つい先週のこと。とある知人の紹介で素晴らしい人物に出会った。
年の頃30前後の小柄な男性。控えめで物静かだが何かが漂う雰囲気。福祉関係とは聞いていたが、お話をするうちに、強烈なショックと感動を受け、同時に「あたし等何ちっぽけなことで振り回されてるんだろう?」と自己嫌悪に陥る始末。
営業用のチラシ、それもごく少量を低予算でと思っていたところ、そんな業務もされているということで、早速打ち合わせに伺った。それも目的の一つだが、むしろ障害者雇用の現場をこの目で見たかったのが本題。お忙しいなか時間を割いていただき、その現場を案内され、さらに打ちのめされた今日の午後なのだった。
その人は夏目さん。わずか4年前に3人の障害者と共にパン屋を始め、いまや健常者と障害者併せて数十名が働く社会福祉法人を運営されている。
驚くことばかりなのだが、いくつか列挙してみよう。
①スタッフに福祉や介護の資格取得者がひとりもいない。
②全国平均1~2万円程度といわれる賃金(工賃)を10万円目指して可能な限り実現しつつ、真の自立に努めている。
③PC事業部では印刷屋が避けたがる名刺印刷を引き受け、『シャネル日本法人』『浜松ホトニクス』といった名だたる企業と取引をしている。廉価で。
④障害者を甘やかしたり特別な扱いをせず、ひとりひとり自立した人間として仕事に向かわせる。人並みの責任を負わせる。
⑤ビジネス的な視点を重視し、きちんと利益を生む事業に取り組む。
等々。
灯台下暗し。うちの会社からほんの10分ほどのところにこれほどの人物が活躍しているとは!もちろん既存の福祉関係者からは風当たりの強い場面もあるらしい。が、少なくとも僕らからしてみれば、これまでの腫れ物に触るような、いやできれば避けて通ってきた分野に、果敢にしかも極自然体で臨むその姿にはひたすら頭が下がる。
本人も、家族も、関係者も殻に閉じこもって甘え、甘やかしすぎていたのがこれまでの日本の福祉。障害者自立支援法が施行されたいま、不満や文句を言っていても何の進展も無い。んだそうな。
これから、この人から多くを学びそうな気がする。