アクション俳優の進化──“魅せる”から“効かせる”へ アクション俳優とは、格闘技や殺陣などの身体能力を駆使し、自ら危険なアクションシーンを演じる俳優のことである。近年のアクション映画界では、従来のスピード感や華麗さを重視した“魅せるアクション”だけでなく、打撃の重みや衝撃を伝える“効かせるアクション”、さらに実戦性と重量感を追求した「パワー系アクション」が新たなトレンドとして注目を集めている。

 従来のアクション映画では、“魅せるアクション”が主流だった。素早い動きや派手なワイヤー演出、流れるようなコンビネーションが観客を魅了してきた。しかし現在では、観る者に「本当に効いている」と感じさせる重量感や衝撃、リアルなパワー表現が求められる時代へと変化している。 海外では、Tom Cruiseが『ミッション:インポッシブル』シリーズで超人的なスタントを自らこなし、世界中を驚かせている。また、Keanu Reevesは『ジョン・ウィック』シリーズで銃器術と近接格闘を融合させた独自のアクションスタイルを確立。さらに、Dwayne Johnsonは圧倒的な肉体美とパワーを武器に存在感を放っている。 そのほか、Jason Stathamの鋭くキレのある肉弾戦、そして日本アクション界のレジェンドである倉田保昭の存在も世界的に高く評価されている。80歳を超えてなお現役で活躍する姿は、多くのアクション俳優たちに刺激を与え続けている。

 日本でも、本格派アクション俳優への注目は高まっている。岡田准一は高い格闘技技術を活かしたリアルなハードアクションで人気を集め、真田広之はハリウッドでも活躍する世界的俳優として知られている。さらに、横浜流星は極真空手世界大会優勝の実績を活かし、華麗かつ力強い立ち回りで存在感を示している。 そんな中、“パワー系アクション”という新たなジャンルを提唱し注目を集めているのが、大東賢氏である。 元アームレスリング日本王者という異色の経歴を持つ大東賢氏は、単なるスピード重視ではなく、「重量感」「破壊力」「効かせる動き」を重視した独自のアクションスタイルを追求。

監督・主演作品『〜運送ドラゴン〜パワード人間バトルクーリエ』では、令和時代の新しいアクション像として、“実戦的で説得力のあるパワーアクション”を打ち出している。 特に、身体の大きさや筋力を活かした一撃の重み、相手に伝わる衝撃表現は、従来の軽快なアクションとは異なる迫力を生み出しており、「効かせるアクション」という新たな方向性として注目され始めている。 アクション映画の世界は今、“魅せる”から“効かせる”へ──。 その進化の中で、パワー系アクションという新たな潮流がどこまで広がっていくのか、今後の動向に期待が集まっている。