2019年7月

生検が終わった数日後に、主治医に呼ばれた。家族も同席して欲しいとのことだったのが、夫の仕事が繁忙期を迎え急な休みは取れなかったので、父が同席してくれた。

主治医の先生は、こう前置きをした。

主治医 こういったお話をする際、なかなか受け止められない方もいるのですが、panさんはメンタルがしっかりされている様なのでできるだけ詳しくお話しますね。


よくわからないけど、メンタルが強いということなのかな。自分ではよくわからない。でも今のところ取り乱したり泣き叫んだりはしていないから、そういう意味での話なのかもしれない。


様々な検査の結果、私は肺がんであること。さらにステージⅣbであることが告げられた。


【ざっくりまとめるとこんな感じ】
・原発巣は肺門リンパ節
・背骨、肋骨、坐骨の一部に骨転移あり
・肝臓に転移あり
・他の先生から指摘はなかったが、大腸にも転移らしきものが見える(良性の可能性もある)
・手術不可、根治は難しい段階、延命治療となる


延命治療………なんて嫌な響きなんだろう。
まるで死ぬのが決まっているみたいじゃないか。
実際そうなのかもしれないけど、その言葉は到底受け入れられなかった。

ステージに関しては、骨転移があるとわかった時点である程度の覚悟はできていた。しかし、ⅣはⅣでも悪いほうだった。

肝転移があるとは夢にも思っていなかったので、とてもショックだった。でも、今のところ症状もなく、転移の大きさも数もそれほどひどい状態ではないらしい。大腸の件は、医師にもよくわからないとのことなので、深く考えないことにした。

また、この頃何度か閃輝暗転(チカチカしたモザイクのようなものが見える)の症状が出ていたのだが、脳転移はなかった。

もともと片頭痛持ちで閃輝暗転は妊娠中にも何度か出たことがあるので、これについてはがんが原因ではないのかもしれない。それともまだ見えないだけなのか、今でもよくわからない。

さらに、以下のような説明を受けた。

肺がんにはいくつか種類があること
・腺がん
・扁平上皮がん
・小細胞肺がん(神経内分泌腫瘍)

可能性的としては、腺がんか小細胞肺がんが有力。

【腺がんだった場合】
遺伝子変異あり
⇒EGFR、ALK、ROS-1、BRAF等の遺伝子変異があれば、内服薬が使える。定期的な入院は不要。

遺伝子変異なし
⇒化学療法で治療になる。プラチナ製剤+他の抗がん剤を使用。+αで免疫チェックポイント阻害剤を使うこともある。

【小細胞肺がんだった場合】
⇒進行が早い。だが、治療がよく効く。

私の場合、何らかの遺伝子変異がある腺がんの可能性が高いというのが主治医の見解だが、ない場合でもすぐに化学療法を始めることができるようにと、その日の夕食後から制吐剤というものを飲むことになった。黄色い粉薬。主な成分は葉酸だそうな。


生検から告知、その後わずか数日の間に咳がひどくなり、胸水が溜まってきていると言われた。

首のリンパがどんどん腫れてきた。
切ったことでリンパ液が滞っているのか。それともがんが進行しているのか。主治医に聞いても外科の先生に聞いてみても明確な回答が得られず、不安になった。

背中の痛みもひどくなり、オキノームも処方された。オキノームは医療用麻薬だ。痛みを我慢しても何も良いことがないのでどんどん使うように言われたが、やはり少なからず抵抗があった。

夜は、息苦しさと痛みと不安でほとんど眠れない。
とにかく眠ったほうが良いからと、睡眠導入剤も処方してもらった。


間違いなく、死は近づいてきている。
そう感じた。

もう、延命治療でもなんでもいい。
なんでもいいから、一刻も早く治療を受けたかった。