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exceed

小柄なあの子は
探さずにいられない
だけど見つからない
本物の赤毛の少女

急ぎ足の夜更け
振り返る
階段灯が照らし出す
脱ぎ捨てられた服のかたち
あの子はこの中に居る
だから見つからないのだと

たたみ始めて何もかも
納めてしまう数十秒
あの子に触れた温かさ

星は空が澄み過ぎて
ひとことも
喋れない
この世はむくろを見おろして
少女の澄んだ心を聴いて
語る言葉を
失った

サーチライトが夜通し狙う
小さ過ぎるあの子が
見つからない

夜明けを忘れて眠り込む
何もかももう
話せなくて







~これは、記憶の奥底に格納されていたある作品と再会出来たことから記しました。遥か昔、私が幼児の頃読んだ作品です。谷口ひとみさんが書かれた「エリノア」という少女マンガでした。“17さいのおねえさんまんが家”の谷口ひとみ先生はこの作品のみで他界されました。忘れ得ぬ作品です。~