2019年6月
それまでずっと仕事をしていたので、3月末に仕事を契約切れで辞めて、体調が悪いとはいえ仕事もせずに一日中自宅にいるのは心苦しかった。

6月はじめのある日、熱が37度くらいに下がったので台所の掃除をすることにした。
レンジフードもガステーブルもシンクもすべてピカピカにする大掃除。おそらく2時間くらいかかったと思う。午後からはじめたので夕方になってしまい、子どもも帰宅していた。

さすがに疲れたのベッドで少し休んでいると、突然左の肋骨付近に激痛が走った。
4月に肺炎になったのは右の肺。なにこれ?
子どもを呼ぼうと思っても、息切れと痛みで声が出ない。20分ほど経っただろうか。うずくまってじっと耐えていると、少しずつ痛みがマシになってきた。
やがて筋肉痛と同じくらいになり、なんとか動けるようになった。肌寒い日だったのに、いつの間にか額に汗をかいていた。

ああもう絶対におかしい。
こんなに痛いのに、“咳のしすぎ”のわけがない。

その日の病院の受付時間は過ぎていた。夫はまだ帰ってこない。救急車を呼ぼうかと思ったが、既に楽になっていたこともあり、とりあえず様子をみることにした。

その後、激しい痛みが襲ってくることはなかった。

……………

紹介状を書いてもらうつもりで、翌朝一番にいつもの呼吸器内科へ行く。

レントゲンを撮ったら、また右の肺が肺炎を起こしていると言われた。骨折もない。

私 じゃあ昨日の左側の痛みは何ですか?

院長 …あなたは本当に治りが悪い。肺炎を繰り返すなんて、あなたは無理な生活をしているんじゃないですか?

私はとても腹が立って、ちょっと喧嘩腰になってしまった。

私 前にもお伝えしたのですが仕事は辞めました。昨日少し大掛かりな掃除をしましたが、いつも家で家事をしているだけです。
そもそも息が苦しくてまともに動けないので、無理はしていません。無理のしようがありません。
先生は6月末と仰っていましたが、もう待てません。一刻も早く精密検査を受けたいので、紹介状を書いて下さい。

院長 …わかりました。あなたが納得できないなら書きましょう。ただ、医者にも格というもがあります。そのへんの若い医師の意見にあなたが振り回されてはいけないから、悪いけど紹介先の病院はこちらで指定させてもらうからね。

言っていることはわかるけど、この人どれだけ自分に自信があるのだろうか。今の今まで治らなかったのに。それとも名医と言われプライドがあるから、意地でも自分が治そうと思っていたのだろうか。

院長の態度に不満はあったものの、紹介状を書いてもらえることになった。

紹介先は、地元の胸部疾患専門病院。
いきなり行くのには、ちょっと敷居が高い病院だ。
私も検査に行くならそこが良いと思っていた。
なんでも呼吸器内科の院長は、その病院の院長に大変な信頼を寄せているらしい。

翌日、その“院長”の診察を受けることになった。