著:飴村 行(あめむら こう)
ジャンル:ホラー
(2020/01記事に加筆修正)
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この数年間、読み逃がしていた飴村著作。
まったく私の失敗だった…全て絶版で重版
予定が無いと言う。
仕方がないのでネットでサルベージした
結果、真っ先に届いたのがこれだった。
(今日現在、未読は全てゲットした(笑))
あまりに面白いと言うか、展開に目が離せ
なくほぼ一日で一気読みになった。
本書に収録されているのは二作の中編、
「水銀のエンゼル」と「路地裏のヒミコ」
…いずれも面白い。
そして、5冊目達成!! な上に、もう
一冊も既に読んだ! いぇ~!!
『水銀のエンゼル』
医大を中退してまでなりたかった作家志望
の青年。
町工場で働きながら紆余曲折の末、三十路で
やっとヒット作を飛ばし新人作家に。
小さなマンションに質素に暮らし、朝9時から
午後3時まで小説を書き続ける毎日。
ひとつ気になるのは気配に乏しい隣人のこと。
ある日、偶然から隣人を見ると二十代前半の
美人の一人暮らしで…。
これまた偶然の病気の発症から隣人に助けられ、
やがていい仲に。
幸せな日々が続く青年の元に、届いた一通の
ファンレターから歯車が狂いだす。
※粘膜シリーズもそうだが、飴村行と言う
作家は伏線の貼り方が、天才的に上手だ。
細かく細かく伏線を張り巡らし、ラスト
に一気に謎解きをする。
この「水銀のエンゼル」…どんでん返し
どころが二重構造のオチになっている。
粘膜シリーズのグロさもエロさも殆ど
ないし、あの「帝国」世界観も
まったくない普通の日常の展開でこれ
だけホラー要素を出せるとは
飴村行、おそるべし。
『路地裏のヒミコ」』
25年前に消息不明になった百発百中の予言
者円山。
自分は邪馬台国の卑弥呼の生まれ変わり、
世界は円環でできているという奇書を残して
起きた凄絶な事件の謎。
円山の住んでいた場所に住む事になった
自称新進気鋭のミュージシャン突っ込み関西
人の若者と、超天然ボケの漫画家志望の若者が
ヒミコ失踪の謎に興味本位でくびを突っ込んだら…。
ラストのとんでもない展開は、こりゃ一種、
世界創世のSF小説かも(笑)。
これもグロさもエロさもないと言っていい。
なぜ、百発百中の予言になったのか…
なぜ、本人は行方不明なのか…
巧妙かつ、緻密な伏線は飴村ワールドの代名詞かも。
※「ジムグリ」と言い、本作といい、表紙が
インパクトありすぎ(笑)。
こういうのが現代のホラーなんだろうなぁ。
呪いとか怨霊みたいなお化けホラーは現実感
がなさすぎる。
本当に怖いのは人間! 人間ですよ。
飴村ワールドは一種「スペキュレーション
フィクション」で、
アメリカではこんな感じのSF小説も結構ある。
トワイライトゾーンだのアウターリミッツだの
にもこんな話は多い。
飴村行、SFも書けるんじゃないの?と本気で思う。
思えば小林泰三もグロいの書いてたし…。
なにはともあれ。
いつものように、飴村行は好きな人にはぱい印
おすすめ。
そうでない人にはやめておいた方が良い。
…とはいえ、食わず嫌いってのもあるけど。
本作は表紙はインパクトあるけど中身はグロ・
エロ希薄も希薄。
ストーリーとしてはまります。





