効果実証済み!

1級電気工事施工管理技士試験に楽に合格

 

(1)軽い負荷で徐々に能力を高めていく

「太い木材に、太く長いくぎを真っすぐに打ち込もうとするときは、大きなハンマーで一度に打ち込もうとするのではない。

それでは、釘が曲がったり、斜めに入ったり、木材を傷つけたりする。使いやすい重さのトンカチを使って、少しずつ真っすぐに打ち込む方がうまくいく。」

 

いきなりジャンプをせず、助走をつけて、徐々に力を入れていきます。

自分の頭に大きな負荷をかけて、知識を強引にねじ込もうとするのではなく、軽い負荷で、少しずつ、きちんと自分の頭に知識をしみ込ませていくようなイメージです。

 

(2)総合的な取り組みの方針

①用意するものは、テキストと過去問(解説付き)8~10年程度が掲載されたもの

②時間的にも、精神的にも、大きな負担になるような勉強(取り組み)はしない。

・時間の割に点に直結しない「勉強のようなもの」をやめる。

・作業と勉強を分けて考える。

・小間切れ時間を活用しながら作業(勉強の効果を高める準備と軽い勉強)をする。

③集中学習日(合宿日)をつくる・・・ここは本気でやる勉強です。

④一次試験、二次試験それぞれに合わせた試験対策をする。

このような方針で、受験対策を進めます。

 

(3)教材

①過去問とテキスト

 8年分程度の過去問題集(模擬試験付きでもよい)と、全項目が整理されているテキストで、自分が読みやすいと感じるものが適当です。一次試験用と二次試験用は分けて考えます。

 

②DVD教材は必要か

 DVD教材の解説は、全体を細かく解説しているわけではありません。細かく解説されている部分もありますが、テキストのポイントを表示しながら、ここがポイントですという程度の繰り返しが多いようです。

 

それでも、試験範囲全体つまりテキスト全体を網羅しているため、枚数も多く、全くこの試験を知らない人が、どんな内容が含まれるのかを、ザっと聞き流すには良いかも知れませんし、聞く方もそれほど精神的な負担なく始めることができます。

 

しかし、それで実力が高まるというわけではなく、一定レベルまで進もうとすれば、結局、テキストを読み込むことになるでしょう。

 

DVDセットは、価格も高いのでこれは購入せず、テキストを気軽に目を通す方が、短時間で済むと考えます。DVDを何度も見るのも時間がかかりますし、勉強をしているようでいて、時間効率はあまり良くないように感じます。

 

それでも購入したという方は、1.5倍速、2倍速等で、できるだけ短い時間で見ることをおすすめします。どうしても、自分が知らない分野で気になる所があれば、本来の速さに戻して、テキストとともに学習すると良いでしょう。

 

ただし、本書でご紹介している試験対策では、テキストは、どうしても理解しにくい場所を、問題の解説とは違う説明を求める場合にのみ使用します。

 

*本書で、「試験対策」とか「取り組み」とかいう書き方をして、「学習」とか「勉強」などとあまり言っていないのは、学習(勉強)と作業を分けて考えているからです。

 

(4)学習方法

①テキスト学習の怖さ

 小学生の頃から、テキストで学習をする。そして問題集で練習問題(ドリル)をする、という勉強方法をして来た人が大半でしょう。

 

 試験の種類や難易度にもよりますが、テキストを読んで学習するのは、すごく時間がかかる方法です。この本で扱う建設業の業務で必要な資格試験対策を考えると、不通のテキスト学習では、試験に出題される可能性が少ないところも一生懸命勉強して、全部理解しようとする。あるいは、理解できないという思いを積み重ねながら、先に進むことになると思います。

 

 また、問題だと考えるのは、テキストで学習をしていると、ずっと本当の問題(過去問)を見ることなく、学習を進めてしまうというところです。よくテキスト内に例題として過去問と同様の問題が掲載されている場合がありますが、これをやったとしても、本試験がどんなものか知らないまま学習を続けているのであればその方が問題です。

 

 試験範囲だけをみて、テキストを広げると、明らかに時間がかかると感じることができます。真面目な方であれば、出ないところも一生懸命勉強する、けれど、時間的な制約も多い社会人で、現場仕事も多い職種であれば、全体が中途半端で終わる可能性も低くはありません。そこで、テキストの全部は理解しなくてよいと割り切って、出題される範囲を絞り、出題に合わせて回答できる程度に勉強すれば良いと考えましょう。

 

ここで、出題に合わせて回答というのは、仮に出題が、「◯◯の公式を書け」というものであれば、正確に書けなければ正答になりませんが、「◯◯の公式は、次のうちどれか」という選択問題であれば、選ぶ力があれば良いことになります。

 

 このように、一次試験では、4択等選択問題で、回答(出題は「誤っているもの」を回答するケースも多く見られます)すること、正しく言えば、最も回答としてふさわしい選択肢を選ぶことが求められます。その一方で、文章を自分で書いて回答しなければならない二次試験では、当然、試験対策が異なってきますがそれは二次試験対策で触れます。

 

 本書で取り上げる、1級電気工事施工管理技士の一次試験は、選択問題であり、さらに60点(60%の正解)が、合格ラインですから、テキストの理解でき難い部分を、時間をかけて学習する必要はあまり意味がないということです。

 

結局のところ出題される範囲を、出題に合わせて回答できるくらいに、勉強すれば良いのです。

 

 さて、その本試験問題ですが、過去問が繰り返されるという傾向があります。従って、過去問を重視して学習し、その解説を読んで理解する。どうしても分かりにくいところだけをテキストで読む、あるいはテキストの図解や表等が理解の役に立つのであれば、そうした部分をテキストで学びます。テキストはそうした使い方をします。

 

(5)自分の学習の形

①短期集中型

 ここで自分自身の学習タイプを考えてみましょう。試験直前に一気に勉強する。仕事をしながら勉強している方は、実際にどの程度時間が取れるのか、考えておきましょう。また、学校での定期試験と異なり、試験の範囲が、その短期集中でこなせる量なのかもきちんと見極めましょう。

 

短期集中をするには、学習の分量は大きいため、直前に頑張ればできると思っていても、急な仕事や体調の悪化など、思うように学習時間が取れない事態が発生することも考慮に入れておく必要があります。

 

②じっくりコツコツ型

 毎日きちんと勉強する。こちらのタイプでは、仕事をしながら、どの程度時間が取れるでしょうか。当然ゼロの日があるかもしれません。一週間単位で、どの程度時間が取れるかを考えて、ペース配分しましょう。

 

 この2つの学習型のどちらが望ましいかといえば、コツコツやって、直前になると更に集中して行うという、両方を取り入れた形がいいといえますが、なかなかそうもいかない人が多いのではないでしょうか。

 

 また、土日など休日しか勉強できない、という方も少なくないでしょう。しかし、土日は心身を休めたり、家庭サービスをしたりなど、思うような多くの時間は取りにくいかもしれません。さらに、平日は全くのゼロというのは、土日の勉強の効果が薄くなるように感じます。

 

 そこで、細切れ時間の活用が必要になります。平日の休憩時間や、眠る前など、少しの時間に、何かを行い、少しでも前に進んでいくということが必要です。やることを決めておけば、案外、短い時間でも、作業・学習が進みます。

 

③おすすめの取り組み方法

 フルタイムで働いている方を想定すると、当然、受験生のような勉強の仕方は出来ませんし、また、そうした勉強はしたくも無い人がほとんどでしょう。年齢や、人によっては、小さい文字は読みにくくなり、記憶力も低下していると感じている方もいらっしゃるかもしれません。

 

 それでも、ここでご紹介する方法は、65歳の年配者が一発合格、しかも自己採点で、100点満点換算なら、一次、二次とも90点以上を取っており、試験日に試験を受けることが出来たら、試験が始まる前から合格は確信していたと言うやり方です。

 

3か月間という試験対策期間のうち、前半の平日は作業(勉強を能率的に進めるための準備)を中心に行います。コツコツというやり方というのは、負担は軽いやり方をするが、平日のうち何もしない日を出来るだけ作らないということです。

 

 一次試験であれば、分かる問題と分からない問題を仕分けします。1回目は分からなくても、解説を確認し「ああ、こういうことか。」と軽く納得して、回答できる問題かどうかを、3種類程度に、自分なりのランク付けをしていくのが作業です。こうして仕分けをしながら、自然に今まで全く知らなかった分野のことを知ったり、問題文を読むことに慣れたりしていきます。

 

 そして、土日は全く分からなかった(知らなかった)問題や、理解が間違っていた問題を中心に、時間を取って理解をしようとする勉強に取り組みます。

 

(6)早めの着手

 本書では、合理的な試験対策として、一次試験、二次試験とも3ヶ月という期間を標準として考えています。令和5年の例で言えば、一次試験日が6月11日でしたから、その3ヶ月前といえば、3月中旬です。一次試験の合格発表は試験から約一ヶ月後の7月15日、二次試験日は10月15日でしたから、一次試験の合格発表直後からスタートするとちょうど3ヶ月となります。

 

 ネット販売でテキストや問題集を購入される場合は、この合格発表があると、急にネット販売の本の価格が高くなるようです。

 

 

 自分は、試験勉強が苦手だからとか、仕事でコンスタントに学習ができないと思われている方は、直近年度問題はネット上から無料で入手できるため、新年度の書籍販売前に勉強を開始するのであれば、それ以前の、過去問で学習をスタートさせておくということも可能です。試験対策本の古い年度の書籍は、かなり安く入手できると思いますのでこれを活用します。ただこの場合は、法改正を意識し、本番までには現行法を調べておきましょう。

 

 ここでご紹介している試験対策は、3ヶ月間で、問題の仕分けという「作業」をしながら徐々に、問題分や自分が苦手な問題の傾向などを把握し、本番に近づくに連れ、本格的に「勉強」を行うものです。過去問の仕分け作業は、ご自身の状況に合わせて早めにスタートしておけば、直前での負担を軽減できます。ただあまりダラダラとした集中できない気分になるようであれば、期間を決めて徐々に試験への意欲を高めていくほうがおすすめです。

 

(7)試験

① 一次試験

 一次試験の出題は、まず午前の部として、電気工学(電気理論、電気機器、電力系統、電力応用)、電気設備(発電設備、変電設備、送配電線設備、構内電気設備、電車線、その他の設備)、関連分野(機械設備関係、土木関係、建築関係)、設計・契約関係となっています。

 

 次に、午後の部として、施工管理法(応用能力問題、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理、工事施工)、法規(建設業法、電気事業法等、建築基準法等、消防法、労働安全衛生法、労働基準法、その他関連法規)があります。

 

 試験範囲だけを見てみると、これだけの範囲を勉強しようとすると、とても大変だという事が分るでしょう。そこで、出題される問題に従った学習が必要になるのです。前述のテキスト学習の怖さとして記載しているのはこのためです。

 

② 二次試験

 一方、二次試験では、技術上の用語の説明を、文章で回答することが求められますので、「書く」ことによって自分の能力を表現する必要があります。一次試験のように選択肢の中に正しい答えがあり、それを選ぶという試験と、回答を、定められた回答範囲に、適切な文章にして、採点者に読みやすく書くというのでは、試験対策も大きく違います。

 

 当然、重要な用語は、漢字で書いて、文章として審査者に伝えなければならず、読みやすい文字で書くことも必要になります。

回答を選ぶ程度の知識はあっても、自分の知識をもとにポイントを押さえた簡潔な文章にして、きちんと書くためには練習も必要になります。

 

 特に、近年はパソコンで文章を作成する機会が多いと思われるため、手書きで2時間程度書き続けるためには、事前準備が必要な方が多いのではないでしょうか。

 

 この二次試験の試験問題には、自分自身が行った工事について記載し、それについて、工程管理・品質管理・安全管理等の取り組みについて問われた内容について記載するものもあります。年度によって出題は異なり出題場所は変化しますが、工程管理、品質管理、安全管理が、毎年出題されています。

 

 技術上の内容を求める問題も、電力、電気工事、鉄道、土木建築などについて、それぞれ2つずつ、記述式で回答することが求められます。

 

(8)合格率

最近5年間(20182022年度)の合格率を見ましょう。

1級電気工事施工管理技士・第一次検定の直近5年間の受検者数と合格者数、合格率は以下の通りです。

            受検者数    合格者数  合格率

2018年度 16,989人 9,532人  56.1%

2019年度 15,048人 6,128人  40.7%

2020年度 14,407人 5,493人  38.1%

2021年度 15,001人 7,993人  53.3%

2022年度 16,883人 6,458人  38.3%

 

1級電気工事施工管理技士・第二次検定の直近5年間の受検者数・合格者数と合格率は以下の通りです。

            受検者数    合格者数  合格率

2018年度 12,034人 8,875人  73.7%

2019年度  8,114人 5,382人  66.3%

2020年度  6,723人 4,887人  72.7%

2021年度  7,922人 4,655人  58.8%

2022年度  7,685 4,537  59.0%

この数値から、

一次試験合格率は、平均45.5%(最低38.3%)

二次試験合格率は、平均66.7%(最低58.8%)となります。

 

 ここから、一次、二次を一度に合格しようとすると、単純に考えると、45.5%と66.7%を掛け合わせた合格率は、30.3%となります。

この数値には、前年二次試験が不合格で、今回合格したという方も入りますが、概ねこの程度だと言えるでしょう。つまり一発合格しようと考えても、約7割の人が落ちることになります。

 

(9)出題傾向

 ここでは、二次試験を例に、出題されたものを数年間に分けて記載します。ただし、具体的な内容を記載せず、項目だけをパターンに分けて表示しますので、傾向をはっきり感じることが出来ると思います。

 

令和3年度から変化があったことが見て取れます。計算問題が出題され、技術的内容が第3問として出題されています。

 

 

 

 このように、年度の問題に横串をさすイメージで、並べてみると、傾向が分かり自分なりの対策が立てやすくなります。試験問題集にもまとめたものが掲載されていますが、自分なりに考えてみるとより一層実感で出来ます。