもかかわらず、古代中国や清朝、戦前から戦後、文化大革命など、なぜか中国に興味があって、本も何冊か読んだりしていた。
チャネリングで、「だから中医学習ってるのよ」って言われたけど、何かしら縁があるのかなって思う。
前世で画学生で若くして戦争に取られて亡くなってるそうなのだけど、山の斜面に腰かけている若い軍服の兵隊さんが浮かぶから、もしかしたらそれが中国の大地なのかもしれないなあなんて勝手に思っている。
羅生(こせい)さんの大伯父は、
両親は政略結婚にもかかわらず、お互い一目見て恋に落ち、その思いが離れ離れの16年の過酷な状況をずっと支え続けた。
清朝の皇帝家と日本の侯爵家の娘の次女の、由緒あるお姫様であった羅生も、わずか5歳で満州国の崩壊によって壮絶としか言いようのない体験をし、日本に帰ってきた。
亡命ルートは閉ざされ父はロシアに連行され、母とふたり、暴動化した民衆の恐怖や遺体が即座に固まるほどの極寒との戦い、アメーバ赤痢、飢餓、しらみの強烈なかゆみを味わい、わずか5歳で地獄絵図を見させられた。
日本に帰ってから後も衝撃的な姉の死を経験し、戦犯管理所に収容されていた父と中国で再会するも、日本で生きる道を選び、両親と別れて帰国してから文化大革命が起こり中国に渡る道も閉ざされ、身の危険が迫る両親を案じる日々を送るという激動の人生を送り、今に至る。
「どんなことがあっても、落ち込んだりはしないのでございますよ。
生まれてから死ぬまでいつも前を向いて、努力のみでございます。」
「生前から父はよく申しておりました。
『モノに執着してはいけない。
モノは生きているときのお客様。
困っている人がいたらさしあげなさい。
生きているうちに他人様のお役に立つことができれば、生きていた甲斐がある。』
と。」
「命は失せないものでございますね。
人の心に残り、生き続けるものでございますね。」
羅生さんにとって、いちばん大切にされている信条は?の問いに
「『目に見えないものに包まれ、守られ生かされているということに、日々感謝し、今を生きる』
ということでございましょうか。
『静かに行くものは、健やかに行く。
健やかに行くものは、遠くまで行く』
と申します。
静かな心で、正しく歩み続けていれば、倖せはきっと訪れる・・・そう信じております。」
この言葉遣いの美しさは、心の美しさを表しているようで、羅生さんの柔らかい物腰が目に見えるようだ。
人の運命や人生って、その最中には先のことはまったく見えないものだけれど、こうして読ませてもらって遠くから眺めてみると、使命のある人は、ギリギリのところでちゃんと守られ導かれているのだなって思う。
もちろん、もうちょっとってところで光が閉ざされたり、希望が断たれたりはするけれど、もしかしたらここで死んでいてもおかしくないってところで、天からさっと救いの手が差し出されたりしている。
世の中には不条理なことがいっぱいある。
正しいものが必ずしも認められるわけではなく、むしろ正しくないものによって抑え込まれ辛酸をなめさせられたりする。
でも、どんな状況でも自分を支え続けてくれるのは、愛なんだなって思った。
読んでつくづく、国と国を結びつけるのは、政治ではなく、人の心なのだと思った。
戦争は悲惨な状況を作り出したけれど、その中でも心ある人は、国は違えどお互い人間として接した。
敵国に分かれても、恩や縁を大切にした。
国は国民を守らないけれど、人は人を守った。
身分や地位や権力で人を人と思わない振る舞いをする人も多いけれど、羅生さんの両親のように、誰とでも同じように接する人もいる。
その生き方が羅生さんに繋がり、そのとき受けた恩が羅生さんに返っている。
ボクの満州―漫画家たちの敗戦体験 でも書いたけど、自分のしたことが、良くも悪くも返ってくる。
身分や状況が人を変えるのではなく、その人の人間性なのだなと思った。
お金や権力や地位や名誉は、なんの力も持たない。
東日本大震災を体験した日本が、身に染みて感じていること。
だから、”絆”なのよね。
絆であって、命。
そこに気づいている人、震災で気づかされた人、気づかない人、気づかない振りをしている人、いつまで経っても目に見えるものに固執している人、どんどん執着していっている人。
震災を境に二極化がどんどんと進み、そのうち分断される気がする。
著者の本岡典子さんは阪神大震災を羅生さんが住む西宮の、直線距離にして100メートルの近さで被災している。
この被災の記憶が「生きてある」ということの意味を深く問い、この体験が羅生さんとの出会いを手繰り寄せることになったという。
そして読んでいると、偶然というものはありえないのだなと思うような縁でこの本を書くことに至っている。
主要参考文献の多さにも驚かされるけれど、この本のおかげで今一度いちばん大切なものに気づかされて感謝した。
とにかく、涙があとからあとから流れてくるので、ハンカチではとっても追っつかない。
ラストエンペラーも心に残ったけれど、2003年、テレビ朝日開局45周年記念ドラマで、
テレビ朝日開局45周年記念のスペシャル番組として2日間にわたり放映された、
竹野内豊、常盤貴子他、豪華キャスト出演によるドラマ史劇の第一夜と第二夜を収めた2枚組DVD-BOX。
日中を舞台に、時代に翻弄されながらも生き抜いた夫婦の壮絶な人生の物語。
を観た。
浩役をされた常盤貴子さんは、「ラストエンペラー」が公開された時期、偶然にも羅生さんの次男の中学時代の同級生。
斜め前に座っていた常盤さんが彼に愛新覚羅家や映画のことを聞いてもはぐらかして教えてもらえなかったそうだけど、そらからしばらくして
日本が戦争の泥沼におちいりつつあった昭和12年、旧侯爵家の長女だった著者は、軍部の仕組んだ政略結婚をあえて受け入れ、満州国皇帝の弟に嫁いだ。
日中の架け橋として健気にその務めを果たしながら、戦後は夫と離ればなれに動乱の満州を流浪。
そして16年をへて再会。
国際結婚による民族風習の違い、その後の激動する境遇の障害を乗り越えて夫婦の愛を貫いた一人の女性の感動の一生。
を読み、またしばらくしてどうしても読みたくなり、友人から借り受けた翌日にドラマの出演依頼を受けたそうだ。
私もこのドラマを観たけれど、気品に満ちた表情や立ち振る舞いに、常盤さん以外には考えられないほど、そのままだったのを覚えている。
やるべくしてやった役だったのね。
