今日のおひさま
戦争が終わっても、食べるものがなく慎ましい食卓。
それでも、家族がそろえば楽しい。
一緒に食べるってことが大切なんだと思う。
何も言わなくても、顔を見れば調子がわかるもの。
お母さんが、
「国もお上も私たちのことを考えてくれないんだから、こうやって自分たちでがんばるしかないんだよ。」
と言う。
「そりゃ、そうさや~!
もうお国とか偉い人なんて信用できねえんだから・・・」
とお父さん。
「お国のため」という一言に、どれだけの犠牲を強いられてきたのか。
戦争が終わって、自分たちがどれだけ国に騙されていたかがわかった。
暗に今を批判しているよね。
各家できっと、そう言っていたんだよね。
昔はおおっぴらに立て付けないから、川柳や瓦版や芝居に取り入れたりして憂さをはらしてたのよね。
でも大人は良いけど、振り回される子供たちはたまらないよね。
昔は、災害で家が壊れても壊れても自分たちの力で建ててきた。
それは、すべて自然素材で出来ていて、近所とのつながりもあって、掘立小屋みたいな安普請の小さな家に住んでいたからなのかも。
もちろん建築確認なんて手続きもないし・・・
今は、家が壊れても朽ちて土に還ったりしない。
ゴミや環境ホルモンでそのまま残る。
文明がないときは、知恵があった。
今は便利になった分、頭が働かなくなった。
良いんだか、悪いんだか・・・
やっぱり何事もシンプルなのが、いちばん良いのだと思う。
戦争が終わって、みんな帰ってきた。
シゲにいちゃんも和さんも。
はるにいさんは、帰ってこなかった。
帰ってきた人も、心に傷を負っている。
生きて帰ってきたことに、後ろめたさを感じている。
現地でたくさんの人の死を見てきて、自分も死ぬか生きるかギリギリのところで毎日を過ごしてやっと帰ってきたら、世の中がまったく変わっていた。
燃え尽きてしまって、心の中にぽっかり空いた穴が埋められない。
毎日夢でうなされる。
そんな人に、「前向きにがんばろう」なんて、簡単に言えないよね。
シゲにいちゃんと和さんは、お互いに胸の内を話すことで少し心が和らいだ。
どんなに心配しても、同じ体験をした人にはかなわない。
それでも、誰かが誰かの力になれるんだよね。