上腕骨顆上骨折 | まことの気になる事!

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 上腕骨顆上骨折は幼少期、特に学童の小児に多い。

受傷原因としては、転倒して手をつき肘関節が過伸展強制され生じることが多い。(伸展型骨折)

病気がみえる11運動器・整形外科 P322より抜粋

※肘関節屈曲位で肘関節をついて発症する骨折は屈曲型骨折の場合が多い。

そして上腕骨顆上骨折は、小児の肘周囲の骨折では最も多い骨折です。

伸展型骨折では前下方から後上方へ骨折線を認める。
肘関節後方脱臼と類似の変形を呈します。

柔道整復学理論編(改訂第4版)P169より抜粋

主な症状は
腫脹・・・肘関節全周に著明(骨髄、軟部組織からの出血のため。)
疼痛・・・限局性圧痛、運動痛、自発痛すべて著明。
機能障害・・・肘関節の運動不能(屈伸運動障害
異常可動性及び軋轢音は著明。
⑤近位骨片に遠位骨片がのりあげる(短縮転位)ので、厚さと幅が増大する。
⑥神経損傷特に正中・橈骨神経の損傷が多い。
などが上げられます。

治療・施術の第一選択は保存療法、徒手整復後に外固定が基本ですが、整復及び整復位が困難な場合は麻酔下で良好な整復位を獲得し内固定などの手術適応となるようです。

後療法
再転位の防止のために適切な固定(肢位や期間など)を行う。
強力な手技や暴力的な他動運動は行わず、自動運動を主体に行う。

そして上腕骨顆上骨折は、初期治療(対応)を誤ると以下のような合併症をきたす。

神経損傷・・・骨片の転位が大きい場合、受傷後早期に正中神経麻痺や橈骨神経麻痺の出現(完全麻痺はまれ)
フォルクマン拘縮・・・上腕動脈損傷に伴う血行不全や前腕のコンパートメント症候群により生じる→最近では悪化されるまで放置されることが少なくなり、ほとんどないとのことです。
内反肘・・・整復不良により遠位骨片の内反・内旋変形をきたしたまま骨癒合が起こると内反変形をきたす。
内反しやすい理由→上腕骨顆上部内後側は骨膜が厚く遠位骨片に付着して切れることが少なく、遠位骨片の後上方転位に伴い近位骨片より剥離した状態が多いため。

以上のように合併症も多く、放置するとその後の日常生活に支障をきたす骨折です。

腫れや痛みが酷いときは、早めに対応しましょう。大阪市福島区大開まこと整骨院