犬は人を見抜いてるんだろうな
散歩中
近所の人に出くわすと
二人は喜んで走っていく
ヨネも走るしかない
しっぽブンブン振って
近所の人を
笑顔で見上げてる
だけども
近所にいる人
「あーあの人ね」の人
散歩中に
パルちゃーん、ポンくーん
呼んでくるけど
二人はまるっきり反応しない
すれ違っても素通り
その人がうちの前を通ると
ポン君、唸りだす
何もされてないのに
パルポンはなんでかこの人が嫌い
近所に
外国の人もいる
お国的に「犬は家族」でない
家族とはほど遠い存在らしい
仕方ないねって思ってた
夜、ポン君と庭で遊んでた
外国の人、
彼が家から出てきた
彼とヨネは言葉が通じないから
「笑顔のパスポート」だ
手を上げて笑えばなんとかなる
彼、庭に近付いてきた
フェンス越しのポン君を
とろける笑顔で眺めてる
ヨネ、彼は犬を
相手にしないって決め込んでた
反省だな
お国でくくってた
彼はポン君をかわいいと思ってる
男の人に控えめなポン君が
塀に前足をかけ
フェンス越しだけど
彼に近づこうとしてる
フェンス越しに彼が手を出した
ポン君、ペロペロと舐めてる
彼、笑ってる
お互いに惹かれたみたい
もう、ヨネは黙ってみてた
この日から夜な夜な
彼とポン君はフェンス越しに
密会?し、愛を伝え合ってた
ヨネはセッティングするだけ
彼は親族の家に住んでる
親族は彼が
犬と会っていることを
知ってるのか
ヨネは少し心配した
犬に触ること自体がタブーらしい
でもさ、余計な心配だよね
ヨネは彼とポン君を
近付けてあげたくなった
彼におもちゃを渡す
何?と彼
ヨネは「投げるんだよ」と
ジェスチャーで伝える
彼、投げる
ポン君、咥えてきては彼に渡す
繰り返す
また二人の世界
いいなーとてもいい
ヨネ、
フェンスのドアを開けた
待ってましたと
庭から出てくるポン君
後ろ足で立ち
彼の膝に前足をかけて
ジャンプしてる
彼も撫でまわして喜ぶ
あーいいなーいい
ヨネ、ポン君を抱いて
抱っこしてみるか?と
彼に渡す素振りをした
彼さ
初めて産まれたての赤ちゃんを
抱く父親みたいだった
え?どっから手を入れるの?
どうすればいい?
言葉はないけど伝わってくる
手は抱っこするかたちを作るけど
ワタワタしてる
ポン君を彼の胸にあててみた
抱っこ出来た
あの光景、素敵だったよ
ポン君を抱いた
彼の顔さ、暖かいのよ
ヨネが死ぬとしたら
ポン君を迎えてほしいと
思うひとり
(死ぬ予定はないよ)
彼が英語で
家族を国から
迎えるんだと言ってきた
ヨネも
ないす👍️!
こんぐらっちれーしょん!
カタカナ英語で祝福
彼は引っ越した
外国の人、犬、ヨネ
みんな言葉が通じない
気持ちしか通わないという経験
言葉を持たないものには
心で接せよ、の
正解をみせてくれた人
彼に感謝