誕生日を迎えケーキが食べたいという友人の欲望を叶えるべく、芦屋の有名な洋菓子ブランド『アンリ・シャルパンティエ』の銀座本店を訪れた。トイレに行きたかった俺は店に着くやいなや、かわいい女性の店員さんに案内してもらった。自信満々な面持ちでトイレの目の前までエスコートしてくれるみたいだったから、さすがは『アンリ・シャルパンティエ』だなんて思いながらついて行くと、俺が案内されたのは本棚の目の前だった。(ん?)と一瞬戸惑ったが、なんと本棚がトイレの扉になっていたのだ。どうりでここまで案内するわけだ。用を済ませて本棚から出てくる俺をマダム達が不思議そうに見ているのが滑稽だった。この店の独特の世界に溶け込んでいる自分に酔い悦に入っていると、トイレの場所を把握した友人も席を立ってトイレに向かった。友人の後ろ姿をボーッと見ていると女性用の扉を開けて姿を消していった。アッパレ。