海に沈んだ町/三崎 亜記
    ★★★☆☆
¥1,575
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三崎さんの新刊!
新刊が出ていたこと自体知らなかった。
てんどうさんのブログで読了記事を見て知りました。
てんどうさん、ありがとうございます。




数千人の人々を乗せて海を漂う“団地船”、永遠に朝が訪れない町、“生態保存”された最後のニュータウン…喪失、絶望、再生―もう一人の“私”が紡いでゆく、滑稽で哀しくて、少しだけ切ない九つの物語。『失われた町』『刻まれない明日』に連なる“町”を、気鋭の写真家との奇跡的なコラボレーションで描く連作短篇集。




短編集にみせかけて、オムニバス形式だった。
ちょっぴりずつ繋がっている。それぞれ20頁ほどの短い話。
とても読みやすく、でもちゃんと三崎ワールドだった。
だいぶ三崎ワールドに慣れてきたのですんなり入っていける。
特に大好きな「町」シリーズのせいかページをめくるたびにワクワクした。

不思議な世界を実際のぞいてみると、というような感じで写真が添えられており想像力のない私でも楽しめる。初めて三崎作品を読むのにもこの作品は入門書として入りやすいのではないかな。
ほんと、え?こんなことが!?という場面が写真になっているので面白い。

ただ短すぎて心に残りにくいのでまた長編を読みたくなる。
こうやってどんどん三崎ワールドにハマっていくのだろうな、と思った。

でも三崎さんは短編が上手い!
そして三崎さんの長編はほとんど合わなかったりしているので返って短編くらいの「ちょっと物足りない」「また読もうかな」くらいがちょうどいいのかも、なんて思い始めた。
遊園地の話と団地船の話が好き。三崎さんの恋愛モノって切なくてツボ!