「ダム決壊」誤情報で大混乱 警察、消防一時撤退、避難住民「何倍も疲れる…」

産経新聞 9月9日(金)22時29分配信

 台風12号により出現した土砂崩れダムへの警戒が続く奈良県十津川村と五條市大塔(おうとう)町で9日午後、十津川村長殿の土砂崩れダムが決壊したとの情報が駆け巡った。一報から約45分後に誤情報と判明したが、同村長殿と大塔町宇井で捜索活動中の警察や消防が急遽(きゅうきょ)、作業を中断し、撤退する騒ぎになった。

 「決壊情報」は同日午後2時15分、国土交通省近畿地方整備局から発せられ、同村長殿と大塔町宇井の2地区でサイレンとともに「長殿砂防ダムが決壊。避難してください」とのマイク放送が鳴り響いた。

 十津川村役場には問い合わせが殺到し、村役場に派遣されている同省職員が慌てて確認に走った。午後2時半ごろに「決壊情報」が入った奈良県災害対策本部も騒然とし、午後3時に誤情報と判明した際は、災対本部の担当者が「一瞬凍りついた」と表情をこわばらせていた。

 土砂崩れダムのすぐ下流の同村宇宮原(うぐはら)から近くの保健センターに避難中の妹尾敏子さん(79)は「大きなサイレンが鳴って、どんなおおごとかとドキッとした。ただでさえ緊張しているときなので何倍も疲れる」とうんざりした表情で話していた。

 近畿地方整備局は「ピリピリしている状態で伝達間違いになっていると思う。冷静さを持つことが大事だった」と釈明した。