※お願い※

初めて、ぱんつのこの疾患別記録シリーズを
お読みくださる方は誤解を招きませぬよう
お手数おかけして申し訳ございませんが
こちらの記事」(←クリックでリンク)を
先にご一読くださいますようお願い致します

また長文な上、おふざけネタもないので笑
ご興味ない記事についてはどうぞ(←懇願)
くれぐれもお気遣いなく読み飛ばして下さい



「モルモットの抗生剤による副作用
    (腸性中毒について)」
2011年5月(4歳9ヶ月)〜同年6月



ぱんつに見られた主な症状
・食欲不振・元気喪失・便秘・重度鼓腸症



経緯
前疾患記事の膀胱炎診断時に
皮下点滴と内服処方を受ける

処方された内服薬は
エンロフロキサシン(ニューキノロン系)
「バイトリル」
※現時点ではバイトリルはモルモットにも
一般的によく使用される抗生剤の1つです
調子よく過ごされているモルモットさんも
いらっしゃいますが
ぱんつには合わなかったというお話です

当時ぱんつが診てもらっていたA病院は
エキゾでは名の知れたかなり有名な病院で
ウサギやモルモットの患畜数もとても多く
とくに内服処方に気もとめず
その日の夜にバイトリルを経口投与した

通院前も通院後も様子は変わらず
血尿こそ出てるものの
夜まで元気も食欲もかなりあり
ぱんつはいつも通り、ご機嫌に過ごしていた



急変
翌朝、いつも通りおやすみカバーを外すと
そこには元気なくうずくまるぱんつの姿
(物音や触れると反応などはあった)

夜に出たと思われる少量の乾いた便と
ガスでパンパンに張ったお腹
食欲も完全に無くなっていた

最初は通院のストレス?とも考えたが
ぱんつの性格や今までの通院経緯を考えると
大それた検査も処置もしていないのに
ここまで容態が落ちるだろうか?と疑問

とりあえずA病院に電話し
診てもらった獣医師に相談
「たぶんストレスだろうから
もう2.3日内服を続けて様子を見て」
と告げられる

それでも心配だったので
A病院に再診に連れて行き
レントゲンを撮ると大量のガスが充満し
初めての鼓腸症を起こしていた 

「ストレスで食べなくなったと思うから
強制給餌と皮下点滴を連日続けて、
抗生剤の内服投与も続けるように」
と指導を受けた



疑問
モルモットはストレスで体調を崩すことも
少なくない動物ではあるが
どうしてもこの時は「ストレスで」
という原因に納得いかず...

悩んだが、もう一度電話で
「抗生剤の副作用の可能性はないか?」
と再確認したが、A病院の獣医師は
「今までバイトリルで体調を崩したモルを
見たことがない」と断言なされた

(※モルモットのバイトリルの副作用について
当時は今ほどネット情報も潤っておらず
「モルモット バイトリル」で検索しても
内服投与した記事は見つけることができたが
副作用については2件のみしかヒットしなかった)

ベテランの獣医師に診てもらったことと
「あれだけの数のモルを診てるA病院で
一度も副作用がないのなら...」
とも思ったが、やはりどうしても引っかかり
結局、自己判断でその1回きりで
バイトリルの内服投与は中止した
(その後、B病院の獣医師にも相談したところ
海外の獣医師専用サイトでは
バイトリルによる副作用については
当時からすでに多数の著述があったようです)



ぱんつに行った治療
内服投与こそ自己判断で切ったが
それ以外はA病院の指導通り
強制給餌と皮下点滴(プリンペラン混注)
を4日連続行った

しかし、ガスは全く抜けず溜まる一方で
日に日に容態は悪化した
この頃には強制給餌も口を動かさなくなり
野菜や果物もほんの僅か口する程度
便も一粒たりとも出ない状態に
尿もかなり少なかった

870gだったぱんつの体重は
この4日間で1030gまでに急増した

ガスからくる痛みと苦しみからか
眠ることもせず、一日中うずくまっていた

その後、自己判断で強制給餌もストップし
とにかくガスを抜くことだけに専念した

通常のうっ滞は腸を動かすことに専念するが
あまりの胃ガスの量にその方が危険だと感じ
B病院の獣医師に相談し
5日目と6日目には
あえて「ブスコパン」という
胃腸の動きをとめる薬剤を皮下注射した

それからも自宅では
ガスピタンの投与とお腹のマッサージは行い
ごはんはぱんつが食べたいものを
食べたいだけ頻回に与え
自宅での皮下点滴(プリンペラン抜)だけは
1週間続けた
(この一件があった後も
2014年初め頃までこそ
食べない=強制給餌を行なっていたが
ある考えから、それ以降は食べない時は
状況に応じて、その都度処置を変えていった
それについてはまた別記事で)



副作用のパターン?
バイトリルの副作用については
この後2.3年で一気にデータが増えたので
色々調べてみたところ
どうも大きく分けて2パターンあるように
個人的には感じた
(エキゾ病院でのデータやネット検索
獣医師からの情報をかき集めた簡易統計ですので
おもいっきりミドパディアになります)

1つは
軟便や下痢などの軽度〜中度の副作用
このパターンは投薬後、少しずつ(〜数日)
症状が現れることが比較的多いようで
そのほとんどが最終的には回復傾向にあった

もう1つは
ぱんつのように一気に鼓腸症まで陥り
便が全く出なくなる重度の副作用
このパターンは直ちに(投薬直後〜翌日)
症状が現れることが比較的多いようで
そのほとんどが数日以内に亡くなっていた

上記は後にわかったことだったが
あまりのぱんつの容態の悪さに
当時、私自身もぱんつと過ごしてきて
初めて「死」を覚悟したのがこの時だった



回復の兆し
ブスコパンを皮下注射し
ガスピタンとマッサージだけに
切り替えてから2日目、
副作用と思われる症状が出始め6日目、
ほんの少しだけ回復の兆しが見え始めた

ガスがほんの少しずつ抜けてきたようで
ごはんは食べないものの
顔つきが少しましになってきた

8日目に胃ガスが抜けた頃からは
強制給餌も少しずつ再開した
この頃には野菜や果物の食べる量が増えた
自宅での皮下点滴もこの時点で一度切った

10日目からは少しずつ
ペレットも口にするようになった

まだ盲腸ガスは残ってはいたが
やっと体勢を崩して眠れるようにもなった



完全復活まで
それからもその日のぱんつの体調により
強制給餌やマッサージ、
皮下点滴(プリンペランの有無)など
毎日、処置を変えて過ごした

それまで元気もあり、食欲もあったぱんつが
たった1度の投薬で
完全復活するまでかかった時間は
実に3週間を要した



その後のぱんつへの抗生剤選択について
この一件があり
いきなりまた他の抗生剤に変更投与するのは
かなり心配だった

そのことをB病院の獣医師に相談したところ
薬剤感受性検査(ディスク)を提案くださった

当時のぱんつに必要な抗生剤は
膀胱炎に対するものだけだったので
モルモットに一般的に使用できると
いわれている膀胱炎に対する抗生剤を全て
ぱんつの尿で薬剤感受性検査をし
まずは効く抗生剤を探すことから始めた
(膀胱炎の場合においては
この検査は尿だけあればできるので
培養に数日の時間はかかるが
とくに本モルへの検査の負担は無し)



薬剤感受性検査(ディスク法)結果
ぱんつの膀胱炎(尿細菌)に対して
モルモットが一般的に使える抗生剤の中に
効果があるものはほとんどなかった苦笑

その中でも少しだけ効果に期待できそうで
副作用も比較的少ないと言われている
バクトラミン(ST合剤)に変更した



その後のぱんつへの抗生剤投与
それからぱんつは抗生剤に関しては
全てバクトラミン一本で過ごしてきた笑 

ただ残念なことにぱんつには
バクトラミンは副作用こそないものの
膀胱炎に対して効果もそこまでないという
残念な結果だったので
膀胱炎記事に書いたように
「うまく付き合うこと」に
重点をおく答えに行き着いたのであった




〆は、とある日の親子でお節介追伸

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「病院によって扱うお薬は違うですから
もしも緊急で他院に行く時なんかのためにも
今まで処方されたお薬の薬品名や容量は
メモに残すことをお勧めするですよ〜」


あとはできたらその薬を飲んで軽度であれ
様子に変わったことがあれば
それも記録しておくと良いかもです〜ちゅー