不本意ながら毎年恒例で3回目となってしまいましたが、当日の思考内容と再現答案を来年度の自分への参考のため、あわよくば口述試験対策のために残します。
またこのブログを見てくれた方の参考になれば幸いです。
(初回投稿23年11月19日、得点開示24年2月12日更新)
 
例年受験後すぐにこのブログ作成していましたが、今年は行政書士試験を優先したため遅くなりました。
ただ、再現答案自体は試験日の夜に作成したものです。
 

※参考にKECとTBCの解答例を並べてます。

 昨年までは1社だけでしたが、今年はスクールによる違いも確認するために2社にしました。

(この2社にした理由:KECはいちばん早くて毎年見てるため、TBCはYouTubeで一次テキストからお世話になるかもしれないため)

 

 

■問題用紙を破ってページ数を上部に記入 0〜1分

 

■与件文を荒読 1〜2分

OEM生産の化粧品会社。

そこそこ規模が大きいということだけを確認。

 

■財務諸表確認 2〜3分

営業利益率が明らかに少ない。

効率性は固定資産が大きくなっていてよくない。

あれ?有形固定資産は?無形固定資産があるからあとで使うのかな?

棚卸資産は減ってるけど与件文見ないとわからない。

あと安全性については未払い金減ってるけどどこに使えばいんだろ?

 

■各設問の想定解答時間と解く順番を設定 3〜7分

第1問 経営分析 10分

第4問 記述   10分

第2問 CVP    20分

第3問 NPV   20分

解答用紙見ても記述多そうだし、時間が足りないだろうと思いながらも想定時間はあくまでも目安と思ってほぼいつも通りの配分で割り振った。

 

■与件文読解 7〜11分

第3段落で外部環境の変化で競争激化、仕入原価上昇を確認。
営業利益率が低いということを確認済みだから第3段落は解答根拠に使用することを確認。
第5段落に書いてある基礎研究を共有してシナジー効果を出すのかも。
最終段落はOEM企業がノウハウを活かして自社生産するというレアなケースということを確認。
 

第1問

(設問1)

 D 社の 2 期間の財務諸表を用いて経営分析を行い、令和 3 年度と比較して悪化し たと考えられる財務指標を 2 つ(①②)、改善したと考えられる財務指標を 1 つ(③) 取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、令和 4 年度の財務指標の値を⒝欄に 記入せよ。解答に当たっては、⒝欄の値は小数点第 3 位を四捨五入して、小数点第 2 位まで表示すること。また、⒝欄のカッコ内に単位を明記すること。

再現答案

売上高営業利益率11.59% 

固定資産回転率23.04回 

流動比率433.64%

参考:KEC解答例

売上高販管費率 50.07( % )
有形固定資産回転率 71.90( 回 )
当座比率 311.97( % )

参考:TBC解答例

売上高営業利益率 11.59( % )
総資本回転率 1.53( 回 )
自己資本比率 77.56( % )

 

<設問解釈と解答>11〜17分

収益性は与件文にも人件費を削減しないと記載があったので自信を持って解答。

 

効率性が悪化しているのはわかったが、「建物・工具等」だけで有形固定資産としていいか自信がなく、普段見かけない無形固定資産を使ったほうがいいのかとも思ったが、無形固定資産回転率という言葉は聞いたことがなかったので、固定資産回転率で逃げた。

 

安全性もいろいろ書けると思ったが、当座比率に「その他の流動資産」を入れるのかわからなかったので流動資産で逃げた。

 

 

(設問2)

設問 1 で解答した悪化したと考えられる 2 つの財務指標のうちの 1 つを取り上 げ、悪化した原因を 80 字以内で述べよ。

再現答案

売上高営業利益率が悪化したと考えられる。原因は、同業他社との競争激化により販売が低迷した一方、将来の成長を見込んで 人件費の削減をせず営業利益が減少した為である。

参考:KEC解答例

同 業 他 社 と の 競 争 激 化 で 売 上 が 減 少 す る 中 で、未 投 入 の 商 品 開 発 の た め の 基 礎 研 究 費 用 が 負担 と な り 、 人 件 費 の 削 減 も 行 っ て い な い た め、売 上 高 販 管 費 率 が 悪 化 し て い る 。

参考:TBC解答例

売 上 高 営 業 利 益 率 が 悪 化 し た 原 因 は 、 同 業 他社 と の 競 争 激 化 に よ る 販 売 の 低 迷 に 対 し 、 開発 中 の 新 製 品 販 売 に よ る 成 長 を 見 込 み 、 人 件
費 等 の 固 定 費 削 減 を 行 わ な か っ た た め で あ る 。

 

<設問解釈と解答>17〜22分

これは与件文からほぼそのまま抜き出しで、他に書きようがない。

 

再現率90% 自己採点15/20点

 

第2問

(設問1)

D 社の 2 期間の財務データから CVP 分析を行い、D 社の収益性の分析を行う。 原価予測は営業利益の段階まで行い、 2 期間で変動費率は一定と仮定する。  以上の仮定に基づいて D 社の 2 期間の財務データを用いて、⑴変動費率および ⑵固定費を求め、⑶令和 4 年度の損益分岐点売上高を計算せよ。また、⑷求めた損 益分岐点売上高を前提に、令和 3 年度と令和 4 年度で損益分岐点比率がどれだけ変 動したかを計算せよ。損益分岐点比率が低下した場合は、△を数値の前に付けるこ と。  解答に当たっては、変動費率は小数点第 3 位を四捨五入して、小数点第 2 位まで 表示すること。また、固定費および損益分岐点売上高は、小数点第 2 位まで表示し た変動費率で計算し、千円未満を四捨五入して表示すること。

再現答案

変動費率 63.31% 

固定費 1,141,590千円 

損益分岐点 3,111,447千円 

損益分岐点比率の差 14.73%

参考:KEC解答例

(1) 63.31% 

(2) 1,141,590 千円 

(3) 3,111,447 千円
(4) 14.73 ポイント

参考:TBC解答例

(1) 63.31%
(2) 1,141,590 千円
(3) 3,111,447 千円
(4) 14.73%

 

 

<設問解釈と解答>32〜53分

連立方程式で解きやすかったが、四捨五入後の計算で検算が合わず何度も計算してしまった。

時間かけすぎと思ったが、ここでミスるわけにはいかないと思って、この時点で完登はすでにあきらめてた。

 

(設問2)

 D 社のサプリメントの製品系列では,W 製品,X 製品,Y 製品の 3 種類の製品 を扱っている。各製品別の損益状況を損益計算書の形式で示すと、次のとおりであ る。ここで、この 3 製品のうち、X 製品は営業利益が赤字に陥っているので、その 販売を中止すべきかどうか検討している。

 X 製品の販売を中止しても X 製品に代わる有利な取り扱い製品はないが、その 場合には X 製品の販売によって X 製品の個別固定費の 80 %が回避可能であるとと もに、X 製品と部分的に重複した効能を有する Y 製品に一部の需要が移動すると 予想される。  ⑴このとき、X 製品の販売を中止すべきか否かについて、カッコ内の「ある」か 「ない」に○を付して答えるとともに、20 字以内で理由を説明せよ。さらに、⑵ X 製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計 2,500 万円を下回らないために は、需要の移動による Y 製品の売上高の増加額は最低いくら必要か。計算過程を 示して答えよ。なお、割り切れない場合には、万円未満を四捨五入すること。

再現答案

(1)ない / 個別固定費削減額よりも限界利益が上回る為。20

(2)白紙

参考:KEC解答例

(1) ない / X 製 品 の 差 額 利 益 は 8 千 万 円 と プ ラ ス の た め。

(2) 20,000 万円

参考:TBC解答例

(1) ない /  中 止 す る と 、 X 製 品 の 貢 献 利 益 を 失 う た め 。
(2) 20,000 万円

 

<設問解釈と解答>53〜60分

(1)は深く考えずそのまま書いたが、キーワードになりそうな貢献利益は書くべきだった。

(2)をやろうかNPVをやろうか迷ったが、大きな問題のボス問題は超難問なのではないかと邪推してしまい、NPV前半の問題が簡単だろうと予想してスルーしてしまった。

 

(設問3)

D 社では、売上高を基準に共通費を製品別に配賦している。この会計処理の妥当 性について、あなたの考えを 80 字以内で述べよ。

再現答案

妥当性は低いと考える。理由は、製造時に実際に発生している費用ではなく、実態を反映していない為である。製品別の費用を把握した上で、活動基準で管理を行うべきである。80

参考:KEC解答例

売 上 高 基 準 で 共 通 費 を 配 賦 す る 方 法 は 簡 便 であ る が 、 実 際 の 製 品 毎 の コ ス ト 構 造 が 考 慮 され な い た め 、 事 業 の 存 廃 判 断 や 適 正 原 価 の 見
極 め の 参 考 と す る に は 妥 当 と は い え な い 。

参考:TBC解答例

妥 当 で は な い 。 売 上 高 を 基 準 に す る と 、 費 用の 発 生 実 態 に よ ら ず 売 上 高 の 大 き い 製 品 に 共通 費 が 多 く 配 賦 さ れ 、 正確な製品 原 価 を 基 に
し た 製 品 別 の 損 益 比 較 が で き な い た め で あ る。

 

<設問解釈と解答>60〜65分

これまた簡単な記述問題。先を急ぐ。

考えを述べよ、とあるので妥当でない理由と、適切な管理方法として活動基準での管理を書いた。

 

結局中ボス問題を解かずに32〜65分で計33分もかかってしまった。

ただ、後から見てみると中ボス問題も10分あれば確実に解けた問題だったので、NPVに進んでしまったことが悔やまれる。

 

再現率90% 自己採点20/30点

 

 

第3問

(設問1)

年間販売量が⑴10,000 個の場合と、⑵5,000 個の場合の正味現在価値を求めよ。 ⑴については、計算過程も示すこと。そのうえで、⑶当該設備投資の正味現在価値 の期待値を計算し、投資の可否について、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して 答えよ。

再現答案

(1)13,257万円

(2)4,871万円

(3)741万円

投資可否:ない

参考:KEC解答例

(1)2,585万円

(2)△5,702 万円

(3)98.9 万円

投資可否:ある

参考:TBC解答例

(1)2,585万円

(2)△5,702 万円

(3)99 万円

投資可否:ある

 

<設問解釈と解答>65〜75分
残り15分でCVPを解こうか迷ったが、設問1の問題文が短いのでサービス問題だろうと思ったが、コテコテのNPV問題だった。
KECの途中計算見たらすぐに理解できたが、現場でこのレベルは無理。
速攻あきらめてCVPに戻るべきだった。
 
(設問2)

⑴ 初年度末に 2 年度以降の販売量が 10,000 個になるか 5,000 個になるかが明ら かになると予想される。このとき、設備投資の実行タイミングを 1 年遅らせる場 合の当該設備投資の正味現在価値はいくらか。計算過程を示して答えよ。 1 年遅 らせる場合、初年度の固定費は回避可能である。また、 2 年度期首の正味運転資 本の残高はゼロであり、その後は資料における残高と同様である。なお、 1 年遅 らせる場合、設備の耐用年数は 4 年になるが、その残存価額および処分価額は変 化しないものとする。 ⑵ 上記⑴の計算結果により、当該設備投資を初年度期首に実行すべきか、 2 年度 期首に実行すべきかについて、根拠となる数値を示しながら 50 字以内で説明せ よ。

再現答案

(1)白紙

(2)白紙

参考:KEC解答例

(1)620 万円

(2)N P V 期 待 値 は 初 年 度 投 資 で 99 万 円 、 2 年 目後 で 62 0 万 円 な の で 、 2 年 度 期 首 に 状 況 を 勘案 し て 投 資 実 行 す る 。

参考:TBC解答例

(1)620万円

(2)2 年 度 期 首 に 実 行 す べ き で あ る 。 正 味 現 在 価値 は ど ち ら も 正 で 、 2 年 度 期 首 の 方 が 52 1 万円 大 き い た め で あ る 。

 

<設問解釈と解答>
問題すら読んでない。
ただ、例年のラスボス問題よりは解きやすそうに見える。
 
再現率70% 自己採点0/30点
 
 

第4問

(設問1)

D 社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM 生産によっ て委託先に製品の生産を委託している。OEM 生産の財務的利点について 50 字以 内で述べよ。

再現答案

①固定資産を削減でき、資本安全性が高まる事②変動費のみの管理となり、製品別の収益性を把握しやすい事。48

参考:KEC解答例

O E M 生 産 に よ り 製 造 コ ス ト を 低 減 で き る 。ま た 生 産 設 備 の 投 資 を 避 け 、 キ ャ ッ シ ュ フ ロー の 改 善 が 可 能 に な る。

参考:TBC解答例

生 産 の た め の 設 備や 要 員 を 自 社 内 に 抱 え な いた め 、 固 定 費 を 抑 え ら れ 、 売 上 高 が 減 少 し ても 利 益 を 確 保 し や す い 。

 

<設問解釈と解答>22〜27分

OEM生産の知識でとにかく短時間で処理することを心がける。

固定費がかからない、管理しやすい、という2軸の解答とした。

固定費を削減ではなく、抑えるくらいの表現にしておくべきだった。

 

 

(設問2)

D 社が新たな製品分野として男性向けアンチエイジング製品を開発し販売することは、財務的にどのような利点があるかについて 50 字以内で述べよ。

再現答案

①競争回避により高単価設定が可能になり、収益性向上②独自技術の無形固定資産によるシナジー効果がある事。50

参考:KEC解答例

自 社 生 産 に よ り 製 造 コ ス ト の 一 部 を 固 定 費 化す る こ と で 、 営 業 レ バ レ ッ ジ を 利 か せ て 収 益 が 向 上 で き る 。

参考:TBC解答例

自 社 生 産 に よ る 固 定 費 の 増 加 は 売 上 高 の 変 化に 対 す る 利 益 の 変 動 性 を 高 め る た め 、 好 調 時は 高 収 益 を 期 待 で き る 。

 

<設問解釈と解答>27〜32分

まずは普通に考えて、リスク分散とシナジーが思い浮かんだ。

ただ、財務的な利点なので、一旦与件文を確認し、競争激化を連呼していたので、それを回避し、収益性向上とした。

気になっていた無形固定資産はここで使うだろうと考え、それにシナジーがあるとした。

ここまで時間通りで内容的にも順調と思えたので、第2問に戻って計算問題を解き始めたときに少し

のんびりしてしまった。

 

再現率80% 自己採点15/20点

 

 

全体としての反省
第2問の設問1で時間をかけすぎたことで、取れた問題を落としたというのが悔やまれる。
慌てずにCVPをじっくり解こうと冷静に考えられなかった。
今考えると第4問を先に解き終わったら、問題難易度の見極めを工程に入れるべきだった。
これはすぐに実行できるので、来年受けたくないけど受けた場合は難易度確認をする。
 
 

全体再現率80% 自己採点計50/100点 

得点開示64/100点(24年2月12日更新)

 

 

 

以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。