大晦日。家の大掃除の仕上げをし、午後からゆっくり過ごした。
年が明けたら、今まで来た「心」たちの警視庁警察官採用試験合格を祈願して年頭予祝会を行う事になっている。
予祝に用いる酒「作 恵の智」を用意した。
素晴らしい未来を作り、恵のある年となるように妻とこの酒を選んだ。
夕飯はすき焼きを家族で食べた。
「来年の年末年始は、制服を着て交番勤務だね」
「カウントダウンの警戒に行ってるかな?」などと警察官になった息子の姿を想像しながら楽しい時間を過ごした。
「来年は、ガキ使もゆっくり見てられないだろうな」としみじみと息子が言っていた。
夕飯を食べ、慌ただしく年越しそばも食べて年明けを待つだけになった。
そしてついにカウントダウンに入った。
「5、4、3、2、1 明けましておめでとう!今年も良い年になった!」と家族でまず乾杯をした。
そしてすぐ、「ここに来た心たち!年頭予祝会を始めるよ!集合!」
と呼びかけた。
さて、何人の「心」たちがやって来るだろうか。少しドキドキして待った。
しばらくすると、妻が「あっ!来た!」と言って、玄関に走って行き、家に招き入れた。
「パパすごいよ!たくさん来てる!」
その数30人以上!
リビングはあっという間にいっぱいになった。
「よし!よく来た!早速始めよう」
私は、「作 恵の智」を何故選んだのかを説明し、封切りをした。
そして、それぞれの盃に注いで回った。
本当に注ぐと溢れるので、真似をするのだが不思議と「心」たちの盃は酒で満たされるのだ。
「心」たちもマイ盃を持って来るように伝えてあったのだ。
未成年の「心」たちにはノンアルコールの酒蔵サイダーを用意した。
「みんな行き渡ったかな?」と確認をして、妻と息子にも酒を注ぎ、最後に私が息子に酒を注いでもらった。
「縁があって、ここに来た心たち。私達家族は、みんなが警視庁警察官になれるよう心から祈っている。
みんな!警視庁警察官採用試験に合格した!警視庁警察官になった!
おめでとう!乾杯!!」
「乾杯!!」と「心」たちも後に続いた。
「やったー!合格した!」
「警視庁警察官になった!」と本当に合格したかのように喜び合う「心」たち。
「よし!このまま良い流れになっていくから、自信を持って試験に臨んでくれ!警視庁警察官になる為に必要な事は?」と問いかけた。
「充分過ぎる準備と!」と1人の「心」が言い出すと、他の「心」たちも一斉に「絶対に警視庁警察官になるんだと言う覚悟です!」と声を揃えて言い切った。
「そう!その通り!君たちなら出来る!頑張ってくれ!」と熱いエールを送って年頭予祝会を終了した。
第3回警視庁警察官採用試験まであと2週間を切った。
どうかみんなの願いが叶うよう切に願った。
つづく。。。