これで、2度目の入院。
30代前半、独身のとある大学の講師だ。
一度目は救急車で運ばれてきた。
病名は『出血性大腸炎』
外来で通院していたという、この患者さんには驚かされた。
入院してきたとき、手にパソコンで打ったらしい紙を持っていた。
主治医は●●先生。
初診は●月●日●時。
本日、朝食に●●を●グラム食べる。飲み物は●●。
昼食は●●で●グラム。飲み物は●●。
夕食は●●で●グラム。飲み物は●●。
●時頃からお腹の痛みが始まり、2度下痢。
お腹の痛みがおさまらないので、●時、救急車を呼ぶ。
救急車を呼ぶまでのことが、こと細かく書いてある・・・。
救急車を呼ぶぐらいのお腹の痛みのなかで、よくこんな事が書けたもんだ。
この患者さんの大腸炎は神経性なものなので、治療はというと、薬を出すくらいで、ほとんど何も出来ない。
この患者さんの性格は、非常に神経質で細かく、ちょっと統合失調症の疑いもある。
とにかくいちいちうるさい。
病院の食事でも、
『この食べ物は●●が含まれているんですが、僕が食べても大丈夫なんですか?』
『この薬は、本当に僕の病気に適合している薬なんですか?』
ドクターの指示だから、間違いないだろ!!
翌日、彼の母親が、付き添いにやってきた。
群馬から!!
『痛かった?●●ちゃん。ママが来たから安心してね~![]()
充分、お世話してあげるから。』
ママ・・・・・!? 30代オトコだぞ!!
僕の病院は基本的には完全看護だ。
それに、彼が困るのは洗濯物くらいだ。
彼の病状からいって、洗濯ぐらいは自分でできる。
彼の母親は彼の入院していた1ケ月間、新婚の妻のようにいそいそと彼の世話をしていた・・・。
ある日、彼は退院した。
その翌日、彼の母親がボストンバッグ2個持って現れた。
『また●●ちゃん、お腹が痛くなっちゃって・・・。
心配だから、主治医の先生に頼みました。
また、よろしくお願いします~!
私が責任持って、世話をしますから
』
あの・・・?
患者さんは?
『怖いから先に行って皆さんに頼んでくれって言うから・・・。
あとで来ま~す!』
なるほど、頷けた。
僕の病院は、この患者さんの勤務する大学から、目と鼻の先だ。
2度目の入院も、もう1ケ月になろうとしているのに、彼の大学の学生さんがお見舞いに来たことは、今もって一度もないワケ。
女性陣、こんなオトコと結婚したらタイヘンだぞ~!
もれなく
素敵なママ
がついてくる・・・。