妄想小説






〜3−5摩天楼〜





警察本部、作戦室


トイレから戻ったミナトと、立花刑事に扮したモンゴメリー


レベッカ『遅かったわね?ウンコ?』


ミナト『違うよ、立花刑事が

残尿感で、時間が掛かっただけだ

ケケケッ!』


立花刑事『クッ……!コイツ……!

……恥ずかしい限りです……』


話を逸らすのに、丁度いい言い訳なので

乗ることにしたモンゴメリー


立花刑事『それより、犯人を捕らえる作戦は

出来たのですか?』


エドガー『標的となっている

裁判官や弁護士を囮にして、現行犯で逮捕するのが手っ取り早いですが

犯人が、自暴自棄に起爆スイッチを押したら

一般人に被害が出る恐れがありますので……

ここは、犯人がきっと、最後のターゲットとしているワルモーノ製薬会社に誘導します!

予告状の運び屋には、必ず連絡が来るので

その際に交渉します

裁判官や弁護士を我々が保護した事を知れば

矛先をワルモーノ製薬に向けるはず

復讐心での犯行なら、その元凶である

ワルモーノ製薬を、たとえ警察の護衛があったとしても、多少の強引で、目的を果たす為に来ると予想できます


立花刑事『なるほど、それなら、一般人より

会社の人を避難させやすく、待ち伏せして捕らえやすい……、流石です』


エドガー『………まっ、会社の誰かに変装されたら

難しくなりますけどね……』


立花刑事『……………』


エドガー『ミナトさん

この作戦、どう思います?』


ミナト『あ?いいんじゃね?

つか、何で俺に聞くんだよ!』


レベッカ『でも、遊園地の件で

私達が、暗号解読を出来たと思ってるんじゃない?

それでも、予告状を出すのかしら?』


エドガー『それは、メディアを通して

佐藤警部が誤魔化してくれます

それも相まって、今日は、予告状を出すことは無いでしょう

ワルモーノ製薬の保護は、犯人に気取られないよう、待機状態にさせます』



この日の夜、緊急生放送が流れた


犯人からの暗号文は、犯行日時しか解読出来ず

憶測で、弁護士が狙われていると推察し

花畑遊園地に居た、腹黒弁護士を保護しようとする前に、あの悲劇が起こったと説明した


そして、弁護士や検事、裁判に関わる人を

ナンチャラカンチャラで保護、護衛し

警備を固めるよう呼び掛けた



この速報を見た、爆弾犯であるオッサンは

遊園地の、不自然な火事騒ぎは

犯行直前に届いた予告状による

苦し紛れの対応だったと思い

腹黒弁護士を保護しようとしたのは

たまたまの事だと思い込んだ


これによりオッサンは、警戒を強める事無く

狙う順番を変えただけで

今まで通りの手順を踏む事にした



佐藤警部は、闇バイトの若者から

連絡手段である携帯電話をぶん取り

若者を牢屋へブチ込んだ


何時、連絡が来ても良いように

エドガー達も含め

捜査官達は、汚い本部で寝泊まりした


立花刑事は本来、政治や会社絡みの捜査をする部署に所属している為

ワルモーノ製薬について、寝ずに調べていた

中身は、モンゴメリーだが

立花刑事に成り切っていた


その間、ミナトは

愚痴をこぼしながら、モンゴメリーに悪戯していた


そして翌日


警察本部、作戦室


立花刑事『ワルモーノ製薬は、人体実験もしていたと、一部で黒い噂されてますね

資金も、業績に似合わず多額です

裏取引をしていても可怪しくありません』


佐藤警部『検事や裁判官を買収した可能性もあるわけだ……、すまんな、徹夜させて……』


立花刑事『仕事ですので

誰かさんの邪魔が無ければ、仮眠出来たんですけどね?』


ミナト『けっひっひひひ!

俺も寝てねぇーんだから、おあいこだ!』


佐藤警部『……まぁ、気の毒に……

………ん?おい!!?新畑!?

どうした!!?顔色が気色悪いぞ!!?』


元々、ガリガリでゲッソリしていたのが

さらにゲッソリしていた


エドガー『いえ……、私も寝てなかったプラス

時差ボケが、まだ抜けて無かったもので……』


そんな時、スッキリした顔で

イソノが颯爽と現れた


イソノ『皆さん!おはようございます!

張り切って、事件解決に臨みましょう!』


レベッカ『そう言えばイソノ……

あなた、遊園地から戻った後

いつの間にか、そこの椅子で寝てたわね?』


イソノ『ホッホッホ!時差ボケで、調子が悪かったので……、良い歳なので労ってください』


ミナト『……あ!そうだ!

エドガーって偽名だろ?

ここでは新畑って呼ばれてるけど

それも偽名……、本当は、何て名前なんだ?』


レベッカ『あー!私も気になってたのよ!』


佐藤警部『………俺も知りたいな……』


エドガー『………!!!

あっ……、えっと……、それは……

最重要機密事項です!!』


ミナト『あ〜ん?歯切れが悪いな?

教えろよ?』


慌てふためくエドガー


すると……


イソノ『田中·小太郎です』


エドガー『………!!!!?はっ〜〜〜〜!!!?

イソノ……!!!!』


ミナト『……タナカ………』


レベッカ『……コタロー………』


一同『ぶわ〜はっはっは!!!!』


ミナト『たっ……タナカ……!!

クックック……!ツボる……!!』


レベッカ『コ……コタローって……!

プップップッ……!

なんてカワイイ響き……!!』


佐藤警部『……あは……、……あは……!

なんの威厳もねぇー……』


エドガーは、少し泣いた


エドガー『……だから言いたく無かったのに……

こ……これは、危険を回避する為に……!』


ミナト『あぁ!いい!いい!

みなまで言うな!機密事項!?

大いにケッコー!ケッコー!

ぬぅ〜わ〜はっはっは〜!』


エドガー『……ただ本名を名乗っただけなのに……

面白がって……、カワイイだの……、何時代だの……

いつもそうだ……』


暴露したイソノは

誇らしげに、満足そうな顔をしていた



息抜きが出来た所で

運び屋から奪った携帯に

爆弾犯であるオッサンからの電話が鳴り響いた


場は一転し、緊張が走る


レベッカ『シュガー警部!お願いします!』


佐藤警部『シュ……シュガー?

いつの間に、あだ名ついたんだ……?

分かった!スピーカーにして、逆探知の用意!』


エドガー『通話が切られないよう

切り口はワルモーノ製薬で……!』


佐藤警部『分かった!』


逆探知の準備が整い、電話に出る佐藤警部


佐藤警部『………もしもし?』


爆弾犯『……1時間後、並木通りのバス停……

そこのベンチの裏だ……』


佐藤警部『……待て!

ワルモーノ製薬について話さないか?』


爆弾犯『……何だと?

……誰だ!お前は!?』


爆弾犯は焦ったが、電話が切られる事は無かった

犯人が食い付いてくるワードを言えば

対話出来ると、エドガーの提案だった

予想通り、第一関門クリアした


第二関門、エサが無くなるまで食い付かせ

逆探知で居場所を特定する


佐藤警部『俺は、この事件の担当捜査官で

責任者の佐藤だ

昨日の会見は見たか?

実は、お前さんの暗号文は解読出来たんだ……

ワルモーノ製薬の事も知った

シビアな問題だから、敢えて分からないと発表し

お前さんと一緒に、極秘で動く事にしたんだ……』


爆弾犯『……………極秘?

隠蔽の間違いだろ?』


佐藤警部『まさか……!違う……!

あの裁判に、警察は関わっていない

お前さんの言う事が真実なら、俺達が全力で……

いや、俺達とお前さんで、ワルモーノ製薬の罪を暴き、罰を下そう!

俺の祖父母は、その町の人でな

俺が小さい頃は、よく遊びに行ってたんだ

いい町だよな!だから、俺も許せないんだ!』


このやり取りを、黙って見ていたミナトが呟いた


ミナト『……佐藤警部って

嘘つくのヘタだな……』


立花刑事『同感です……』


爆弾犯『……知ってるぞ?

親近感を持たせ、信用させる為の嘘だろ!?』


佐藤警部『う……嘘じゃない!

本当だ!よく公園のブランコで遊んで

ブランコから落ちた時のタンコブが

今も残ってるんだ!

あれは、痛かったな〜……』


少し焦る佐藤警部


ミナト&立花刑事『あっちゃ〜〜……』


嘘が上手な人は、具体的な事は言わない

嘘が得意な二人は、ヘタをこいたと悟った


案の定……


爆弾犯『…………昔から、あの町の公園は全部……

ブランコなんて無い……』


佐藤警部『うっ……、い……いや〜

小さい頃だから……、記憶違いかな〜……』


爆弾犯『もういい!

次の爆破予告は、また後で連絡する!』


佐藤警部『い!いや!待ってくれ!』


エドガー『逆探知はどうですか!?』


警官『駄目です!

やはり、妨害されてるのか……

特定出来ません!』


エドガー『マズイですね……

このままだと、電話が切られる……

ワルモーノ製薬に、矛先を向けさせるには

まだ不十分……』


ミナト『はぁ〜〜、見てらんねぇーな……』


そう言って、スタスタと、佐藤警部に近寄り

電話を横取りした


ミナト『あ、もしもし!爆弾犯さ〜ん!

アンタの言う通り、佐藤警部は嘘つきだよ〜

けれど、ワルモーノ製薬の件は本当だ……

俺も、胸糞悪い!』


佐藤警部『おい!何を勝手に……!』


ミナト『うるっせぇーな!

テメェ等のやり方は気に入らねぇーんだよ!』


佐藤警部を突き飛ばすミナト


ミナト『……あ〜、爆弾犯さん?

俺は警察ではないよ?

暗号解読に協力してくれって

五月蝿いもんだから……

こんな簡単な暗号も解読出来ずに

ワルモーノ製薬を成敗出来るかっての!』


爆弾犯『……な……何だ、お前は……?』


虚をつかれ、戸惑っている爆弾犯


ミナト『だからよ……、俺が手伝ってやる

アンタの復讐に協力してやる……

いいのか?クズ共を爆弾でアッサリ殺して?

存分に苦しませないと、気が済まないよな?

俺なら、一生苦しめて

惨めな殺し方を知ってる……

試してみるか?』


そこへ、つかさず

立花刑事、もといモンゴメリーが叫んだ


立花刑事『やめなさい!

今すぐ電話を返しなさい!

君には協力してもらったが

それ以上、一般人の素人が勝手な事をするんじゃない!!!

被害が大きくなったら、どうするんです!!!?

携帯を返しなさい!!』


と、口では言うが、コチョコチョと

電話越しで揉みくちゃになってる感じに

音を立ててる程度


レベッカ『ホントに何してるの!!

寄越しなさい!』


と、レベッカも腕をツネる程度に参戦


ミナト『……ッイデデデ!イデデデデ!!!』


あ、ツネるのは本気のようだ


それを見ていた皆は、犯人を信用させる為の

アシストをしていると気づいた


一名を除いて


猿渡刑事『うわぁぁ〜〜!!!

そうですよ!!?作戦が台無しに〜〜!!!』


結果的に、これもアシストとなった


そして、突如

作戦室を走り回るミナト


立花刑事『逃げたぞ!!!捕まえるんだー!!!』


つかさず、これもアシストする立花モンゴメリー

いいコンビなのかもしれない


これにより、電話越しの爆弾犯は

ミナトの言う事を信じ切った


爆弾犯『お、おい……!

お前……、本当に警察じゃないのか!』


ミナト『ハァ、ハァ……、ちょっと待て……!

アンタも五月蝿いな……!

こいつ等を巻くまで待ってろ……!』


爆弾犯『お……、うん……、分かった……』


しばらく経って、再び話しだした


ミナト『ぜぇ……ぜぇ……

はん!暗号も解読出来ねぇー連中だ……

余裕で巻いたぜ……

んで、どこまで話したっけ?』


爆弾犯『……どうやって、クズ共を苦しめる?』


ミナト『おー、そうだったな……!

簡単に言えば、自力で動けない体にして拷問する

薬も投与して、激痛と絶望を与えて苦しめる!

後は、自然と死ぬまでヤレばいい……

アンタだって、頭では分かってるんだろ?

こんな事しても晴れない事は……』


爆弾犯『…………』


ミナト『けれど、分かっていてもヤラずにはいられない、やらなきゃいけない!

そうだろ!?』


爆弾犯『……あぁ、そうだな……』


ミナト『上手くいくか分からんが

俺は、警察に保護されたクソ共を、アンタのとこに連れて行く

まぁ、駄目だとしても、まだワルモーノ製薬の連中は保護されてない

だから、警察より早く

製薬会社を、爆弾を脅しに制圧しといてくれ

後は、俺が舞台を整えてやる』


爆弾犯『大丈夫だ……、今日送る予告状の標的は

ワルモーノ製薬だったからな……

30分も掛からんよ』


ミナト『場所は、ワルモーノ製薬の本社か?

それとも、事件が起きた製造施設か?』


爆弾犯『本社だ……、急いで来いよ』


ミナト『あぁ……』


ここで、通話は切れた


佐藤警部『……おい、どうゆうつもりだ?

結果的に、作戦の通り

標的をワルモーノ製薬にできたが

こんな、直ぐにではない!

ワルモーノ製薬の保護は待機中!

保護が間に合わなかったら、人質を取った

立て篭もり事件に発展するぞ!』


ミナト『アンタがヘタこいたんだろ?

あのままじゃ、電話を切られ

予告状も出して来なくなると思ったんだよ……

むしろ、繋ぎ止めた事に感謝しろよ?』


佐藤警部『あのな……!そうゆう事は……!

クソッ!立花刑事もらしくないぞ!

何か作戦があるんだろうな?』


立花刑事『作戦ですか………

分かりません……!

彼が言ってる事と、同意見だったので

咄嗟に合わせるしかないと……』


頭を掻きむしる佐藤警部


佐藤警部『……新畑!どうする!!?』


エドガー『………佐藤警部

護衛チームは、そのまま待機させといてください

犯人は、制圧に30分も掛からないと言いました

鉢合わせたら、余分な人質が増える可能性が高いので……!』


佐藤警部『っく……、仕方ねぇ!

すぐに連絡しろ!

そのまま待機させるんだ!』



エドガー『……ミナトさん?

この状況でも、安全に犯人を逮捕出来る方法は

ありますが

それには準備が必要で、時間が足りません……

普段、ヘラヘラしている貴方ですが

なかなか鋭い人で、馬鹿ではない……

そんな貴方は、考え無しの行動はしないはず……

作戦があるのですよね?

私は、それに乗っかります

指示をください』


ミナト『ん〜、そうだね……

とりあえず、保護した連中を全員

ワルモーノ製薬本社に連れて行く

それから、誰か警察手帳と拳銃をかしてくれ

爆弾犯のオッサンに、どうやって連れて来たか

質問されたら、言い訳が出来る』


佐藤警部『ちょっと待てー!!!

今、さらっと問題発言したぞ!!?

いくら何でも、警察手帳と拳銃は渡せない!!!』


エドガー『確かにそうですね……』


狩沢署長『……なら、僕のを貸そう……』


警官達『えぇぇ〜〜!!?』


いつの間にか、まだ居た狩沢署長


佐藤警部『ちょっ……!それは……!

俺には責任取れませんよ!』


狩沢署長『いいよ

どうなろうと、責任は僕が取るから

彼を連れて来たのは僕だしね』


そう言いながら、警察手帳と拳銃を

ミナトに渡す狩沢署長


ミナト『連れて来られた憶えはねーんだけど』


佐藤警部『……こんな事して、失敗すれば

大問題ですよ?』


狩沢署長『そうだね……

けれど、我々と違って

型にハマらない彼だからこそ

解決出来る事もある

失敗したら、彼も共謀犯として逮捕してもいい』


佐藤警部『…………おい小僧

お前は今、人の命と俺達の命運を背負っている……

覚悟は出来てんだろうな?』


ミナト『………はん!知るかよ!

どうでもいい!

それより、俺は免許持ってねーから

運転手として、立花刑事も借りてくぞ』


佐藤警部『ぬぬぬ……!

立花刑事!しっかり見張って、最悪な事態は

防いでくれよ!』


立花刑事『……了解しました

見るに耐えなくなった時は

私が彼を逮捕しますので』


ミナト『へぇ〜……

アンタが俺を逮捕出来るのかねぇ……?』


エドガー『…………ミナトさん

レベッカも連れて行ってください

先程の爆弾犯とのやり取りでも

状況を把握し、貴方に合わせてました

彼女なら、臨機応変に立ち回れます』


ミナト『え〜〜〜……

う〜ん……、まぁ……大丈夫か……』


エドガー『レベッカ、例の件ですが……

こっちで何とかします

状況によっては、レベッカの独断で構いません』


レベッカ『分かったわ

行きましょ、お二人さん』


立花刑事『………例の件……?』


ミナト『……………』



そうして、保護された人達を迎えに行く道中

車内では、具体的な作戦を練っていた



立花刑事『……君が、電話を持って逃げる時に

盗んでおいた手帳と拳銃で

保護した人を連れて来る事が出来たと……

多少、無理のある言い訳ですが

爆弾犯のオッサンは今、テンションが高くなっているはずなので、納得すると思いますよ』


ミナト『だろ?アンタ達二人は

銃に脅されてる風にしてくれ』


レベッカ『その後は、どう捕まえるの?』


ミナト『起爆スイッチは、オッサンが手に持って離さないだろうから

先ずは共謀して、ワルモーノ製薬の悪事を告発させる

そうすれば、オッサンに隙が出来るから

そん時に捕まえる!』


レベッカ『だったら、オッサンに爆弾持って来いなんて言わなきゃ良かったじゃない?』


ミナト『言わなくても、オッサンなら持って来る

どうせなら、こっちが先に言えば

より信用されるだろ?』


レベッカ『まぁ、そうか……

どうやって告発させるの?』


ミナト『ネットの生配信を使う、その配信を拡散するのに役立つ知り合いには、もう頼んでおいた

後は、喋らすだけ……

何かの騒ぎの、どさくさに紛れて隠蔽する奴は

臆病者だと相場は決ってるからな

ちょっと脅すだけで喋るさ』


レベッカ『何か……、考えている様だけど……

行き当たりばったりね』


ミナト『ぬぅへっへっへ!

だから、面白いんじゃねーの!』



そして、保護した弁護士や裁判官の混乱を防ぐ為

護衛場所を移すとだけ説明

護衛に当たっていた警官達は、佐藤警部から連絡を受けていたので

すんなり、身柄を引き渡した


その間、エドガーと佐藤警部は

ワルモーノ製薬本社の周りに、警官を配備し

もしもの時に備えていた


もう一つ、エドガーはイソノに

緊急の仕事を依頼した

複数の警官と共に、イソノは街へ繰り出した


その知らせを受けたレベッカ達は

ワルモーノ製薬本社に到着し

保護した連中共々、建物内へ入る


予定通り、爆弾犯のオッサンによって

制圧されていた

重役以外の社員は、外へ追い出されている


状況を把握したミナトは、借りてきた銃を

明後日の方向へ発砲


いくら何でも、発砲まではしないと思っていた

レベッカと立花刑事に扮したモンゴメリー

二人は、素で驚いた


レベッカ『ちょっと!何してんの!!?』


立花刑事『どうゆうことです!?』


裁判官『な……!何だ……!!?

君達はボディーガードじゃないのか!!?』


立花刑事『い…いえ……!

そうなんですが……、彼だけは違うようです……』


ミナト『動くな!

そこのアンタ!コレで、全員の手を縛れ!』


弁護士『わ…私ですか……!?』


事前に用意した、結束バンドを渡すミナト


レベッカ『………あれ?』


レベッカは戸惑った

打ち合わせで、レベッカが縛る役となって

立花刑事とレベッカだけは

何時でも抜け出せる様、緩く縛る手筈になっていたのだが


これだと、二人とも本当に縛られてしまう

またしても、素で驚く二人


そして、結束バンドでキツく縛られた二人

他の者も縛られた


発砲が聞こえてたのか、ミナトがぶん取った携帯に、オッサンからの着信


会議室に、重役達を監禁しているから

そこに連れて来いとのこと


皆を会議室へ連れて行くミナト


初っ端から、段取りをメチャクチャにされた

レベッカは従うしか無かった


立花刑事に扮したモンゴメリーは、縄抜けの術で

何時でも抜け出せるが

敢えて動かずにいた





つづく〜