妄想小説






〜3−4摩天楼〜





花畑遊園地、駐車場


現場は混乱していた

現実を受け止められず、放心している者

また爆発が起きると思い、逃げ惑う者

面白がって、写真や動画を撮る者

諌めようとする、警官達


そんな中、マイペースで家出娘を探すミナト


ミナト『う〜〜ん………、お!居た!

どうやって、家に帰るよう

言いくるめるか悩んでいたけど……

こんな事態だ、素直に帰るだろう』



多少、怪我を負ったが、家出娘は無事のようだ

親から依頼された事を伝えるミナト

友達と一緒に、帰る事にした家出娘


何でも屋の仕事は、ほぼ完了した



ユージ『家まで送らなくていいのか?』


ミナト『大丈夫だろ……

それより、やることが出来た

刑事さん達の所に戻るぞ』



安全性を考慮し、皆を帰す事にした立花刑事

警察の誘導のもと、駐車場から

人々は薄れていった


立花刑事『まさか、彼の勘が当たるとは……

お連れの人の様子からして

日常的に当たっているのでしょう……

調べてみる必要がありますねぇ……』


イソノ『立花刑事!

レベッカさんの様子はどうです?』


立花刑事『ずいぶんヘコタレてますね

余程ショックだったんでしょう

……まぁ、ハートフリーザと呼ばれてる

私ですら、キツイものがありますから……』


アシスタント『イソノさん……

パンドラより、この犯人を捕まえるのが先だと思います……!

こんな……!許せないです!』


イソノ『……そうですな

けれど、貴方も無理しなくていいですよ?

離れた場所に移動して休みましょうか』


立花刑事『それなら、モニター室へ行きましょう

お化け屋敷のカメラ映像に、犯人が映ってる可能性があります』



レベッカ達は、モニター室へ向かった

途中、ミナトとユージも合流し

一緒に向う事に



モニター室


レベッカ『腹立つ……!腹立つ……!

腹立つわ〜………!

絶対に捕まえて

拷問付きの終身刑にしてやる……!』


ミナト『……なんだ?

被害者のこと気にしてんのか?

所詮、他人なんだから

気にしてたら、キリがないって』


レベッカ『……な!アンタ……!

よくそんな事言えるわね!』


アシスタント『あぁぁ、ちょっと……

ケンカは良くないですよ〜』


ユージ『もしかして、他人だから気にするな

とか言ったのか?』


アシスタント『そうなんです〜』


ユージ『それは申し訳ない……

とは言え、あいつも色々と思うこともあってな

自分自身に、言い聞かせてる訳でもあるから……

無視してくれって、通訳してもらえます?』


アシスタント『は、はい……!』



立花刑事『出ましたよ皆さん』


お化け屋敷前の

カメラ映像を映す立花刑事


スタッフ『中にカメラは設置してなくて

外にある物だけですが……』


立花刑事『十分です』


猿渡刑事『あ!僕達が映ってますよ!

聞き込みの後に集合した時ですね!』


立花刑事『この後、広場のクレープを食べて

ユージさんが駆けつける処まで飛ばしますか……』


とか言いながら、立花刑事は密かに

ミナトとユージの動向も探っていた


勘だけで、刑事と見破り

事件が起こる事も予想していた


合理的に考えて、立花刑事の中では

ミナトも容疑者の一人になっているのだ



そして、映像は

ユージが駆けつけ、お化け屋敷の中に入っていったところから……


イソノ『人が出てきました……

皆さん、ロッカーに預けた荷物はそのままに

手ぶらですね』


立花刑事『しかし、預ける前に逃げた人も居ます

こうなれば、最後に出てきた人が

要注意人物です……』



猿渡刑事『……最後に出てきたのはカップルですね

爆弾らしき物どころか、手ぶらですよ?』


イソノ『ということは

この後に、お化け屋敷に入っていく人物が現れるのでは?』


ミナト『……いや、怪しい奴は居たぜ……

少し巻き戻してくれ』


立花刑事『…………分かりました』


映像を巻き戻す


ミナト『……ストップ!そこだ!

リュックを前に抱えてるオッサン!』


イソノ『怪しいと言っても……

根拠は何です?』


ミナト『こ……根拠は………、分からん!

アンタたちで考えてくれ!』


立花刑事『………また、勘ですか?』


ミナト『ん〜〜、とにかく!

コイツが怪しいんだよ!』


皆が、舌を巻いている中……


レベッカ『そうね!この男が重要人物だわ!』


立花刑事『何故、言い切れるのです?』


レベッカ『人の流れ……

荷物を持って逃げる人は、最初のほうだけ

後に続く人達は、殆どが手ぶら……

それは、荷物を預けるロッカーが、出入り口にあるからよ

つまり、出入り口に居た人達は、順番待ちで

まだ、荷物を預ける前……

出入り口に一番近いから、荷物を持った人達が

先に出てくるのは必然、中で楽しんでいた人達は

後から来る……』


立花刑事『なるほど、確かに手ぶらの人達は

アトラクションの中にいて、既に荷物は預けた後

このオッサンは、後半に出てきたにも関わらず

リュックを持っていると言う事は

こんな事態でも、わざわざロッカーから荷物を取り出し出てきたと……

それなら納得します……

さしずめ、爆弾はロッカーに置いていたと言う事ですか……

ミナトさん、犯人を追うというのは

こういう事ですよ?』


ミナト『まぁ、何でもいいけどよ

早く捕まえに行こうぜ』


レベッカ『それはまだ早いわ

避難に遅れてでも、大事な物があったから……

とも考えられる

それが爆弾ならいいけど……

次は、駐車場のカメラ映像をお願い!

オッサンの動きを見るわよ!』



オッサンの動きはこうだ

駐車場に避難した後、辺りをキョロキョロしながら人混みを掻き分け、ある場所で立ち止まり

リュックをその場に置いたまま

離れた場所へ


立花刑事『リュックを置いた場所は

爆発の中心部……

続きは、私が確認しましょう』


スローで確認したら

リュックが爆発、当たりが当たった


レベッカ『エドガー、犯人が分かったわ』


エドガーとは、まだスピーカーで

電話を繋げたままでいた


エドガー『……まだ、主犯とは言えないです……

暗号文は、闇バイトで雇った若者が運んでいました、爆弾を運ぶ役も雇っていても

おかしくありませんので……』


ミナト『はぁ〜、めんどくせーな……

あんた等、難しく考え過ぎだって……

それとも、保身になってるのか?

無罪の人を犯人扱いしてしまったら……って

それで、また被害が出たらどうすんの?』


立花刑事『難しい問題なんですよ

無実でも、疑われた時点で

その人の周りに居る見る目が変わるんです

信頼を失い、その人の人生を奪いかねない……』


ミナト『それで、他の人が死んでもか?』


立花刑事『……どうやら君は

我々、警察が気に食わないみたいですね?』


ミナト『警察の人じゃなく、そのルールがね……』


エドガー『け……ケンカはやめましょう

な……仲良く……、やりましょう……?』


電話越しでも、オドオド


猿渡刑事『そうですよ!

笑顔で話しましょう!

ここはひとまず、本部へ戻りましょうか!』


カメラ映像のコピーを貰い

ミナトも一緒に、警察本部へ戻る


途中、ゲームの続きをしたいと言って

ユージは帰って行った



警察本部、作戦室


ミナトを連れ、レベッカ達が戻って来た


その際、初めて対面したエドガーとミナト

お互いに、心の中で懐かしさを感じていたが

特に、気にする事は無かった


コピーしたカメラ映像を見るエドガー

モンゴメリーの行方は、そっちのけだ


エドガー『……なるほど、分かりました』


映像を見終わり、これまでに集めた手掛かりから

エドガーは推理した


エドガー『皆さんが戻る間、今回と前の3件

4通の暗号文を解読しました

それから、調べてもらっていた

被害者の共通点と爆弾の解析資料も……

使われていた爆弾は

ネットでも、作り方が紹介されている物でした

どこでも手に入る材料で、粉末洗剤の調節によって、爆発の大きさを変える事が出来ます

前の3件は、どれも半径5メートル以内でした

この事から、犯行動機は、単なる快楽犯行ではなく、ターゲットを的にした犯行である

可能性が高いです……

快楽の為なら、爆発は大きく派手にするはず

どこでも手に入る材料なら、節約する必要もありませんから』


佐藤警部『……なるほど、被害者の共通点は?』


エドガー『今は、調べ直してもらっている所ですが、一つだけ見つけました

被害者の中に、検察官、弁護士の人が含まれています、何かの裁判に関わった者だと……

そして、暗号文にはヒントになるものが

それぞれに書かれています……

これが、解読した文です』


佐藤警部『一通目が……

[製薬]、[会社]、[研究]、[エビ]、[カニ]、[地震]

と、犯行場所と日時……』


猿渡刑事『二通目が、[地震]、[事故]、[町]

[被害]、[少い]です!』


立花刑事『三通目は、[処理]、[施設]、[倒壊]

[事故]、[汚染]、[流失]……』


レベッカ『今日届いた4通目は……

[薬]、[実験]、[地震]、[事故]、[利用]、[汚染]

[病気]、[死者]……』


エドガー『これを、文章として繋げると……』


ミナト『ある製薬会社の処理施設が

カニエビ地震で倒壊……

それで、町に汚染が広まって

人に感染し、死者も出たって事か……

犯人の動機は、復讐だな』


佐藤警部『そうか!カニエビ地震か……!

二年前に、大きめの地震が△□県で起こった

古くなった建物や欠陥工事で出来た物は

倒壊したが、それ以外は少し亀裂が入った程度

人身被害も殆ど無かった……

だけど、地震によって、手抜き工事が露わになって問題が起き、あまつさえ、その県のシンボルであった、エビとカニの銅像すら手抜きだった為

エビカニ銅像も崩壊……

それ故、エビカニ地震と呼ばれるようになった』


猿渡刑事『思い出しました!

その時、ワルモーノ製薬の製造施設の一部も倒壊して、汚染被害も話題になりましたね!

地震より、そっちの方が、被害が大きく

裁判にもなった………、あ!裁判!』


エドガー『爆破の被害者の共通点は

それですね!』


猿渡刑事『……でも、それは、地震による事故で

ワルモーノ製薬は、お咎め無しの判決……

それでも、会社は、復興に積極的で

援助金も惜しまなく出していますけど……』


佐藤警部『……いや

実は、俺も怪しいと思ってたんだ……

その地震の、建物被害は

古い建物と、欠陥工事の建物だけ……

他は無事なのに、何故か、その施設も崩れた……

そうゆう施設は

より頑丈に造られているにもだ……!

明らかに、そこも欠陥工事だと思った

専門家の調査も行われたが、基準は満たしておりあくまで、地震による不幸な事故だと判断……

裁判でも、それ以上の言及無し

結局、倒壊した原因は

うやむやのままで可決された』


立花刑事『つまり、隠蔽工作だと?』


佐藤警部『……少なくとも

爆弾犯も、そう思ってると捉えられる』


情報員『当たりだと思います』


タイミング良く、被害者の共通点を調べていた

情報員がやって来た


情報員『被害にあった検察官と弁護士ですが……

その話の裁判に関わっていました

他の人達と裁判官の資料も用意しました』


顔写真付きの資料が並べられた


レベッカ『……ちょっと待って

この人、遊園地にいたわよ!』


情報員『腹黒弁護士……、遊園地が好きで

よく遊びに行くと、自身のブログやプロフィールにも書いてあります

特に……、お化け屋敷は、必ず行くぐらい

好きだと……』


立花刑事『ということは

犯人は、入念な下調べをし

先回りして、爆破による暗殺を目的としている』


エドガー『そのようですね……

しかし、ミナトさんが言うように

このオッサンが主犯だと確信できました』


ミナト『復讐だからな……

それだけ準備したにも関わらず

きっと、腹黒弁護士の、本来のスケジュールに

急遽、変更があったんだろ?

だから、予告状もギリギリに出して

オッサンにしてみれば緊急事態だ

そんな時、闇バイトで雇った連中に任せるのは

信用ならねぇ……

確実に狙えるよう、自分が動く……

そんな感じか?』


エドガー『……ミナトさん……

何だか、凄く頼りになりますね』


ミナト『やめろよ、その言葉は嫌いなのよ』


佐藤警部『よし!やる事は決まった!

このオッサンを探し出すぞ!

そして、ワルモーノ製薬の裁判に関わった人を

保護しろ!』


警官一同『はい!!!』


立花刑事『ちょっと待ってください!』


士気が上がる中、声を荒げた立花刑事


立花刑事『それだけで良いのですか?

闇バイトの存在を忘れているのでは?』


エドガー『そうではありません

確かに、爆弾犯は、暗号文の運び屋として

闇バイトを雇っています

それ故、未確認ながらも、他にも雇っている事は

十分にあります……

ですが、主犯も狙いも分かりました

オッサンを捕らえれば、他に雇った人達を炙り出す事が出来ます

下から順に捕らえながらの必要制も無く、主犯であるオッサンを追うことが出来る状況なので……

こうゆう、使い捨てで雇った人を庇う理由もありませんから……』


立花刑事『それはそうですが

私が言っているのは違います……

監視役として雇っている者がいるのでは?と……

根拠となる情報が、まだ無かった段階で

勘だけで主犯を言い当て、犯行動機も核心を突く言動をしたミナトさん?

あなたが監視役として

オッサンに雇われたのでは?

本来なら、本部に市民が立ち入れるのは、エントランスと応接室まで

私の独断で、作戦室まで連れてきたのは

君から目を離さない為です』


ミナト『あ〜……、ここでも、またそれか……』


猿渡刑事『言われてみれば!

簡単に、僕達を刑事だと見破り

爆弾が仕掛けられてると、初耳なのに

真っ先に、避難誘導させた!

それは!事前に知っていたから!

混乱せず!ユージ君に!お化け屋敷に居る!

主犯のオッサンに!

警察にバレたと伝え!

作戦を変更した!

だから、予告時間になっても爆発しなかった!

僕は今!冴えてるぞー!』


狩沢署長『それは違うよ

面倒くさがりな彼が、面倒事な犯罪に

手を染める事はないよ』


狩沢署長がやって来た

そのまま、一直線に、ミナトに歩み寄り

拳骨を食らわせた


ミナト『痛ってー!何すんだよ!

今のはパワハラだぞ!

暴力だ!みんな!逮捕しろー!』


狩沢署長『この事件に関わるなら

始めから、私の依頼を承諾して良かったんじゃないか?

お陰で、恥をかいたよ』


立花刑事『話は聞きました

元々、狩沢署長が紹介する手筈だと……

しかし、貴方の太鼓判があるにしても

こんな、胡散臭くて、怪しい人物を信用出来かねません』


狩沢署長『う〜ん……、そうだな

佐藤警部、監視付きの条件なんだけど

立花刑事に任せてみては?

ちょうど、警戒してるみたいだし』


佐藤警部『………やっべぇー……、忘れてた……

あ……、そ……そうですね……

立花刑事!任せたぞ!

これでいいかね?』


立花刑事『えぇ、承諾しました

監視を付けるべきだと言うつもりでしたので』


気を取り直し、爆弾犯のオッサンと

標的となっている関係者の保護に取り掛かった


その間、暇になったミナトは

レベッカに問いかけた


ミナト『そういや、猿みたいな刑事が言ってた

遊園地で探ってた有名人って誰なの?』


レベッカ『………ノザワ総理よ

私達は、ある凶悪犯を追って来たの

その凶悪犯が、ノザワ総理に接触した可能性があるから……』


ミナト『ふ〜ん……』


エドガー『……ジェームズ·モンゴメリーという名に、心当たりはありますか?』


ミナト『誰だよ、そいつは?』


エドガー『先日、国際手配犯になった犯罪者です

今頃は、手続きも終わり

手配書が出回る頃でしょう……

知りませんか?』


ミナト『カメリア人か?知らないな……』


レベッカ『そうだ!

アンタ、暇そうだから

コッチの捜査も手伝わない?

パンドラの顔写真と

ノザワ総理が、遊園地に来た時の映像コピーもあるわ!』


エドガー『ですね!

何故か、ミナトさんには頼りたくなります』


ミナト『また、それかよ!

聞こえのいい言葉で、人に面倒事を押し付ける為の口実だから、頼れるだの、期待するだの

当てになるだのは嫌いなんだよ……

つーか、パンドラって呼んでんのか?

ダッセェーあだ名だな』


レベッカ『アナタが聞いてきたんでしょ!』


ミナト『うっ……、それもそうだ』


モンゴメリーの資料と、ノザワ総理の映像を

黙ったまま見たミナト、ある事に気づいた


ミナト『ノザワと一緒に居る奴……

女装してるのに、男のままだ……

オカマでも趣味でも無いな

自分を隠す為の女装だ』


レベッカ『…………え!?男!!?

分からなかった………

他に気づいた事は!!?』


ミナト『………いや、それだけッス……』


レベッカ『はぁ〜!それだけって……!

期待して損したわ!』


ミナト『お前らが勝手に期待しただけだろ!』


レベッカ『うっ……、それもそうね』


エドガー『それは本当ですか?

だとしたら、愛人のフリをしたのはパンドラ

本人なのかもしれません!』


ミナト『ふ〜〜ん、そうなのか……

色々とキモイ奴みたいだ……』


立花刑事『………いいんですか?

そんなに捜査情報を漏らして』


ミナトの監視として、側に居た立花刑事


エドガー『ん〜……、まぁ、藁にも縋る思いってことです』


立花刑事『………………』


ミナト『まぁ、どうでいいけど

俺の子守役だろ?

だったら、トイレ行こうぜ!

連れションだ!』


そう言って、作戦室を出ていき

トイレへ向かった、ミナトと立花刑事



レベッカ『………ねぇ、エドガー……

少し気になる事があるんだけど……』



警察本部、汚いトイレ


立花刑事の背中を

無理矢理、トイレの奥まで押し出すミナト


ミナト『早く!早く!

漏れちゃうよ〜』


そして、オシッコタイム


ミナト『それにしても、さっきの所といい

トイレも汚ったねぇーな!

エントランスは綺麗だったのに』


立花刑事『言ったでしょう?

立ち入りが制限されているって

清掃業者も、エントランスと応接室までです

他は、我々が自分達で掃除しているんです……

多忙な身の為、中々出来ずにいるだけです』


ミナト『あっそ……』


オシッコタイム中


ミナト『あ!そうだ!

さっきの映像で、女装してた奴見て

思い出したんだけどよ……

最初に会った時から、疑問に思ってたけど……』


立花刑事『……?何です?』


ミナト『立花刑事……?

って呼んでもいいのか?

アンタ………、何で変装してんの?』


立花刑事『………!!?』


ミナト『その変装マスク、質が良くてバレにくい反面、使い捨てだろ?

立花刑事が、普段から変装してる、つっても

時間と手間の掛かる作業……

プロ以外なら、質の下がる使い回しのマスクにしてもバレる事はないから……

え〜と……、何だ……?

絶対に、バレたくない変装をしてる……

だから……、何だ……?

まぁ、そんな感じだ、説明しにくいな……』


立花刑事『………いや

言いたいことはわかりました……

フフフフ……!何で分かるんですかね?

これも、お得意の勘というやつですか?』


ミナト『ん〜〜、どっちかで言うなら

人を見抜く方かな?

嘘つきは、すぐに分かるんだ

変装して、本物になりきる演技は

嘘ついてる様なもんだろ?

次いでに言うと、ノザワの愛人のフリをしてたのもアンタだろ?

あと、それから、鼻毛出てるぜ?』


立花刑事『参りましたね……』


そろそろ終わる、オシッコタイム


ミナト『ぬぅははは!

あ〜、喉乾いたな〜、ジュース飲みたいな〜

ステーキも食べたいな〜』


立花刑事『私の弱みを握り

たかるつもりですか?』


ミナト『あ〜ははは……

ま〜、それは冗談だ……』


オシッコタイム終了


ミナト『今は、爆弾犯に専念したいから

誰にも言うつもりはねーよ

ただし、俺の質問に答えるのが条件だ

アンタなら、俺が一番知りたい事を知ってそうだし、アンタの正体もバレずに済む……

二人とも、ハッピーになれるぜ?』


立花刑事『…………どうやら、貴方には

嘘も誤魔化しも通用しないようですね……

分かりました、正直に答えますよ』


ミナト『そーこなくちゃね!

んじゃ!楽しいボーイズトークといこうか!

………ダッセェーあだ名で呼ばれてる

ジェームズ·モンゴメリーさん?』



汚いトイレの臭いと

不穏な空気と緊張感が漂っている







つづく〜