体文協社会人大学の新年度1回目の講演があった。
去年は昼教室を受けたけど、今年はナミちゃんが夜教室を申し込んだというので、私も夜に変更した。
ひとりで聴くよりふたりのほうが、数倍感動できるかも?

第一回目の講演は、大好きな中村征夫さん。(大好きな人が多いな、私は。)

水中写真家で、ダイビングをやっている人なら、憧れの存在だ。
シーナさんの、怪しい探検隊のメンバーで、何を隠そう、私がダイビングを始めるきっかけになったのは、征夫さん、あなたです。

シーナさんの「海・空・サンゴのいいつたえ」の映画の、征夫さんが撮った水中シーンを見て、何がなんでも沖縄に行って潜らなくっちゃって思ったのだ。

征夫さんが人生観を変えてくれたって言っても、過言ではないかも?

シーナさんの映画「アヒルのうたが聞こえてくるよ」の試写会でゲストに来て下さったときも、見に行ったから、今日お会いするのは(私が一方的にだけど)2回目。

シーナさん繋がりのサユリちゃんも誘って、3人で最前列を陣取る。

征夫さんの撮ったカクレクマノミの写真が、ニモの映画になったのだそうだ。

ソフトスーツに身を包んだダンディな征夫さんを真近に見て、ドキドキしながらお話しを聴く。

ケラマ諸島で撮ったスライドを見ながら説明をしてくださった。
38年潜っていて、日本の海が一番お好きなのだそうだ。

チョウチョウウオやクマドリイザリウオ、サザナミフグ、メガネウオetc
懐かしいなあ。
「色鮮やかな方が沖縄の海では目立たなくて、ニシンやホッケが泳いでいたらすぐにたべられちゃうんだよ。」とか、「目が弱点でそこが最初に襲われてしまうから、目の周りが黒くなってるんだよ。」とか、ひとつひとつスライドを見て丁寧に説明をしてくださった。

征夫さんは、とても物言いが優しい。
魚にも愛情をいっぱい持っているのが、写真からもよくわかる。
征夫さんの撮った魚はとても豊かな表情をしている。
怒った顔、笑った顔、なんともいえないユーモラスな顔をしていたり、魚も感情を持っているんだなってことがよくわかる。

今、環境汚染や温暖化で、サンゴが白化現象を起こしている。
サンゴは、たくさんの酸素を出し、二酸化炭素を吸収して、魚の隠れ家として小動物を育てている。
アマゾンの熱帯雨林と同じなのだそうだ。

1972年の沖縄の本土復帰で、海洋博を機に乱開発したせいで、海に赤土が流れ込みサンゴの上に覆いかぶさって、サンゴの99%が死滅してしまったそうだ。

1998年、海水温が上昇し、また台風も来なかったためサンゴの白化現象が起こった。
その年に潜りに行った時、お風呂に浸かっているようだと思ったけど、サンゴは30度を堺に1度でも超えたらサンゴの中にいる褐虫藻が逃げていって、3週間後には全滅してしまうのだそうだ。
オニヒトデの異常繁殖も、深刻な状態になっている。
毎年潜るたびにサンゴが白くなっていくようで、悲しい。
サンゴが死んでしまうと、魚もいなくなってしまう。

台風は、海水の暖かいところと冷たいところが混ざり合って褐虫藻が帰ってくるのだとか。
また岩肌のゴミをきれいに流してくれたり、害虫が飛んでいくので農薬を撒かずに済んだりすることを聞いて、必要ではないものなんて世の中にはないのだなあと実感した。

講演が終わり、征夫さんの「水中の賢者たち」という写真集を買って、サインをしていただいた。

水中写真にひとつひとつ漢文の句が載せられ、説明が書いてある。
征夫さんの言葉が、また温かいのだ。
私は「海も天才である」っていうエッセイが大好きだ。

「うみそら見てダイビング始めて、毎年座間味に行ってるんです。」ってお話して握手してもらった。わ~い!

ずーずーしくも、写真も一緒に撮ってもらった。
わーい、わーい!
しばらく興奮冷めやらずである。

しかし私も気の多いこと・・・