先を見据えることの大事さというのは、どこに目標を置いているのかによって、その見方が変わってきます。
いまどの位置にいるのか、どの道を通っているのか、あとどれくらいかかるのか、そして本当に予定通り進んでいるのかを確かめることができます。
昨年暮れあたりから、携帯電話大手のNTTドコモとKDDI(au)の障害が頻発しているとのことで、各所で大きな話題となっています。技術的なことについてはわかりかねるので、その障害の内容については、ご興味ある方はニュースや公式サイトなどで確認いただければと思いますが、今回のこの障害連発は、どうしても先の見据え方の違いがもろに出てしまっているのではないかという気がするのです。
今から約2年3ヶ月前、2009年11月に行われた、NTTドコモとソフトバンクの新商品発表会における、これからの通信速度の高速化についての両社の社長の言葉が非常に印象に残っています。
NTTドコモ山田社長
「Wi-Fiとどちらかと聞かれれば、LTEを含めた3Gのバージョンアップで対応したい」
「品質の高いネットワークをきちんと整備していくことが、動画の時代に向けて必要になる」
ソフトバンクモバイル孫社長
「ユーザーの携帯利用シーンの半分は自宅。自宅でサクサクと通信できるようになる時代、そして公衆無線LANスポットの整備が進めば生活シーンの8割でWi-Fiでつながる時代が来るだろう」
「人間に鼻と口があるように、3GとWi-Fiが両方あるのが当然だという時代になる。Wi-Fiがないと息苦しいという時代になる。Wi-Fiが私の出した答えだ」
この約2年3ヶ月前に出された言葉を、みなさんはどう思われるでしょうか?
今どうなっているかは一目瞭然です。
NTTドコモは急激なスマートフォンの増加に伴う通信量の増加が、そのインフラの許容量を越えてしまったことによる障害も引き起こしたともいえます。
ソフトバンクはすでにスマートフォンが増加していたこともあり、こうなることを予見したかのように通信を外に逃がす戦略に、この時点で舵を切ったわけです。他社の倍以上といわれるスマートフォンによる通信を、世の中の携帯ジャーナリスト(自称)に言わせると「他社よりも貧弱」であるはずのインフラで、見事に捌ききっているのには、先見の明があったといわざるを得ません。
各紙・誌に寄稿している携帯ジャーナリスト諸氏からも、この言葉が出てきた時点では「ソフトバンクを総攻撃」状態で、バカにしていた文章が明らかに目立っていました。
しかし、NTTドコモ、KDDIも同じようなWi-Fi構築を昨年後半から慌ててはじめているところをみると、先を見る目がまったくないな、と感じる部分も多々あります。まあ、この種の方々はどうも「ソフトバンクが嫌い」「ソフトバンクがやることはすべて悪」がすべてにおいて優先するようで(笑)
これはジャーナリスト諸氏だけが悪いということではなく、その先をキャリアの経営戦略としてどう見ているかをきちんと説明していたかどうかという部分ではないかとも思います。
同じ携帯電話のキャリアといえども、インターネットカンパニーであることを標榜して、そのための重要インフラとしてモバイル通信に取り組んでいるソフトバンクと、そもそもがモバイル提供カンパニーであるNTTドコモでは、目的地も通り道も違うわけですから、そこをいかに明確にするかを怠り、「今ができうる限りの最高」であるという見せ方をしてしまうと、最終的にお客様にその選択するための基準を誤らせ、迷惑までかけてしまうということになるのではないかということになります。
Webサイトでの企業情報の公開について、どこまで行えばいいのかというご相談もよくいただきます。上の例をみるまでもなく、大手といわれる会社でさえきちんと伝えることに四苦八苦していることと、それを曲解されることもあることを考えれば、中小企業こそ、どこに向かっている会社なのか、そして今どの段階にいるのか、なんでその商品やサービスを提供しているのかを、きちんとそしてわかりやすく載せることなしに、あなたの商品やサービスが選ばれる道理がということに、気付かなければならないのではないでしょうか・・・。
(Webコンサルタント 國田丈樹)