<台風12号>被災地に届かぬ救いの手 大雨追い打ち
毎日新聞 [9/18 03:07]
台風12号が去って初めての休日は多くのボランティアが被災地に駆けつけたが……=和歌山県那智勝浦町で2011年9月11日、幾島健太郎撮影
台風12号で甚大な被害が出た和歌山、奈良両県で、ボランティアの手がなかなか届かない状況が続いている。高齢の被災者が多く、泥で汚れた家屋の掃除や倒木の除去などに人手が必要だが、被災地の多くは山間部。土砂崩れなどで交通規制が続き、ボランティアが入りにくい。台風15号に伴う大雨が追い打ちをかけ、多くの参加者が期待された週末も活動中止が相次いだ。救いの手はいつ届くのか。

和歌山県那智勝浦町中里の太田昭和さん(78)と妻るい子さん(75)は2人暮らし。自宅は床上1.5メートルまで浸水し、畳や冷蔵庫が泥まみれになった。町のボランティアセンターを通じて支援を求め、1週間余りが過ぎた16日、大学生が片付けを手伝ってくれた。

だが、大雨で避難勧告が出たため、学生らは途中で引き揚げた。るい子さんは「足腰が悪く、私たちだけでは重いものが運べない。また力を貸してもらえたら……」と期待する。

那智勝浦町のボランティア登録者は809人(16日現在)。ただ、学生らの参加が多い週末に比べ、平日に対応できる人は3分の1以下。支援要請に応えるため、町のボランティアセンターは16日、被災地に支所を開設。県外からのボランティアの受け入れを始め、3連休に備えていたが、17日は雨で中止に。担当者は「住民は疲れており、ボランティアを心待ちにしているが……」と声を落とす。

新宮市の山間部にある旧熊野川町地区は洪水の被害家屋が多く、42世帯74人が避難生活を送る。

ボランティアのニーズも高いとみられるが、地区への国道が土砂崩れで通行できず、新宮市は台風から1週間近くボランティアを派遣できなかった。14日にボランティアセンターの支所を開設したが、16日に大雨が降り、活動を中止。担当者は「『早く来て』との声も多く雨が恨めしい」とこぼした。

県社会福祉協議会によると、県内で活動したボランティア数は11日の1214人がピークで、15日は509人。江川栄治事務局次長は「せっかくの3連休。早く天候が回復して、多くのボランティアに参加してほしい」と願う。

一方、奈良県では十津川村のみがボランティアセンターを開設。1人暮らしの女性(73)から15日、「家のそばに台風で倒れた木がある。雨が降ると危険なので助けて」と要請があった。

全域で通行規制が続く十津川村は、ボランティア募集を村内に限定しており、登録者2人のうち1人を翌日派遣して倒木を除去した。だが雨脚は強まり、土砂ダムの危険もあって活動はままならない。奈良県社会福祉協議会の百地享事務局次長は「今は身動きがとれず、もどかしい。週明けに雨が落ち着けば、活動を再開したい」と期待を込めた。【山中尚登、神門稔、川口裕之】


Yahoo!ニュース
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