若者を中心にアルコール離れが進んでいると言われ始めてからずいぶんになる。ビールから酎ハイへ人々の嗜好が移りつつあるとか、アルコールそのものが敬遠され始めているなどと耳にすることがある。

そんなご時世ではあるが、みなさんは日本酒を自分から好んで飲むことがおありだろうか。

いわゆる法事などで出されるようなあの酒が一般的に日本酒として認識されていることが多いと思われる。これとは別に吟醸酒と呼ばれる日本酒がある。

日本酒は米を精米して製造するのだが、その精米割合が60%以下のものを、ゆっくり時間をかけて発酵させて作ったものを吟醸酒と呼ぶ。

私は酒がかなり好きな方だが、日本酒については敬遠することが多かった。今から考えると先に書いた「いわゆる法事などで出されるようなあの酒」が好きになれなかったのだ。

あるところで初めて吟醸酒を口にする機会があった。今でもよく覚えているが、手取川という石川県の酒である。

これまで飲んだ日本酒とはまったく別物であった。なんだこの爽やかな口当たりは、なんだこのフルーティな味わい(果物など使っていないのに)は、と驚くばかりだった。

これで日本酒への見方が一変した。全国各地に実に多くの酒蔵があり、それぞれに個性豊かな酒を作っている。私は首都圏近郊在住なのだが東京にすら素晴らしい酒蔵があるのをご存知だろうか。東村山市にある豊島屋酒造 で多摩川上流の水を使い実に美味い日本酒を作っている。

これ以外にも愛媛の梅錦 、島根の李白 、などなど挙げれば切りがないほど良い酒蔵が多い。梅錦は究極の酒という本数限定の吟醸酒を製造しているが、一度口にする機会がありさすがに別格の味だった。

これら酒蔵を取りまとめる日本吟醸酒協会 という組織もあり、毎年春秋の2回全国の酒蔵を一同に集めて試飲会を行っている。一般参加ももちろん可能(有料)なので酒好きにはおすすめである。

吟醸酒は熱燗にして飲むのがもったいない酒なので、冬よりは少し暖かくなり始めた今頃の季節になると飲みたいと感じるようになる。これまで女性や酒がそれほど得意でない人たちにも勧めてきたが、吟醸酒に対して否定的な反応が返ってきたことは一度もない。少しでも興味をお持ちの方は食わず嫌いをやめて試してみてはいかがだろうか。

東京近郊の方であれば新宿小田急百貨店内に吟醸酒ばかりを集めた大きい売り場があるのでおすすめです。