よく50代になったらがくんと体力が落ちたとか、
60代になったら急に老いを感じたという話を聞くのですが、
私が60代になって急激についていけてないのは「言葉」。
若い人との交流が少ないせいか、
新しい言葉を知る機会も少なく、
突然に飛び込んでくる馴染みのない言葉に驚きます。
先週は「リスケ」。
得意先の担当者からの電話で言われた瞬間、
初めて聞くその言葉に戸惑いました。
前後の言葉から要件はわかったので、
電話を切ったあとに検索すると、ちゃんと出てくる(笑)。
日程の再調整「リ・スケジュール」のことだそうです。
私はどんどん「石頭化」しているのかなぁと思うのは
こういう言葉にアレルギー反応を持ってしまうからです。
例えば「エモい」。
これって、初めて聞いた時に「キモい」と結びついて
良い意味と思いませんでした。
意味を知っている今でも、「エモい」と聞くと
ネガティブに感じてしまう。
「味変」(味を変化させること)なんて、
元は日本語なんでなおさら違和感があります。
以前に某大手製薬メーカーの情報誌の中の
お料理ページの原稿で「味変」とあったのを
全体校正していた私が避けた方が良い表現としてメモをつけたら
今は普通に通用する言葉だからいいんだと言われました。
通用する=正しい、ではないと思っているんですけどね。
特に、友人へのメールではなく、
どういう方が読まれるかわからない情報誌という媒体の中で
美しくないと感じられる日本語は避けた方が良いと思いましたが、
そこの社員の方が良いとおっしゃるなら、
私が強く言うことではないと思い、助言にとどめました。
最近、日本語はおおらかになって
そんなにみんなで使っているなら「ら抜き言葉」も良しとしよう、
ということになりましたし、
例えば、リスケも味変も辞書に載ったとたん市民権を得るので、
(載っているかどうか知りませんが)
そのうち日本語も簡略語ばかりになったりしてと思います。
最近、Z世代に流行りの「タイパ」なんですかね。
言葉を使う時間も惜しむのかなぁ。
こんな妙ちきりんな言葉と仕事現場で出会うたび、
「へぇ、そんな言葉もあるのねぇ」
と場外から無責任に眺めていられる立場(つまり引退)に
早くなりたいと思うようになりました(笑)。