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今の世の中、「男女はちがう、男(女)はこういうもの(であるべき、であるはず)」という「無意識の偏見」に満ち溢れている。


フィスク教授がおっしゃるように、「女だてらにしゃしゃり出るなよ」といった敵対的な(Hostile)差別や「女性はITに弱いから助けてあげよう」といった好意的な(Benevolent)差別まで、自動的(Automatic)で両義な(Ambiguous)性差意識に基づいた言動に、男も女も縛られている。

 

ところが面白いのは、特にビジネスの世界では、「男女はちがう」という性差意識とは逆に、「男女は同じ」という思い込みも少なからず存在し、それが裏目に出ることがある、という点だ。

 

働く男性陣は、オトコばっかりの均一的環境に慣れ親しみ過ぎたせいか、そこに闖入してくる女性も「自分たちと同じ考え方をする『はず』」という妙な同朋意識(?)を抱いてくれちゃっている、ように見受けられる、場合がある、と思う、のである。
回りくどい言い方ですみません。超少ないサンプル数しか観察しておらず、科学的根拠がない主観なもので。しかも、そのサンプルたるや、たまたま私の周りにはモーレツ☆マンモス狩り系のマッチョな男性が偏って生息しているのか、デモグラフィー的にも平均とかけ離れている可能性、大。


という言い訳てんこ盛りで、観察結果を述べさせていただくと;

・女性もボクたちと同じように、より高い地位、より高い報酬をモチベーションにして働いている「はず」だ。
・女性もボクたちと同じように、AIやIoTなどに大いなる関心を寄せてイノベーティブな仕事をしたがっている「はず」だ。
・女性もボクたちと同じように、出世のためには手段を選ばず、会社の利益より自分の地位の保全が大切と考えている「はず」だ。

 

!!?? そんなこと、オレは考えてねーよっ。
あはは。男性諸氏に、そう思っていただければ、本望である。

 

・高い地位に就くことをモチベーションにガンガン働く…ことをよしとしない女性もいる。
・AIやIoTの分野で起業して世間にイノベーションを巻き起こす…ことに興味ない女性もいる。
・出世のためには手段を選ばず…という人は、女も男も、極めて少数派(にちがいない)。

あったり前のことだけど、同じ男性/女性の中でも、そう思う人と思わない人がいるのである。基本は個人差なのだ。


自分の意見とちがう人と相対したとき、
・「同じなはずだ、同じでないとダメだ」と自分の意見に固執してちがいを認めなかったり、
・「だからオトコ(オンナ)は別の生き物なんだよ」と十羽ひとからげにレッテル貼ったり、
・「ちがうんだからしょうがないよね」と諦めてその人間関係に背を向けてしまったり、
そういう思考停止に陥らないよう、頑張って相互理解のプロセスを進める努力をしたい。

 

…はあ。書いてるだけで疲れてくる。めげそうになる。
このプロセスは、本当にタイヘンなのだ。            (おしまい)