インク書道って何?

日本人は、書道というものを子供のころから学んできました。
かつて書道の授業では、固形の墨を硯上ですって墨液を自分で作り、それを大筆、小筆を使って半紙に書いていました。「固形の墨を硯上でする」過程も心を落ち着かせるための重要な時間とされていました。

しかし、最近では、時間の効率化のためボトルに入った墨液を利用して筆による文字の練習をします。
硯は単に、墨液を入れ筆についた墨の量を調整するだけのものでしかありません。
こうした従来からの、伝統的な書道の練習は、大人を対象としても、各地のコミュニティでもよく行われているものです。

では、なぜ、黒または朱なのでしょうか。


私自身、筆で文字を書くという行為を大変好きなのですが、その一方で、もっと手軽に、実用的な方法があっても良いのではないかと感じました。
そこで、インクを使って筆で文字を書けば、字体だけでなく、色でも自分の思いや感じたことが表せるのでないかと感じ、これを「インク書道」と名づけました。

お気に入りの便せんやハガキ、白紙に、文字を書くのは、従来の書道とは違う楽しさがあり、プリンター出力とは違う、個性のあるものになります。

書く人の個性の表現の一つとして、さまざまなインクを使用すれば、さらに表現が広がるでしょう。
アートの世界では、筆に、絵具としてのインクを使うものがありますが、書道としてインクを使うのは、新しい表現として、墨の濃淡ではない、あらたな楽しみが広がります。

例えば、各地に旅をする際に、小さなインク瓶と小さな筆は手軽に持ち運びができ、そこで見た景色、感じた思いを、ふさわしい色の文字で表せば、新たな旅の楽しみが増えることでしょう。

手軽にゆっくりと、生活に彩りと楽しみを加えましょう。
「大人のインク書道」をあなたも一緒に楽しみませんか

ITの技術やスマホなど情報端末で、デジタルがあふれる現代。
そんな世界とは別の時間があっても良いでしょう。
手書きで伝えるメッセージは、唯一無二のもの
大切な人への特別な贈り物を創造し、心を伝える手助けができます。

本書は、練習しやすいように文字だけでなく、動画とリンクしていますので、
講師の筆運びの緩急や、筆先の微妙なタッチを何度でもご覧いただけます。

■本書の概要■

・原版はA5サイズ、68ページ
 10インチ程度のタブレットで見るとほぼオリジナルの大きさになります。
・動画リンク56作品
 ハイパーリンク、QRコードのどちらでもご利用頂けます。

(目次)

インク書道って何?
一、インク書道の道具
(一) 筆とインク
(二) 用紙
(三) 発色
二、実用書
(一)苗字と名前
(二)実用短文
(三)趣味と楽しみの書
ちょっと、一休み
(四)古典
(五)自由詩
おわりに

今日から、創造的なカラー文字への扉が開きます。
手に取って、新しいインク書道世界へ踏み出しましょう。
どうぞ、お楽しみください。