夫のラグビー仲間や、友達や、会社関係に、進行したすい臓癌だという状況を知らせ、病院や治療法の情報を集める。

みんな、真剣に、知っていることをどんどん、連絡してくれる。

夫が、感動してか、恐怖でか、泣いている。


私は、目の前で、泣いてはいけないと思って我慢する。自分がしっかりしなければ、夫は落ち込むことができないと。

かなり、いろいろな情報が来て、電話も来た。

 

有名な専門病院の話はやはりたくさん来る。

 

夫の友達が電話で情報をくれているが、その後ろでしゃべっている奥さんが怖いと夫が言う。占い師みたいな感じで、なにか悪いことを想像させるのだそうだ。その日はその人の夢も見たらしい。

 

夫の姉が、「ほら来た、コロナワクチンのせいだ」「自然治癒がいいのだ、食事で治る」旨のことを夫にばんばん言ってきている。

 

夫はそれも泣いている。理系で、一番理知的で、尊敬してきた姉が、弟のこの危機に、「西洋医学はだめ」「ワクチンが悪い」と最も非科学的に思えてることを言っている。

 

「がんが治る動画を無料プレゼント」という明らかに困っている人を食い物にしようとするおかしなビジネスの情報も次々と。

先端医療をやっている知り合い、といったところが期待だったのだが、真逆だ。これはのちのちにも困ることになる。

がんが治る健康食品とか、言ってくる人は必ず現れると思っていたけど。まさか、きょうだいが。本当につらい。

 

ご自身、それで、体についての願い、叶ってない。

それでも根拠なく窮地の弟に勧める。それは、カルトではないだろうか?