子どもの頃、父の筆箱からモンブランって万年筆を出していじっていたら、壊れてしまった。
何故、万年筆を出したのか自分でも分からなかったけど、もうしばらく口を聞いていない許せない父のカウンターに置いてあった筆箱。
家族の事を、自分の事を、置いてきぼりにされた様に感じて許せなかった。その怒りの正体は、寂しさと助けて欲しいっていう私の子どもながらの叫びだったのかなと今になって思う。ヨシヨシ。
結局、壊してしまったことをごめんなさい。
父に謝る事をきっかけに会話する様になり、私たちは雪解けしていった。
親子だからね☺️
大事な万年筆。父は、怒らなかった。
『物はいつか壊れるもんだよ。』
と言った。
あれから時が経ち、父の形はもう無いけれど、父との言葉にならない繋がりは、心に残っている。大事な事ってそういう事なのかなと思った。