昨日の日曜は、初稽古以来、2ヶ月ぶりのお稽古でした。

(コロナの感染拡大防止のため自粛しておりました)

 

朝から夕方までの1日を使って、たっぷり特別稽古。

日頃の、平日の夜の短いお稽古時間ではできない、

あれやこれやの復習をいたしました。

 

まずは初座の床にお茶杓を飾り付ける「茶杓飾り」。

飾物五ヶ条の一つです。

入門に続いていただくお免状にあるものですが、

滅多にお稽古しないので新鮮というか(つまりはすっかり忘れてる)。

 

亭主に所望されて、客が花を生ける「花所望」も

午前に1回、午後に1回お稽古しました。

(花台は代用品で、正式なものではありません)

 

 

 

本日の主菓子は「つらつら椿」(福寿堂秀信御製)です。

つらつら椿とは、『万葉集』の下の歌に出てくる表現のようです。

 

巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を
(こせやまの つらつらつばき つらつらに みつつしのはな こせのはるのを)

〔訳〕巨勢山の「つらつら椿」―連なった椿の木々、

   そして点々と連なって咲く椿の花、

   つくづくと秋の椿の木々を見て、思い起こそうではありませんか。

   あの巨勢の春の野を。

 

巨勢山とは、奈良県の御所市あたりにある山です。

ここでの「つらつら椿」の「つらつら」は「列列」と漢字を当てられるようで、

連なるように咲く椿の花を表現しているようです。

その後に続く「つらつらに」は、

「つくづく」「よくよく」という意味です。

同じような言葉を重ねて、リズム感を楽しんだのかも。

 

お干菓子の菓子器は3月ということで、お雛様。

お稽古なので、遊びでこんなものも登場。

手ぬぐいを飾って楽しまれている社中のお一人が

持ってきて飾ってくれました。

 

それにしても、1日のお稽古は疲れます。
 
 
(ここから余談、長くなります・・・笑)
この日「最寄駅に9時半の集合!」と言われたのは先生なのに、
9時半になっても先生だけがいらっしゃらない。
 
約10分間隔で到着する電車を9時50分ぐらいまで待つけれども来られず、
しかもLINEを送っても返事がなく、スマホに電話をしても出られない。
遅刻をしたら連絡をしない先生ではないので、
みんなが、いろんな想像をふくらませる。
 
「普通しか停まらない駅なのに、快速急行に乗っちゃった?」
「じゃあ、逆からの電車も次まで待ってみる?」
「65歳だから、ボケるには早いよね」
「途中、具合を悪くされているんじゃ?」
「同居のご家族に何かあったとか?」
 
というので、おうちにも電話をしたら
同居のお姉さまが「もう家を出てますよ」というお返事。
 
ますます不安になっている頃に、先生からLINE。
「改札で待っているんだけど?」
 
駅を離れかけていた私たちが慌てて電話したら、
の〜んびりした声で出られました。
 
9時半集合と指示されたことをすっかり忘れて、
ご自分の中ではいつのまにか10時集合になっていたうえに、
スマホはリュック型バッグの中で背中に背負っていて
LINEも電話にも気づいていなかったとか。おいおい。
 
ご無事でよかったけれど、社中一同から
「やっぱり先生も年取ったなぁ」という声が漏れたのでした。
 
前の先生が亡くなってからご指導を受けている今の先生は
私たちの姉弟子であり、
私は先生が29歳の時から存じ上げているだけに
もう35年ほどのおつきあいになる。
流れた年月に深い感慨を覚えました。