「家族が一緒に暮らすこと。
そんな当たり前が、ぼくたちには奇跡だった」
キャスト:
前田航基 前田旺志郎 林凌雅 永吉星之介 内田伽羅 橋本環奈 磯邊蓮登 オダギリジョー 夏川結衣
阿部寛 長澤まさみ 原田芳雄 大塚寧々 樹木希林 橋爪功
監督・脚本・編集:
是枝裕和
あらすじ
九州新幹線が全線開業の朝、博多から南下する“つばめ”と、鹿児島から北上する“さくら”、二つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に奇跡が起きて願いが叶う……。
そんな噂を耳にした小学6年生の大迫航一(前田航基)は、離れて暮らす4年生の弟・木南龍之介(前田旺志郎)と共に奇跡を起こし、家族4人の絆を取り戻したいと願う。
二人の両親は離婚し、航一は母・のぞみ(大塚寧々)と祖父・周吉(橋爪功)、祖母・秀子(樹木希林)と鹿児島で、龍之介は父・健次(オダギリジョー)と福岡で暮らしているのだ。
兄弟は、友達や両親、周りの大人たちを巻き込んで、壮大で無謀な計画を立て始める。
そしてその計画は、様々な人々に奇跡を起こしていくのだった……。
親の離婚によって、大阪から鹿児島の母親の実家に引っ越して母親と暮らす兄の航一と、福岡で父親とクラス弟の龍之介。
航一は毎朝ベランダの手すりや学習机、ランドセル、畳の上に積もった桜島の火山灰を雑巾で拭うのが日課になっている。
「まったく、意味わからへん。」
いっそのこと噴火してくれたら、家族4人がまた大阪で一緒に暮らせるのに・・・
鹿児島の人は、桜島を意識し、桜島と共に暮らしているのね。
静岡にいる私も、富士山を意識している。
でもそれは、毎日富士山の方角を眺めるということ。
鹿児島の人は、指をなめて方角を確かめ、火山灰が積もるか積もらないか確認する。
同じ活火山でも、噴火してるかしていないかの違いで、その事実はとても大きい。
龍之介は、毎朝庭に植えた野菜に水をやり、ひとりでご飯を食べ、眠っている父親に声を掛け、ゴミ捨てをして学校に行く。
ある日、航一は「二つの新幹線がすれ違う瞬間に奇跡が起きて願い事が叶う」という噂を知り、友達ふたりを誘ってその場所に行くことに決める。
そこから計画して実行に移すまでがわくわくする![]()
まるで、夏休みの自由研究。
模造紙に地図を書き駅を記入して、鹿児島からと博多からの新幹線がすれ違う場所を割り出し、往復の交通費やお弁当代などの費用を割り出す。
でも小学生でみなのお小遣いをかき集めても交通費に満たないから、知恵を振り絞って自動販売機の下に棒切れを突っ込んで落ちた小銭を拾い集めたり、本やフィギュアを売り、最後には航一が通っている来月分の月謝まで出して、ようやく目標額に達する。
弟に連絡し、時間を決め、途中の駅で落ち合うことに。
これって、
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59年、オレゴン州の小さな町、キャッスルロック。ともに12歳のわんぱく仲間4人が、森の奥で行方不明になった少年を見つけだそうと冒険に出る。しかしこの2日間の冒険は、それぞれ生涯忘れられない思い出となるのだった。
だなあって思ったのだけど、でも冒険なんかじゃなくて、もっと切実。
だって、別れた家族がまた一緒に暮らすとか、死んだ飼い犬を生き返らせるっていう強い願いがあるのだもの。
バンドを組んで好きに生きている(ゆえに妻に見放された)父親と一緒に住んでいる龍之介はまだしも、航一たちはどうやってうたがわれずにひとりずつ学校を出るか、知恵を絞る。
でもちゃんと面白がって協力してくれる大人はいるわけで、なんとか電車に乗り約束の駅へ。
自分も3人で来たくせに、4人で来た弟に
「なんや、ひとりじゃないんか」
とちょっとムッとする![]()
お兄ちゃん、きっと弟がうれしがって抱きついてくると思ったのね。
最初はお互いの出方をうかがうみたいな形でぎこちなかった7人も、そこは子供。
あっという間にひとかたまりのグループに![]()
でも、ひとりの子の足が遅れてお巡りさんに声を掛けられ、探しに行った後の子供たちもみつかってしまいピンチに![]()
苦し紛れに女の子のひとりがおばあちゃんの家を探しているとウソをついたら、親切にお巡りさんも一緒に探してくれようとし、
「あ、あそこです
」
と指を指したお宅のおばあちゃんは目をぱちくり![]()
でもおばあちゃんはそのウソを、ちゃんと受け止めてくれるの。
そのお宅の老夫婦は一人娘が田舎を嫌って出て行ってしまって、その子が娘と似ていたのでびっくりしたの。
みんなに店屋物を取ってくれて、修学旅行のように一部屋にみんなの布団を並べて敷いてくれ、大きな布をくれたのでそこにみんなで願い事を書くと、それを棒に縫い付けて旗にしてくれた。
まるで小さな修学旅行。
その女の子の髪を梳きながら、おばあちゃんの気持ちも癒されていった。
みなが寝静まった後の、兄弟ふたりの場面も良い。
「これだけ大きくなった」って背中合わせで立つ場面とか、残り少なくなったポテトチップスの袋を、航一は友達と一緒にいるときには、「最後のこれがいちばんおいしいねん」と袋をさかさまにして上を向いて開けた口に放り込んだのに、その権利を弟にゆずってあげた。
一緒に暮らしていたときには、最後の袋の取り合いで、いつもケンカになったのにね。
翌日はおじいちゃんがトラックでみんなを送ってくれた。
朝陽が輝く中、一番列車が列車がすれ違い、みな思い思いに願いを叫んだ・・・
小学校の高学年は、思春期には早いけど、完全な子供ってわけでもないのよね。
前に、年齢に「つ」がつくまでは天使 だとブログに書いたけど、小学校4年からくらいからは、大人よりも大人だったりして、その言動にドキッとする。
航一が電話でこの計画の話をし、
「また4人で暮らしたいと思わないか」
と龍之介に言うと、彼は彼で
「でもお父ちゃんとお母ちゃん、けんかばっかりしてたやん」
と思う。
母親が、酔っぱらって泣きながら電話して、
「龍はお母ちゃんに会いたいと思わないの?」
と聞くと、
「だってお母ちゃん、龍はお父ちゃんに似てるから会いたくないんかと思って」
と言う。
酔って帰ってきた父親に向かって
「龍はガマンしてんねんで。だからお父ちゃんもガマンせなあかん。」
と諭す。
感情をやみくもにぶつけたりせずに、ちゃんと、自分の頭でしっかり考えてる。
子供って、大人が思っている以上に、しっかりしているんだなと思った。
でも大人のように本音と建前を上手に使い分けられないから、航一がお父ちゃんに電話を掛けたときのストレートな物言いに、大人のお父ちゃんのほうが言葉に詰まったりする。
航一は冒険して、ちょっと大人になった。
桜島が噴火すればいいのに
そしたら家族4人で暮らせるのにって思っていたのに、熊本で降りた駅の駅長さんに、
「普賢岳が50年前に噴火してたくさんの人が亡くなったんだよ」
という話を聞いて、新幹線がすれ違う直前で願い事を変える。
「ごめんな、家族のことより世界を選んでん」
いいねえ、かっこいいねえお兄ちゃん![]()
まえだまえだ、上手いよ、上手過ぎるわ![]()
オーデションで受かってから監督がシナリオをこの二人のために書き換えたという。
やっぱりお笑いをやっているからかなあ、間の取り方も秀逸。
そして表情がなんとも良い。
子供たち7人がとても良かった。
監督は、子供が大好きなのね。
とても良い表情を撮る。
まるで、ドキュメンタリーを観ているようだった。
大人たちも良かった。
自由人で子供より子供っぽいお父ちゃんのオダギリジョーさん。
離婚して実家に帰って、母親だけでなく娘の顔もちょっと出しているお母ちゃんの大塚寧々さん。
子供たちのあこがれの先生の長澤まさみちゃんと、熱血漢なのだけどちょっとずれている担任の阿部寛さん。
おじいちゃんの橋爪功さんとおばあちゃんの樹木希林さんは、子供と対等に接しているのもいい。
航一はこの計画をおじいちゃんにだけ打ち明け、おじいちゃんは妻と娘に「心配するな」とだけ伝える。
帰る日、家の軒先でおじいちゃんとおばあちゃんが航一を待っているのだけど、航一の姿がみえたとたんにさっきまで心配げに待っていたおばあちゃんがさっと家の中に入り、航一がおじいちゃんに「ばれてない?」っていうふうに聞くと、「大丈夫だ」と答えたシーンがとっても良かった。
孫じゃなくて、対等に一人前の男として扱い、彼のことを信じて待っていてあげていたのだものね。
たぶん、家が遠いから孫たちとそんなに接していなかったと思うの。
老夫婦の大人だけの生活だったから、孫に媚びたり変に子ども扱いせずに、そうやって接することが出来たと思うのよ。
良かったです。
泣いたり、笑ったり忙しかったけど・・・
温かい気持ちになった。
これほど大それたことじゃないけれど、小学生のころは男だ女だってことはあまり意識せずにひとかたまりになって、小さな冒険したなあって思い出した。
あの土手でこんなことしたなあとか、あそこの空き地があって秘密の場所を持ってたなあとか、忘れていた記憶って、何かの拍子にボロボロとこぼれてくるものなのね。
九州が好き。
たぶん、子供のころに読んだ「古事記」と、中学生の時に読んだ「青春の門」の影響だと思う。
10年前に会社を辞めたとき、今までしたことがないことをしようと、10日間、初めてのひとり旅をした。
九州に行こうと躊躇なく決めた。
宮崎県の鵜戸(うど)神宮 では、ご本殿下の磯に、母君豊玉姫が出産の為に乗って来られたと言われる霊石亀石(れいせきかめいし・桝形岩)があり、この亀石の背中に桝形の窪みがあり、この窪みに男性は左手、女性は右手で「運玉」を投げ入れ、見事入ると願いが叶うといわれていて、「運玉」を買って
「リフレクソロジストになって人のために役に立ちたいです
」
とお願いして投げ入れたら、見事に一発で窪みに入り、今に至っている![]()
宮崎で一泊し、翌日は宮崎と鹿児島の県境にある霧島いわさきホテル に泊まって、ホテルの前から出る観光バスの午後半日コースで、竜馬が新婚旅行で上った高千穂河原やえびの高原や霧島神宮を回った。
そのバスの運転手さんが静岡県三島市出身の方で、翌日から3泊別府で泊まるというと、
「もったいないから1泊キャンセルしてぜひ高千穂に行きなさいと」
言われて、急遽別府のホテルキャンセルして高千穂を予約し、今は無き高千穂鉄道に乗って高千穂へ。
でも駅に迎えに来てくれた宿の主人が何ともアヤシイおやじだった
そして部屋も民宿に毛が生えた感じで、お風呂もなんだか埃臭く、部屋の鍵もひとつでチェーンもない
その日は高千穂峡 を散策し、暗くなってきたので怖くなってダッシュでゼイゼイしながら宿に戻り、高千穂神楽のある高千穂神社 はそう遠くなかったのだけど道が暗いので往復タクシーを頼んで神楽を楽しみ、帰ってきて部屋の鍵をかけてその前にテーブルを立て掛けるというなんとも自意識過剰な自己防衛をし、なんとなく寂しくなって実家に電話を掛けたものだから、かえって母親に心配され、
「お姉ちゃん、電話なんて掛けてくることなんてないのに、なにかあったのかしら?」
と妹に電話をしてきたらしい![]()
翌朝半日観光を申し込んだら、お客は一人旅の男性と女性の3人で、宿の話をしたらバスガイドさんと女性のふたりから
「宿はユースホステルか民宿でないと。あとはタクシーの運転手さんに連れて行ってもらうのがいちばん
」
とアドバイスされた
3人貸切りのゆったりバスで、雲海橋
、高千穂峡、天岩戸神社
、高千穂峡、国見が丘
、神楽宿
、高千穂神社を回って、途中竹筒に入ったお酒を勧められて、全員お酒が弱いと断ったら、まだ20代前半のバスガイドさんに「九州の女は酒を断らないのに」とあきれられた
バスセンターに着き、一人旅の女性に、
「高千穂鉄道の日之影温泉駅には駅舎と温泉が併設されているので一緒に入って行かない」
と誘われて、途中下車してゆっくりと温泉を楽しみ、最終駅の延岡で別れて別府へ。
その日は別府に行く途中にある臼杵にある元町石仏をみる予定だったのだけど、
「女性がひとりで夕方に石仏を見に行くのは危ないからやめなさい」
と言われて、そのまま別府の駅前にあるホテルへ。
ビジネスホテルなのだけど、最上階に温泉があって、その前におばさんが座っていて、
「今日は女性客がひとりだから、ゆっくり入っていらっしゃい。私が見張っていてあげるから」
と言ってくれて、夜景を眺めながらゆっくり温泉を楽しみ、翌日は元町石仏 を見に行き、そしてその翌日は指宿に行けなかったので上人ケ海浜砂場 で海を眺めながら砂風呂を楽しみ、翌日は湯布院へ。
駅で時刻表を見ていたら、タクシーの運転手さんが「どこに行くの?」と聞いてくれ、
「湯布院に行くならバスのほうが景色が良いから、絶対バスにしなさい」
と言ってくれたので、山の美しい景色を眺めながらバスに揺られて湯布院へ。
湯布院の宿は敷地内に点々とある1棟建ての湯治施設だったので、ガスレンジにオーブンに調理器具がひとそろいあり、ひとりで泊まるには広すぎるくらい。
そこで夕飯に地鶏のすきやきをひとりで豪華に食べ、お風呂は「中に入って鍵を掛けたら貸切りだから」と言われて、翌朝までに5つのお風呂を全部制覇した。
翌日は半日レンタサイクルを借りて美術館めぐりをしたり、亀の井別荘の天井桟敷 で珈琲を飲んだりして過ごした。
佐賀に今は横浜に住んでいる学生時代の親友が転勤で住んでいたのでその日は泊めてもらい、翌日は博多に泊まり、広島と大阪の親戚の家に泊まって帰ってきた。
確かカメラ付き携帯はまだ出ていなかったし、カメラを持っていくのを忘れたので、残っているものが何もない。
なんだか急に思い出して書いてみたけれど、案外と覚えているものなのだなあ・・・
人にも、天気にも恵まれた。
そして、なんだか行き当たりばったりだったけど、まだスピリチュアルブームではないのに、知らずとずいぶんパワースポットを回っていたわ![]()
霧島のバスの運転手さんの一言がなかったら、洪水で流されてしまった高千穂鉄道に、二度と乗ることはできなかったのだものね。
楽しかったのは、車窓の景色と、駅のホームや食事をしたお店で聞いた地元の人の方言。
いちばん覚えているのが、なぜか別府のラーメン屋さんで隣に座った若い男の子の、
「おばちゃん、しょうゆあると?」
っていうひとこと。
九州弁と言っても、宮崎や熊本や福岡で微妙に違って、温かくてよいなあと思った。
車窓もとても美しくて、いつもは電車乗るのに本がないと手持無沙汰なのに、9月のまだ緑が濃い時期で、移り変わる景色がすばらしくて、電車に乗っているときは本をまったく開くことがなかった。
いいなあ、九州![]()
この映画も、大阪弁と博多弁と鹿児島弁と熊本弁が出てきて、なんだかほっこりするの
くるりの歌も良かった。