芦田豊雄の訃報に触れ、本当に好きだった人が逝ってしまった喪失感がこれほどの物だったのかと、ただただ驚くばかりである。
歳をとるということは、名を馳せた人たちが亡くなっていくことを実感し、そしていつか自分の番になるということを理解することだと、最近そういう風に考えてる。

昔は、死という概念がよくわからなかったんだが、この歳になって漸く理解し始めた。

今は、a・chi-a・chiの曲を聞きながら、ワタルが如何に素晴らしい作品だったのか思い返していた。
油断をすると泣きそうになって困る。


早過ぎるよ。まだ全然絵を描けてたじゃないか。
遺作かも知れないヴァンガードのシュティル・ヴァンピーアというカードのイラストも、カッコイイこと限りない。


若干ダークなイラストも昔から凄かったよ。
牙皇子、凄くいい味出してたよね。

ワタルが好きだった要因は沢山あるけれども、キャラデザに惚れた部分は少なくない。


もしワタルがなかったら。

それは田中真弓を敬愛することがなく、ワタル3によってラジオを聴くようになった身としては、ラジオを聴くこともなかったのではないかと思う。
ツイパラを聴くきっかけも田中真弓が出ていたからだし、それがなければ國府田マリ子にも出逢えていない。
東京に行きたいという願望もなかっただろうから今頃何していたのかまったく見当もつかない。

小学校、中学校に於いて、ワタルがない人生なんて考えられなかったし、高校以降の人生にも影響を与えている。
未だに歌い方はa・chi-a・chiを意識するしね。
もはや不可分と言ってもいい。
それだけ私の中にはワタルという成分が溶け込んでいる。

だから、その一部が突然消え去ったようで、切ない。
悲しい。


ただ、STEPを聴いていて、それでも新しい一歩を踏み出さないといけないんだと、そう思えた。
それが、それこそが救いだ。

もう一つの卒業のジャケットを見ながらGood-Bye Foreverを聴きこむ。
胸に刻むまでもなく、永遠にきらめく想い出になってるから。


あなたのことは、例えいくつになろうと絶対に忘れない。
絶対に。

改めて、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
癌との闘病生活、大変だったことでしょう。
どうか、安らかにお休みください。

創界山で、またお会いしましょう。
ありがとうございました。