はい、六本木から流れて
三部へお邪魔してきました。
四世鶴屋南北 作
片岡仁左衛門 監修
奈河彰輔 補綴
今井豊茂 補綴
狂言 霊験亀山鉾(れいげんかめやまほこ)
亀山の仇討
片岡仁左衛門一世一代にて相勤め申し候
序幕 甲州石和宿棒鼻の場より
大詰 勢州亀山祭敵討の場まで
藤田水右衛門/隠亡の八郎兵衛 / 片岡仁左衛門
芸者おつま / 中村雀右衛門
石井源之丞/石井下部袖介 / 中村芝翫
源之丞女房お松 / 片岡孝太郎
石井兵介 / 坂東亀蔵
若党轟金六 / 中村歌昇
大岸主税 / 片岡千之助
石井源次郎 / 中村種太郎
石井家乳母おなみ / 中村歌女之丞
縮商人才兵衛 / 片岡松之助
丹波屋おりき / 上村吉弥
藤田卜庵 / 松本錦吾
仏作介 / 片岡市蔵
大岸頼母/掛塚官兵衛 / 中村鴈治郎
貞林尼 / 中村東蔵
***
"一世一代"とは
"これを限りに このお役はやりません"
ということです(寂)
あーやっぱり観てよかった!
鶴屋南北です。
河竹黙阿弥が師事しただけあって
こちらもドロドロ。大好物。
幽霊モノもいいけど
生身の人間の愛憎劇は
血肉か通っているだけ
熱量がありますね。
そして、これまた矢印だらけで
"実は"やWキャストやらです。
筋書きに相関図が載ってるくらい(笑)
***
そして、仁左衛門さんはさもありで
息子でお松の孝太郎父さんが良かった。
出番が少ないので
孫で主税の千之助さんはなんともですが
松嶋屋さん、今公演は
いつにも増してな気合を感じます。
仁左衛門さんの色悪は
以前にも書いておりますが
本当に素敵素晴らしく
生まれ持った神さまからの贈り物。
石井家に関わる人間を
次々に手にかけ
お腹の子共々差し貫きながら
その人数を指折り数える(ゾゾゾ)✧
なんでもなく組んだ足の指が
親指だけクッと立ってる(ヒャヒャヒャ)✧
※東姫桜文章の時のポスターみたい
黒羽二重から出た白塗りの
手足の先までが色なんですよねぇ。。
孝太郎さんのお松は
源之丞に囲われているものの
暗さとか恨みつらみみたいなものはなく
溌剌としてラブラブ感が滲み出てかわいい。
大きな声で言えないけど
源之丞が"よいでなはないか"みたいな態が
何人かの女人に何度か見られますが
あー板についてるなぁと思われた方
たくさんいらっしゃるだろうと思いました。
姑の貞林尼を甲斐甲斐しく
もてなしてる姿にも鑑を感じます。
貞林尼と言えば、台詞を言うたび
左手にスナップが効くのは何か意味ありでしょうか。
私、失礼ながら東蔵さんをしっかり
拝見したことがなくて(すみません)
自らの胸を突いた刀を押さえてる時は
カクカク刀全体が動くのか気になりました。
***
はい、仁左衛門さんに戻ります。
二役の早変わりや演じ分け
本水の中での乱闘
後ろ向きに井戸に落ちたり
棺桶を破り崩しながらの登場などなど
演技以外のところでも
心身のご苦労やいかほど。
でも、そこは色悪ですから
ニヒルに、クールに。
この役を受け継いでくれる役者さん
どなたかなぁ。。
自分の年齢を考えると
仁左衛門さんで見納めも幸せかな。