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私の家族はちょっと変わっている。
お調子者で万年バンドマンのお父さんヤグと、元パチプロ、元パンクス、現役未婚(!)、自称「永遠の24歳」のお母さん、そして15歳の私はつき。貧乏でもずっと仲良く楽しく暮らしてきた。
だけど…。
ラストは涙、涙、涙!ファンキーな一家をリアルに描いた新しい家族小説誕生。
図書館で予約していたのが着たけど、いったいなんで予約したんだかさっぱりわからなくて、しばらくして大泉洋さん・麻生久美子さん主演で映画を撮ると言う話をテレビで観て読んでみたくなったんだなあと思い出した。
もとパンクスのお母さんと、同居している、おばかでお気楽なふうらいぼうのヤグ、そしてそんなふたりをみて育っているので、少々歳よりも大人びている中学3年生のはつき。
「おもしろけりゃあいーじゃん
」というのが、この家の家風。
入籍こそしていないけれど、ずっとはつきはヤグが自分のお父さんだと思っていたのに、そうじゃないことがわかって、それからなんとなく、家の空気が変わって行く。
そんな空気を吹っ切るように、ヤグがオーストラリア移住を持ち出す。
みんな不器用で、お互いのことを思いやっているのに空回りして、落ち込んで・・・ほんと、切ない。
切ないんだけど、笑える。
私の頭の中には、すでに大泉洋さんのヤグと、麻生久美子さんのお母さんが動き回っていて、「どえりゃ~
」だの、「あでえっ
」なんてバリバリの名古屋弁でタンカ切ったりまくしたてたりするくせに、ヤグのサプライズな愛の行為に、あわあわと真っ赤になっちゃったりする乙女な麻生さんと、場違いなことばっかりやって場の空気を凍らせたり、ガチガチになるくらいに緊張してるのに、やってることはまったくむくわれない大泉さんが、どうにもおっかしくって
本はイマジネーションの宝庫
頭の中では、まるで吉本の新喜劇のようなドタバタ劇が繰り広げられ、ついつい声を出して笑ってしまう。
でも、健気なの。
ヤグが。
ラストは、笑いつつもじんわり泣いちゃった。
みんな、あたたかい。
ものすごく不器用なのだけど、それがいい。
お母さんもヤグも、世間一般の大人枠からはみ出している大人(なにを基準にして言うのかわからないけれど)なのだけど、ほんともどかしくて世話が焼けて、イライラするけど、ものすごく愛おしい。
大人のクセに、ときにははつきよりも子供になって、良かれと思ってやったことが裏目に出てシュンとしてしまう寂しげなヤグの背中を、なんだか抱きしめてあげたくなる。
完璧じゃないから、許せちゃうんだなあと思う。
大人だって、どうしていいかわからないことだって、いっぱいあるんだよ。
でもそういうほうが、人間としてずっと魅力的で、いいよね。