変形性股関節症
関節軟骨の退行性変化をきっかけに
股関節の関節破壊・変形をきたす疾患。
※日本では寛骨臼形成不全などに続発する二次性のものが大半を占める。
好発
①40〜50歳以上の女性
②重量物取り扱い作業の従事者
③肥満、加齢
④寛骨臼形成不全や発育性股関節形成不全の既往のある人。
が主に上げられる。
症状
◯鼠径部の疼痛
初期は股関節の運動開始時の疼痛が特徴的。
進行すると疼痛は持続性になり、安静時痛や夜間痛をきたすことがある。
◯関節可動域制限
進行に伴い股関節の可動域(伸展・外転・内旋)が制限され、日常生活動作(靴下履き、足の爪切り、しゃがみこみなど)が困難になる。
◯関節変形
進行すると股関節は変形(屈曲・内転・外旋拘縮)し、患肢短縮に伴う脚長差をきたす。
◯跛行
疼痛、脚長差の存在または外転筋力の低下により様々な跛行(疼痛回避跛行・トレンデレンブルグ跛行)をきたす。
これらが代表的な症状になります。
治療・施術
まずは疼痛や症状の進行を予防するのに保存療法が 適応されます。
日常生活指導・・・減量、負担のかかる動作の回避・杖の使用など。
運動療法・・・股関節周囲の筋肉を鍛え、関節の安定性を改善。無理なストレッチ特に股関節外転・外旋位などは関節炎を助長する恐れがあるため、積極的には奨励されない。
装具を装着し疼痛のコントロール。
注射による疼痛コントロールなどが上げられます。
ただ保存療法を実施しても進行が見られる場合は、手術適応となります。
股関節は歩行時や動作時に大変重要な関節になりますので、適切な対応が必要となります。