妄想小説



     〜街風〜



      其の六





 冷静になった女が詰め寄る


ナナ『そうなのね…

あなたは、部位フェチなのね

一番好きなところは?』


女神の様な雰囲気の女に童貞はたじろぐ

技で言うと合気道を使ったのだ

相手の性癖を利用する術である


貞彦『え?

あ…、お尻が一番好きです…

太ももも好きです…』


ナナ『へぇ〜…

お尻と太ももが好きなのね…』


貞彦『あ、あのー!

もう我慢出来ないです!!

やりたいです!!』


戸惑いながらも男は攻撃を仕掛ける


だがしかし…

女は、その攻撃を利用し倍の力で跳ね返す!


ナナ『ダメよ…そんなに焦ると、女の子は怖くなっちゃうよ…?

それだと○ッチ出来なくなるよ…?』


貞彦『…で…でも……!やりた…』


ナナ『ねぇ、落ち着いて…』


貞彦『…………は、はい……』


なぜだろう

なぜか気持ちが沈んでいく

まるで、首を絞められ、意識が飛びそうな感覚だ


男は勢いを失い

どうやっても勝てる気がしなくなった

戦意を無くした男は密かに敗北を認めた


そして女は、たたみ掛ける


ナナ『女の子はね、○ッチする時は、どこか怖さがあるの…

痛いかな…?

乱暴にされないかな…?

私で満足にしてあげられるかな…?

男の人の雰囲気が変わって怖いな……

そういう怖さがあるの

人によって全然平気な人もいるけど

ほとんどの人が怖いって気持ちがあるの

だから…

まずは、その怖い気持ちを

優しい言葉で無くしてあげて…

安心感を与えてあげて…

そうしたら、女の子は受け入れやすくなるから…』


貞彦『………そう…ですね……

……僕は…自分の事だけで……

相手のことを考えて……なかった……』


涙ぐむ男

そして、とどめを刺す女


ナナ『それが出来たら

私で良ければ……いいよ

貞彦の卒業式のパートナーになってあげる』


貞彦『はい…!

すみませんでした…!

ありがとうございます……』


さっきまで余裕の無かった男に

少し、余裕と落ち着きが出てきた


そして、

男は女に一礼して、静かに部屋から立ち去った…



ナナ『…………………………

あっぶねぇーー!!!

焦ったーー!!!

ええぇぇ〜〜……!!

ヤバかった〜〜…!

………助かった〜〜〜………』



ピンチが過ぎ去り

へたり込む


ナナ『……って!何で護衛チームは来てくれなかったのよ!?

HH(緊急変態SOSの発信機の名前)が壊れたのかな?

チームに電話して確認しよ』



確認したところ、どうやら護衛チームが待機してる所に、たまたま遊びに来た男がいたのだ

この男は、女の後輩である


要請が来た時、チームは直ぐに出動しようとしたが

この後輩男が待てと命じた

その理由は二つ、

一つは、ナナ先輩が一番変態だから、逆に相手が逃げ出すだろうと、

二つ目、せっかく遊びに来たのだから遊ぼうと、


HHは壊れていないから安心してください、と

そう言って電話が切れた



ナナ『なんだとうー!!』


こうして、一日目の調査が終了した




余談だが、このあと護衛チームのリーダーが外出中から戻って来て

事情を把握し、後輩男をボコボコにしたらしい




             つづく〜