ミホと初めて接触したのは会社の忘年会だった。年末は何かと仕事が忙しくなるため、うちの会社の忘年会は毎年少し早めの11月中旬に行われる。人数が全課で100人近いので宴会場も身動きが取れないくらい窮屈だ。まずは各課ごとに座っているから、ミホの課には近づけない。しかし時間とともに席を替わる人、途中で帰る人などで席がパラパラと空く。するとトシが俺を手招きした。トシの近くには同じ課のミホもいた。いよいよ最接近する。トシの隣ではなく思い切ってミホの隣に座った。周りの女子社員たちは俺の思い切った行動に盛り上がりをみせていた。ミホが俺のこと気になるということをみんな知っているんだろう。しばらくはトシや周りの社員と喋っていたが、ビールをミホに注いでみようと試みた。

「どうぞ・・・」

「ビールはあんまり飲めない。」こんな声してるのか・・・

「お酒は強くないの?」

「飲むと眠くなる・・・」

こんな感じで会話をした。周りは気を使ってか2人の会話には入ってこない。

なんとなく2人の時間が流れた・・・

「・・・私、△△さん(俺)のことちょっと気になってます。」聞き取れないくらい小さな声だった。いきなり大胆な告白かよ。

「知ってる・・・」と大胆に返してやりたかったが「え~そーなん?」ととりあえず。

ちょっと頑張って「好きなん?」

すると「・・・好き・・・とは違うかな。」

「えっ!好きじゃない!?・・・どういうことだ?」

ここで周りの女子社員が「△△日記だもんね。」とちゃちゃを入れた。

ミホが「シーッ!!」とあわてていた。

なにやら俺の観察日記らしきものがあるのか?

好きではなく、俺はミホの観察日記の対象なだけか・・・