最近、オスカルのパリ出動前の出来事について

いろいろ考えてきたのですが、

 

この時点で、

何だかすごーく気になること☆

 

それが、オスカルの結婚にまつわるエピソードの背後にちらつく

もう一つのテーマ🌳

 

それが…

 

オスカルの父上からの自立ピンク薔薇

 

なんだかこの2つのテーマが

なんとなく重なっている気がするのです。

 

ちょっと今回は、

そのことについて書いてみたいと思います(*'ω'*)

 

 

オスカルは旧体制下のフランスの伯爵家に生まれて、

家父長制が根強い家族システムの中で生きてきました。

 

この時代の貴族の家族の力関係は、

 

家長である人物、すなわち、ジャルジェ家で言うと

オスカルの父将軍が絶対の権力者で、

彼がジャルジェ家のすべての決定権を有している。

 

男子のいないジャルジェ家の跡取りとして、

6女として生まれたオスカルを男子として育て

軍人として育て上げると決定したのもジャルジェ将軍。

 

オスカルは何の疑いもなく、

立派な軍人になろうと父の背中を追い、

切磋琢磨しながら生きていったのでしょう。

 

ばあやさんやアンドレはオスカルのことを女性🌸として認識していて

そのように接してきているから、

オスカルは女性としてのアイデンティティー🌸も保っているのだけれども、

 

両親の前や、公の場ではたぶん男として

そして軍人として存在しているように描かれていました。

 

オスカルの昇進のときは、その知らせを父ジャルジェ将軍がオスカルのもとへ知らせにやって来ていて、いつも小躍りして喜ぶ父上の姿が描かれていたので、

 

オスカルはある意味、父親といつも二人三脚で

軍人としてのキャリアを邁進していっているようにも見えました。

 

 

生まれながら父親によって、生まれ持った性別などを無視した形で

生きる道を運命づけられてしまったようなオスカルですが、

 

その人生のほとんどは、父親に押し付けられ、

いやいや男として軍人として生きてきたのではなく、

 

その運命を受け入れつつ

軍人として誇りを持って生きてきたように描かれています赤薔薇

 

【ベルサイユのばら 電子版 1巻】

 

オスカル10歳くらいの頃👆 

 

この頃父上は、軍人としては絶対必須の剣術をオスカルに仕込み、

オーストリアからお輿入れするアントワネットに仕えるよう

しっかりと言い聞かせています。

 

その後オスカルは、実際に軍人として誇り高く活動しているようで、

将軍はオスカルが立派な軍人として活躍していく様子に鼻高々のご様子でした。

 

【ベルサイユのばら 電子版 2巻】

 

オスカルがアントワネットの口利きで近衛連隊長に昇進したときも、

連隊長の軍服に初めて着替えた瞬間に立ち会ったのは、

 

着替えを手伝ったばあやと父上!

 

父上、めちゃくちゃ嬉しそう(笑)

 

 

でもオスカルの人生が進むにつれ、

 

オスカルの軍人としてのキャリアをサポートし、

喜んできた父上とオスカルの一枚岩のような関係は、

 

オスカルが貴族以外の世界にどんどん足を踏み入れて、

より広い世界を見るようになり、

そして自分の生きている社会に疑問を持ち始めたとき、

 

その関係に溝ができて行ったようでした。

 

 

オスカルが初めて父親に逆らったのが、

黒い騎士を人違いだと言ってかくまったとき馬

 

父上、あまりの出来事に

ビックリしていましたっけ^_^;

 

まあ、旧体制の貴族のご家庭では

あり得ない展開だったのでしょう。

 

その後も、オスカルは貴族でありながら啓蒙思想を学び、

さらに近衛隊まで勝手に辞めちゃって、

そんなオスカルに父激怒!!

 

 

自分は父上の人形じゃない!!

と言い放つ娘に対し、

 

びっくりして何も言い返せない父親の姿が描かれていましたっけ。

まあこの時代、子どもが親に向かって反抗するなんてことなかったのでしょう。

 

将軍、オスカルに言い返せなかったのだけれども、

代わりにアンドレを招集(笑)

 

【ベルサイユのばら 電子版 5巻】

 

将軍の最後の頼みの綱はいつもアンドレ☆

すでにここで、父上はアンドレにオスカルを託しているのね…^_^;

 

 

…で、オスカルは衛兵隊に移り、いろいろ苦労をしながら

軍隊とは何かとか、人間関係の築き方とか、

いろいろ自分なりに学んでいくのですが、

 

三部会の警備上で自分の信念に従ったオスカルは軍務違反を犯し、

 

大激怒の父将軍は、ジャルジェ家から裏切り者を出すわけにはいかないと、

オスカルをマジで刃にかけて成敗しようとしたあの事件(゚д゚)!

 

でも、何と! 

 

自分がオスカルの護衛をずーっと任せてきたアンドレが将軍に刃を向け、

オスカルを救おうとする事態が発生!

 

例のあの名シーンですね~赤薔薇

 

...で、ちょっと端折りますが(笑)

 

オスカルとアンドレが相思相愛であることをお互い確認して

涙涙の名シーンが続くのですが、

 

恋人期間わずか2-3週間で

オスカルたち衛兵隊にパリ出動命令が下り、

 

...で、オスカルはパリ出動前夜、7月12日の夜、

アンドレの妻になることを決意ピンク薔薇

そして例のあの美しいベッドシーンへ…

という流れなのですが、

 

このあたりで父将軍が

おもしろい動きを見せているのが気になって...^_^;

 

 

オスカル成敗事件の後、オスカルの父上は、まず、

命をかけてオスカルを自分の刃から守ったアンドレに

2人だけの話し合いで娘のことを託しているの。

 

【ベルサイユのばら 電子版 8巻】

 

身分違いの2人の恋❤を、

 

自分はノータッチ、

勝手にしろっ!

 

て放っておくのではなく、

きちんとアンドレにオスカルのことを託す父上。

 

ジャルジェ家の家長として、というよりも

父親として娘のことを思っての行為だとは思うのですが、

 

2人の関係に自分も自ら首ツッコミに行ってる(笑)

別に見て見ぬふりしても良いと思うのですが…

 

そしてパリ出動前の最後の晩餐🕯のとき、

父上は、平民で使用人のアンドレを

ジャルジェ家の晩餐の席へ一緒につくように誘っている。

 

もうたぶんこれは、父上、

アンドレをオスカルの婿扱いしていて、

 

正式に結婚させてはあげられないけれども、

実質は家族のように食卓を囲みたいって思ったのかなあ、なんて

想像してしまいます。

 

ここでも父、2人の関係のバックアップをもくろむ(笑)

父上、こう見ると、結構娘のことに首ツッコんでいやしないか??

 

 

もしオスカルの人生の最優先事項が結婚ピンク薔薇であり、

自分の幸せの追求🌸であったのなら、

 

オスカルは当主である父親の理解とサポートを感じ取って、

パリ出動の指揮をダグー大佐か誰かに頼んで、

そのままジャルジェ家に残って、

 

父親公認の元でアンドレと愛を育み❤

ジャルジェ家の跡取りとして実質夫婦として生活していく人生も

選択できたのではないか?なんて考えてしまうのです。

 

でもその道を選ぶ=オスカルとアンドレは、

ジャルジェ将軍の庇護のもとで夫婦として生活するわけで、

 

これまでのジャルジェ家の当主である父上と、

そのもとで生きる跡取りのオスカル&護衛を託されたアンドレ、

 

この力構造は変わらない。

 

アンドレは将軍の刃からオスカルを命を懸けて守ったけど、

このパターンだと、自分に反旗を翻した使用人のアンドレごと、

オスカル夫婦を自分の庇護下に取り込むような構図になるんではないかしら?

なんて妄想してしまいました。

 

でもオスカルは、

そういう道を選ばなかった。

 

アンドレと一緒にジャルジェ家を

父親の元を離れていく道を選んだ。

 

まあこれは、もとからオスカルが革命側につくというシナリオがあっての

ストーリー構成なのでしょうけれども、

 

おもしろいのが、

 

オスカルの結婚と

父親の元から親離れする瞬間が

重なっているということ赤薔薇

 

2人が夫婦として結ばれた場所がジャルジェ家のオスカルの寝室で、

その点ではまだ、父親の力の及ぶ範囲での契りなのですが、

 

アニメでは2人で屋敷を出た後、

野外で(゚д゚)!という設定になっている。

 

確かに微妙なラインです。

重要なポイントかもしれません。

 

でもまあ、パリ出動前の最後の晩餐の席で

別の事情ではあるのだけれども

父上からの申し出である晩餐の同席を断ったアンドレがいて、

 

それゆえ、父親の力の及ぶ範囲に取り込まれることなく

2人は夫婦として結ばれることができた、とも読み取れて、

結構これって重要なことなのかな?とも思います。

 

オスカル、これまで父親が敷いてきたレールの上を

父親の人形のように歩んできて、

 

途中で勝手に衛兵隊に移動したりと自分なりの生き方を模索してきたけれど、

そのときも父親が自分の護衛にとつけたアンドレがぴったりとくっついていて、

 

だから父親から完全に自立していたわけではなかった。

アンドレを通しての父上の管理体制!

すごい、巧み!(笑)

アンドレ、父上に使われてる(笑)

 

でもたぶん自分の結婚だけは

父親の息が全くかかっていない状態で

愛するアンドレと2人だけで進めたかったのかもしれません。

 

 

あの感動のベッドシーンピンク薔薇の直前に

最後の晩餐シーン🕯があって、

 

父上とアンドレのやり取りがあって、

アンドレが父上の申し出を断って、

 

このストーリーの流れってものすごく意味深かったんじゃないかって

妄想しながら(笑)、今さらながら感動しております(*'ω'*)

 

もう、父親の力の及ばない範囲で

2人で遂行する結婚赤薔薇

 

なんかもう、オスカルのまわりで

 

自身の結婚ピンク薔薇

父親からの自立🌳と

旧体制からの自立フランス

(貴族でありながら革命側につく)

 

この3つのテーマが一つになって描かれているかのよう🌸

 

アンドレと2人の中で結婚するけど、

父親の力・庇護に取り込まれてしまわない。

 

ジャルジェ家を出て行くのだけれども、

一人じゃなく、

アンドレを連れて2人で出て行く馬馬ピンク薔薇

 

 

実際に革命側につくとオスカルが宣言したのが、パリ出動でパリへ向かう途中、

パリでの暴動発生のニュースを聞き、

このままいけば国王側の軍隊をして衛兵隊を指揮し

暴動鎮圧へ従事しなくてはならず、

なのでオスカルは最終的に自分の中で決断を迫られたのでしょう。

 

オスカルは貴族の身分を捨て

革命側につくのですが、

 

そのあとの展開がおもしろい(*'ω'*)

 

 

革命側フランスにつくと決心するや否や、

 

アンドレに向かって「この戦闘が終わったら結婚式だ」って

ちょっとわくわくしたような顔で告げるオスカル❤

 

【ベルサイユのばら 電子版 8巻】

 

そしてそのまま、

「もろもろの古きくびき」に別れを告げるオスカル☆

 

くびき=自分を縛っていたもの

 

その中に自分の部屋、

父上と母上、

自分が仕えてきたアントワネットとその家族、

そしてフェルゼンが含まれていて、

 

これまでわたしはこの別れを告げたものは、

オスカルにとっての宝物のように大切な存在で、

でも革命側に寝返るのだから、

後ろ髪引かれる思いであえて捨てたものたち、

と解釈してきたのですが、

 

でも見方によれば、

全部旧体制の範疇のものたちなのですね。

 

自分にとって大切だと思って大切にしてきたものなのだけれども、

そこに「執着」という感情もなかったわけではなく、

 

たぶんオスカルが一人の人間として

心の自由、体の自由、そう自由に生きることを妨げていた可能性もある、

「くびき」としてのものたちでもあったのかしら?

なーんて想像してしまいました(*'ω'*)

 

 

本当に心も体も自由になり、

その足で嬉しそうに「結婚式」を愛するアンドレに口にして、

そのまま古いくびきたち、

自分を縛っていた者たちに別れを告げるオスカル。

 

父親に別れを告げ、

旧体制の世界の者たちに別れを告げ、

愛する人だけ連れて、

自分の信念の向かう方へ進んでいくオスカル。

 

結婚ともろもろからの(特に父親からの)自立が

同時に起きているようなオスカルの人生赤薔薇

 

まあ、家父長制の時代、

 

貴族の家庭は絶対王政の権力構造を支える旧体制システムの

ミニチュアみたいなものだと思うので、

 

オスカルが父親など自分の家族に別れを告げるのと、

仕えてきた王妃アントワネットに別れを告げるのが同時なのは、

納得と言えば納得です。

 

 

そうそう、最近よく絶対王政期のベルサイユ宮殿👑での生活についての

YouTube動画を観るのですが、

 

絶対王政そのものが、

貴族たちを国王が完全に支配するために始まっていて、

 

そのもとになったのが、即位前のルイ14世がまだ子どもの頃、

反乱を起こした貴族たちに権力を追わた事件だったみたいで、

 

そのことがトラウマになったルイ14世が、

もう二度と貴族たちに反乱を起こさせない!

という強い決意のもと構築していったもの=絶対王政👑

 

だから宮廷での全てを儀式化し、

そんな中で全ての貴族たちの力関係を目に見える形にし、

自分におべっかを使わない貴族たちの力はことごとく奪い、

もう貴族たちに自分の頭では考えさせない、

とにかくコントロールする、

それが絶対王政の真髄だったみたいで(゚д゚)!

 

だからオスカルが自分の頭で旧体制について疑問を持ち考え、

学んでいったプロセスはきっとものすごく例外なことだったのではないかしら?

 

オスカルはパリ出動の際、

最後の最後まで革命側につくことに悩んでいるようにも見えたけど、

オスカルが貴族の身分を捨て信念を貫いていった展開は、

あの時代では本当に奇跡の展開だったんじゃないかしら?

 

そんな人生の革命を

一人ではなく

アンドレの助けを借り

2人で成し遂げていく姿がよいわ❤

 

 

...と、まだ書き足りなくて、

この話には続きがあるのですが、

 

すでに長くなってしまったので

一旦切ります(*'ω'*)

 

結婚と親からの自立の話の続きで、

 

オスカルの人生と原作者さん本人の人生が

結構かぶってないか?

 

という話です。

 

続きます赤薔薇