近頃読んだ本ではなく
もうかなり前になる話
しかも本ではあるが写真集とエッセー
それに
ぼくが読みたいと思ったわけではなく
朝日新聞の ひと 欄に載っていた話題
いつもの電話で
北海道の水鳥さんに読んであげたら
千歳図書館にあったからと
写真集だけど
エッセーも結構載ってるから
ということで読み始めたもの
23歳で全盲になって
そこからの全く新しい人生展開
それが余りに前向き過ぎて
行動力も凄すぎて
ぼくにはまるっきり考えられない
絶対付いていけない感覚
自分との圧倒的違いと
むしろ正反対とも言えそうな
その性格と生き方に
少し心が重くなるのを感じた
ことの起こりは
この人が大学の研究室から持ち帰った
エチルアルコールのボトル
自宅でそれを何かで割って飲んでいたら
いつの間にか気を失って
気付いたら病院のベッドの上
そのボトル
ラベルは エチルアルコール となっていたのに
中に入っていたのは メチルアルコール だった
故に 一命はとりとめたものの
完全に失明してしまっていた
余りの奇想天外さに絶句
高校時代の化学の授業で習った覚えがある
戦争の頃
酒好きが消毒用アルコールを飲んで
命を落としたり失明したりの事件が多発していた と
その時の先生は
飲むと目が飛び出して
目が散るからメチルアルコールと言うのだ
などと駄洒落を言って
ぼくは体質的にアルコールに弱いから
そうまでして酒を欲しがる人の気持ちがまるで理解できない
そこからして
もうまるっきり自分とは噛み合わない世界の話
だからなのか
そこから後のこの人の生き様も理解不能
だから
ぼくからすれば
全くの別世界的な生き方なのだが
こういう世界もあるんだね 的な感じ
興味のある人は
手に取って見てみて
この人
全盲になった後
函館のライトハウスに行って
様々な指導を受けて
白杖を持って外の世界に出られるようになって
もともとカメラが好きで
写真を撮るのが趣味でもあったから
全盲になってからも
声のする方にカメラを向けて
そうして撮った写真が好評だったから
出会った人達の写真を撮りながら
沖縄から出発して宗谷岬を目指して
日本中全都道府県を巡って
出会った人達の好意で旅を続けて
今頃はもうその旅も終わってるだろうけど
なんてね
ぼくからすれば絶対に考えられない世界なんだけど・・・