前回、黒い騎士が貴族の館に盗みに入るシーンの考察記事を書いたのですが、
やっぱり読めば読むほど謎の深まる、
18世紀おフランスの照明事情☆
…もういろいろキョーミが湧いてしまいまして^_^;
なので、前回の続きの考察の前に、
短時間ながらも急ぎ足で調査・発見した、当時のおフランスの照明事情について、
忘れてしまう前に少し共有したいと思います(*'ω'*)
まずは軽く、パリの夜道事情から🌙
参考資料は、とあるパリの観光サイトさんの記事👇
この記事の情報によると、17世紀後半までのパリの夜は真っ暗闇。外を歩くときは自分で明かりを持っていく、もしくは松明を掲げて一緒に歩いてくれる人を雇っていたそう。
でも17世紀後半、パリの夜の暗闇対策にルイ14世が乗り出した(・ω・)ノ👑
パリの街、街灯キャンペーンを展開するのですね。
パリの最初の街灯は、ろうそくが1本だけ入ったランタン✨ 912の通りに2736本設置したらしい。一見明るそうに見えるけれど、ろうそく1本の明かりってかなり弱いと思うし、火はもっても数時間のハズ。なので、現代の街路時みたいに、一晩中通行人を闇から守ってくれる、そんなレベルの話ではなかったでしょう。
18世紀後半までは、街灯はランプに入ったろうそく🕯 風ですぐ消えちゃうし、月のある夜はつけないとか、たまにお役立ち!程度の代物だったのかも。
おもしろいのが、1763年(ベルばら歴で言うと、オスカル7、8歳! アンドレがジャルジェ家に来たくらいだわ)、なんとパリの新しい街灯アイデアコンテストが開かれ(おもしろそう! 参加したかったわ(笑))、動物のオイルを使ったオイルランプが採用されて、パリに1200個設置。ろうそくよりも明るくて、点火作業もシンプルに。これで以前よりはパリの夜道は明るくなった模様(*'ω'*)
…ということで、オスカルがまだ子どもの頃の時点で、パリにはオイルランプの街灯が登場していたみたい。治安も良くなって、どんどんパリの夜を楽しむ人たちも増えたとか。アンドレもパリへ飲みに行っていたみたいだから、そういったパリの街灯対策の効果にあやかっているのね(*'ω'*)
でも、まだまだ街灯はメインストリートの話であって、
ちょっと路地裏へ入れば危なかったみたい(゚д゚)!
アンドレもオスカルも気を付けて!
オスカルがパリの酒場で大暴れのとき、パリは星が出ていてたぶん月も出ていて、明るくてよかったわ… あれ真っ暗だったら、2人とも命がなかったかも…(@_@)💦
…ということで、ここまではパリの夜道の照明事情の豆知識でした☆
では、ベルサイユへ話を移しましょう🌹
ベルサイユ宮殿の日暮れ後の生活は、ろうそく、そしてシャンデリアの光(たくさんのろうそうくで構成)で照らされていたのはご存じの通り。
ベルサイユ宮殿では、ルイ14世の治世から、宮殿ご用達のろうそく職人の老舗があって、それがパリに今でも店舗を構えるTrudonファミリー。創業なんと、1643年!
とある紹介ブログ👇
店舗の公式サイト(英語版)👇
Trudonのろうそくは長持ち、そしてあまりすすが出ないみたいで、
大変重宝されていたそうな。
特にルイ15世のお気に入りのブランドだったみたい。
宮殿で使用されていたろうそくは2種類。
白いのと黄色いの🕯
白いのはお高いやつで、特に卓上に置いて使う、もしくは自分の部屋で使う。
黄色い方が一般的に使用されていたらしく、お安いのだけれども質が悪く、
すぐに燃え尽きてしまうのが難点。
ろうそく1本の値段がびっくりぽんなお値段だったらしく、
ろうそく1本のお値段=ルイ15世下の兵士の6日分の給料、なんだって!
(@_@)(@_@)(@_@)
(えーっと、近衛所属? 衛兵所属?が気になるベルばらファン(笑))
ろうそく=高級品✨ なので、王からの褒美の品がろうそく!ってこともあって、
もらった側は大喜び🌸だったそうな。
あと、使用人で、給料はお金じゃなくてろうそくがいい!
とかいっている人たちもいたんだとか…|ω・)
ちょっと想像が追い付かない世界です(笑)
でも、もっと安価なろうそくも使用されていて、でも獣脂でできているので持ちが悪いだとか臭いがきつかったり… あと、輸入品のろうそくも使用されていたらしい。
そして、ベルサイユ宮殿はイベントごとが多い🌹
イベントがあると頭を悩ませる、ろうそく代!
1751年の、たぶんルイ16世のきょーだいのお誕生イベントで鏡の間で使用したろうそく8000本! もっと盛大な、たとえば夜を徹した舞踏会など、鏡の間が会場だと、最大で2万4000本のろうそくを消費するんだとか! ろうそく1本はもって数時間。ろうそく係の人たち大変そう。どうやってろうそくの交換を舞踏会中にしていたのでしょうね…
宮殿には王室オペラ劇場もあって、一回オペラを上演するのにろうそく3000本!
維持費が大変のなので、盛大な上演は9回しか行われなかったとか^_^;
ベルサイユ宮殿と言えども財源は無限にあるわけでもなく、ろうそくにいくらかけるかは王室の顧問機関の人(日本で言ったら宮内庁??)が決定し、その決定によってどのくらい消費するのか調整されていた、らしい。
あと、ろうそくの管理・維持専門の労働者たちもいて、そんな様子からも、ベルサイユ宮殿の照明は結構一大業務事項だったみたいです。
あと、ベルサイユ宮殿に居住する貴族たちは、自分の部屋では主にろうそくの火で生活していたらしいのだけれども、1780年にオイルランプが普及し、こちらも使われるようになったとか。
ベルばらにはたくさんろうそくの火が映り込んでいるけれども、
こういうのとか👇
【ベルサイユのばら 電子版 6巻】
アンドレのお部屋🌹 なんか、深刻なシーンをチョイスしてしまって、
アンドレには申し訳ないですが(笑)
これは壁に接続されたタイプの燭台。フランス語でBras de lumière もしくは appliques と呼ばれていたそうな。ベルばらでもよく登場している。
あと…
【ベルサイユのばら 電子版 8巻】
またまたアンドレ登場ですが^_^;
アンドレは1789年当時でも、ろうそくの火をご愛用🕯
後はと…(またアンドレ…💦 アンドレにはろうそくが良く似合う(笑))
【ベルサイユのばら 電子版 8巻】
ジャルジェ家の晩餐には、豪華な燭台が!✨ アンドレがその燭台をセッティングしているのね。目がほとんど見えないアンドレも、ろうそくの火はわずかに見えていたらしいので、これが彼にできる限られた仕事の一つだったのかも。まあアンドレは、目が見えなくても根性で仕事をこなしてたけど^_^;
そういえばオスカルのお部屋に、オイルランプが描かれていたことあったわ…
【ベルサイユのばら 電子版 3巻】
オスカルにぶっ壊されてしまいましたが(笑)、これ1785年の出来事らしい。
すでにオイルランプ、貴族の館にも普及しているご様子(*'ω'*)
そうそう、ろうそくの火がどのくらい明るいか?なのですが、
けっこう薄暗かったみたい。
しかもシャンデリアの場合、天井の高いところにあるため、人が集っている下の方まで光が届きにくいの。だから鏡をお部屋にたくさん配置して、その反射で明るさを何倍増しにもしていたのだとか。鏡の間は、そういった意味で鏡効果を最大限に発揮している空間なのだろうけれども、当時の人たちは夜を明るく演出するために、いろいろ工夫していたのね(*'ω'*)
そしてシャンデリアのあのクリスタルのパーツを多用したデザインも、
ろうそくの光りの明るさを増すためにデザインされているみたいなの。
【ナショナル・ジオグラフィックのサイトより】
👆これはベルサイユ宮殿のメルクリウスの間。シャンデリア、たくさんのデコレーションでおおわれている。こういったデザインが、お部屋をより明るく照らしてくれたのでしょうね。
あと、シャンデリアの光だけじゃ薄暗いから、壁に備え付けの燭台にも火を灯したり、卓上にもろうそくを置いたり、食事の時は卓上燭台がマストアイテム✨
ろうそくの明かりの参考に、今年公開されたフランスの映画「ジャンヌ・デュ・バリー」の予告編にちょうどいいシーンを発見!
この映画、ジョニー・デップが国王ルイ15世役を演じるって話題になっていたけれども、日本では公開されたのかしら? わたくし、あまり映画を見に行かないのでもっぱらYoutubeに上がっている映像を見て満足しているのですが(笑)、この映画は見てみたいわ~。当時の宮廷の生活が垣間見れそう!
予告編いくかあるのだけれども、このバージョンは貴族たちのお食事会シーン🌹
テーブルに無数のろうそくが配置されていて、たぶん映画用の演出の一つなのだろうけれども、テーブル付近とそれ以外のお部屋の明るさの差がよくわかるワンシーン。
あと、こちらが映画のメインの予告編映像☆👇
こちらもろうそくの火での部屋の明るさがちょっとわかるかな? でも撮影用に、実際よりは照明で明るくはしているのでしょう。
実際の18世紀のろうそくの光での生活を再現して紹介している人発見!
アメリカで18世紀の暮らしぶりを生きているという方のライブ中継。なんか、親しみを感じるこのオタク感(笑) うん、確かに暗いけど、天井の上からじゃなくて、自分の周りにたくさんろうそくを配置すれば明るいのね。
…と、いろいろ18世紀のおフランスの照明事情を見てみましたが、
総じて、18世紀の生活、大変そうです…
火を使っているから火事になりやすいしね。
エジソン、偉い!!
電球の改良をありがとう!
(笑)
…というか黒い騎士、やっぱりあなた、どうなってるんだ??
シャンデリアをアトラクションのように乗り回していたけど…
ちょっとこの辺、また考察の続きに戻ります^_^;
つづく🌹