私の記憶力はそれを自覚するほどに乏しい。


 会話の上で自身の過去の発言を持ち出される事は誰しもよくある事かと思われるが、私の場合その多くを覚えていない。大した考えもなくその場の勢いで発言する事が多いので、大概心当たりのない発言は「そんな事言ったっけなぁ」と感じており、あるいは心当たりがある場合には「そんな事言った気がする」とありもしない記憶を無意識のうちに捏造しているのかもしれない。
 しかしそう言った場合にも、言った言ってないの言い合いに至ることはほとんどない。これは単に「まぁ言ったんだろうな」で済ませてしまう私の悪い癖に由来する。他人の発言と自分の記憶の信憑性を天秤にかけ続けた結果、「私の記憶力はそれを自覚するほどに乏しい」という考えに至ったものである。

 そんな私にも覚えておきたい事、忘れたくないことはたくさんある。が、その取捨選択を自由にできず、何がそれに値しうるかもわからない。その日のすべてを形にし、どこかに保管するほかないのでここに書き留める。