映画を上映していた時に知って、結局映画のほうは見られていませんが
小説をようやく読むことができました。
星の子
題名からしてどこか神秘的な雰囲気の漂うこの本ですが、
期待を裏切らず、神秘的な信仰の話でもあります。
親が子を想う気持ちというのは、なんというか強すぎるんですね
(親でない私が言ってもちっとも説得力がないですね)
これがそのなんといえばいいか、なんともいえないのです
彼らの信仰に対しての様々な見方と態度がこの小説ではたしかに書かれています。
南先生、雄三おじさん、まーちゃん、なべちゃん、新村君
これらの人たちのちひろやちひろの両親への接し方
すごく事細かに書かれていると感じました。
そして、印象に残っているのが
南先生が教室でクラスメイトの前でちひろを叱る場面と
最後のちひろと両親が夜空を眺める場面です
南先生というのは、それまで完全に両親を否定する存在に出会わなかったであろうちひろにとって
最も厳しい世間の目の象徴と言えるかもしれません
それが片思いの相手なのだから残酷です
最後の場面は思わず
「え、ここで終わっちゃうの?」
という感じです。
よく見れば希望の見える展開ですが、私はどうも不穏な文脈から悪い想像をすることしかできませんでした
ちひろはどうなってしまうんだろう、
と不安になってしまう最後でした