「西のはての年代記3 パワー」

The Chronicles of the Western Shore "Powers"

アーシュラ・K・ル = グゥイン著、谷垣暁美 訳

(河出書房新社、2008年8月発行)

オリジナルは2007年

 

 

以前に紹介した「西のはての年代記1 ギフト」、「西のはての年代記2 ヴォイス」に続く物語。前作を読んだのは2024年の7月なので、何と2年9カ月ほど間が空きました。

 

3部作の中で、最も女性が軽視されている社会が描かれているのが、この本です。

 

主人公はガヴィアという少年。奴隷ですが、衣食住に不自由せず、教育を受けています。記憶力に優れ、詩や物語を愛し、姉サロをとても大切に思っています。

 

やがてガヴィアは放浪の旅に出ます(オレック・カスプロの本をお守りにして)。ガヴィアは「思い出し」という力を持っていますが、旅の途中でそれが役に立つかというとそうではなく、でも最後に重要な役割を果たします。

 

3冊全部に通じて描かれるのが、対立、権力、支配、侵略、戦争などと対比して描かれる、詩、物語、書物の尊さ。

 

いつか再読したい年代記でした。