珍しく6時過ぎに早起きした朝(前日、ようやく再開されたスポーツジムで久しぶりに筋トレして疲れ果て、20時過ぎに寝てしまったから、実は寝過ぎ…)。8時前にPCをオンにして、メールチェックを始める。

 自分が大勢のCCのうちの一人に過ぎないメールのやりとりを前に、しばし熟考する。コメントをするべきか、せざるべきか。余計なお世話と言われそうだが、一方で、どうしても一言いいたい!という気持ちが募る。諸般の事情を勘案してさらに考えた挙句、やりとりの当事者の一方にだけメールを送ることにする。
 「全員に返信」しない理由を明記し、配慮すべき箇所はオブラートに包み、何度か書き直して、送信ボタンを押す。一仕事終えた気になって、デスクから立ち上がる。

 -当時者じゃない人は引っ込んでてくださいって言われちゃうかな。
 -さすがにそんなあからさまな返事はないだろうけど。
 -無言の抵抗、シカト、No response、ということも覚悟しなきゃね。
 
 心の中で、あれこれ思いめぐらしながらも、実は正直なところ、「コメントありがとう」という返事を期待している自分を認めざるを得ない。日頃から、他人に期待しちゃいけない、と自分に言い聞かせているけれど、そんな聖人には、とてもなれない。
 でも、期待はするけど、相手から期待通りの反応がかえってこなくても(あるいはナシのつぶてでも)、逆恨みだけはしないようにしよう。
 そうだ。心得るべきは、「期待しない」ことではなく、

 「期待通りにコトが運ばなくても失望しない」

 「期待に応えてくれない相手にがっかりしない」ことだ。

 そこまで整理できたところで、400mlの特大マグカップに、朝から2杯目のコーヒーを用意する。こぽこぽと泡立つ色がだんだん淡くなっていくのを、じっと見つめながら、ゆっくりとお湯を注ぐ。なみなみと牛乳を足し、バニラエッセンスを一振り(NYのカフェで飲んだフレンチバニラみたいな幸せな香りは、気持ちのリラックスに最適です)。
 こぼれないように慎重にデスクまで運び、ふたたび受信ボックスを開いて、びっくりする。

 「ありがとうございます」と即レス。

 ふぅ~、よかった。こころとからだが、ふわっと緩む。
 自家製フレンチバニラコーヒーよりも、ずっと効果てきめん。

 「期待するけど期待しないこと」。朝から早々、One take。
 やっぱり、早起きは三文の徳。

 ついでに、徳を定量的に因数分解。
 ①今が、ゼロの状態だとする。
 ②そこから何らかの変化を期待するとき、暗黙の裡に+1とか+3を想定している。
  →期待通りになっても、つまり+1・+3が実現しても、「想定の範囲内」ということで、気持ち的にはゼロのまま。
  →期待通りにならなかった場合、+1・+3に対してゼロ、つまり-1・-3と感じてしまい、相手に対する恨みつらみのマイナス感情が掻き立てられてしまう。

 ②‘ 期待はしても、その期待通りにならなくてもがっかりしないよう、期待しないでおくことは、(最悪)ゼロ状態が変わらないと想定していることになる。
  →期待通りにならなくても、ゼロ状態がやっぱりゼロだった、というだけのことで、気持ちはゼロのまま。
  →期待通りになった場合、ゼロが+1・+3になったという実感を味わえる。つまり、期待以上の喜びが得られたと感じられて、ハッピー度が上がる。

 ん~、朝からアタマが冴えてるな~(^^)

 あ、でも、読者の皆様の同意を期待するけど、期待しません(笑)。