第3回警視庁警察官採用試験一次試験が終了した後、たくさんの「心」たちが試験の報告に来てくれた。
今までの試験よりも手応えを感じた「心」
一次試験は絶対合格する自信があると断言する「心」
全力は尽くしたが合格するかどうか自信がない「心」
様々であるが、皆全力を尽くした事がひしひしと伝わった。
最初に来た頃は、ほとんどの「心」が途方に暮れてうつむいていたが、前を向いて全力で試験に挑んでくれた事が本当にうれしかった。
ふとしたきっかけで我が家に来るようになった「心」たち。
妻が通訳となり、いつしか「よろず屋相談所」としてたくさんの「心」たちと交流する事になった。
息子が警視庁警察官採用試験に合格した事で、このような展開になるとは誰が想像出来ただろうか。
私達は教養試験や面接対策を専門に教えられる訳ではない。
ただ、前を向けるように「心」たちにエールを送る事しか出来ないのだ。
ただそれだけの為に私達を頼って来る「心」たちを自然に我が子のように思うようになっていた。
それ故に時には厳しい事も言ってきたのは、彼等の親御さんの気持ちもよく理解できるからだ。
我が子の人生がかかっている時に無関心な親などいない。
誰よりも心配し、子の幸せを願うのは親なのだ。
時には親の事をうっとおしく思う事もあるだろう。
何度も採用試験を受けている本人が一番苦しいが、気づかないうちに惰性になってしまう「心」もおり、親のありがたみを忘れかけてしまっている事を私達は恐れているのだ。
私達も親となってから自分の就職の時以上に、今回の息子の採用試験は不整脈が出るくらい心配したものだ。
本人以上に親も案じている事を忘れないで欲しいと思い、エールだけではなく、厳しい言葉も投げかけたのだ。
「心」たちは皆反発もせず、素直に受け止めて聞き入れ、初心に戻って奮い立ってくれた。
一次試験が終了し、親御さん達は皆祈る気持ちでいるだろう。
私達も同じ気持ちだ。
試験の事で頭がいっぱいになるのも当然であるが、心の片隅にいつも自分の幸せを祈っている親心がある事を忘れないで欲しいと思う。
つづく。。。